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米国移民局による申請費用及び申請フォームの変更について

2020年10月2日より、米国移民局(USCIS)は、新しい申請費用による申請受付の開始と共に、いくつかの主要な雇用ベースの移民申請フォームの変更と特急審査申請サービスの審査期間を変更するということです。

新申請費用について:

新申請費用は下記をご参照下さい。

Form Current Fee Final Fee Percentage Change
NONIMMIGRANT
I-129H1 $460 $555 21%

I-129H2B(Named Beneficiaries)

 

$460 $715 55%
I-129H-2B(Unnamed Beneficiaries) $460 $385 -10%
I-129L(Includes L-1A,L-1B and blankets) $460 $805 75%
I-129O $460 $705 53%
L-129E & TN I-129CW(includes E-1,E-2,E-3,TN and CW) $460 $695 51%
I-129MISC(includes) H-3,P,Q,R $460 $695 51%
I-539,Application to Extend/Change Nonimmigrant status(Online Filing) $370 $390 5%
I-539,Application to Extend/Change Nonimmigrant status(Paper Application) $370 $400 8%
IMMIGRANT
I-140,Immigrant Visa Petition $700 $555 -21%
I-526,Immigrant Petition by Alien Entrepreneur $3,675 $4,010 9%
I-485,Application to Adjust Status $1,140 $1,130 -1%
I-485,Application to Adjust Status for applicant under the age of 14 $750 $1,130 51%
I-765,Application for Employment Authorization(Non-DACA) $410 $550 34%
I-765,Application for Employment Authorization(DACA) $410 $410 0%
I-131,Application for Travel Document $575 $590 3%
Biomentrics Fee(NON-DACA) $85 $30 -65%
Biomentrics Fee(DACA) $85 $85 0%
Total Fees for Adjustment of Status Applications bundle–I-485 with I-765,and I-131 $1,225 $2,270 85%
I-90,Application to Replace Permanent Resident Card(online filling) $455 $405 -11%
From I-90,Application to Replace Permanent Resident Card(paper filling) $455 $415 -9%
CITIZENSHIP
N-400,Application for Naturalization(online) $640 $1,160 81%
N-400,Application for Naturalization(paper filing) $640 $1,170 83%

新しい申請フォームについて:

米国移民局は、いくつかの雇用ベースの移民申請フォームの新しいバージョンを発行する予定ですが、それらが正式に利用可能になる具体的な日付は明確にされていません。なお、主な非移民就労ビザカテゴリー(H-1B、L-1O-1ビザなど)については、そのビザカテゴリー毎にI-129フォームの各エディションを作成し発行する予定のようです。

特急審査申請の変更点について:

特急審査申請サービスの申請費用は変更されませんが、米国移民局は審査申請期間をカレンダー暦の15日から営業日の15日(もしくは追加1週間)に変更されるということです。尚、営業日には、連邦の休日は含まれません。

永住権保持者へのステイタスの変更(AOS)申請に関する新しい費用について:

永住権保持者へのステイタスの変更(AOS)申請費用は、 $ 1,130の申請費用に加え別途で労働許可証および一時渡航許可証(Advance Parole) の申請ごとに、それぞれ$ 550および$ 590の申請費用を支払う必要があるということです。これらの新しい費用は、全非移民ビザステイタス保持者からの変更申請に適用されるということです。

会計年度2021年の新規H-1B申請について:

米国移民局は今年の8月中旬に、2021年度新規H-1B申請の2回の抽選を実施しました。 2020年10月2日より前に提出される申請については、現在使用されている申請費用と申請フォームが適用されます。一方、 2020年10月2日以降の申請については、新しい申請費用と申請フォームが適用されるということです。

差し止めの可能性について:

米国移民局による新しい申請費用と申請フォームに関する規制は、現在、カリフォルニア州の連邦地方裁判所で係争中の訴訟で異議が唱えられています。カリフォルニア地方裁判所がこの規則に対して差し止め命令を出した場合、米国移民局は現在使用している申請費用スケジュールと申請フォームに戻すよう要求される可能性があるようです。

国益に基づく入国禁止措置例外規定の基準 (8月12日発表国務省によるガイドライン)

2020年6月22日、トランプ大統領はH-1B、L-1、およびJ-1など一部の非移民ビザ申請者のアメリカ入国を一時的に禁止する大統領布告10052(Presidential Proclamation 10052)を発表しました。この大統領布告では、「米国の国益」に基づき例外規定となるビザ申請者についても定められています。

さらに2020年8月12日、今度は米国国務省が、この「米国の国益」に基づく入国禁止措置例外対象についてのガイドラインを発表しました。

入国禁止措置の対象外となるH-1Bビザ申請者

  • 新型コロナウイルス対策・治療に従事する公衆衛生・医療関係者及び研究者。またはがんや伝染病など、公益性の高い分野で進行中の医学研究に従事する公衆衛生・医療関係者。
  • 米国の重要な外交政策目的を達成するため、または条約・契約上の義務遂行のために、米国政府機関または政府関連団体からの要請に基づいて渡航する場合。
  • 同じ米国企業で、同じポジションでの雇用を同じH-1Bビザで継続するために再渡米する場合。
  • 専門的技術者・上級レベルの管理職者・またはその他の緊急かつ継続的な米国の経済回復促進に必要な労働者で、次の5つのうち少なくとも2つの条件を満たす申請者。
    1. 雇用企業が、米国内でのH-1B社員による引き続きの業務遂行を必要としていること。
    2. 雇用企業のビジネスが社会的に重要なインフラ(例えば化学、通信、ダム、防衛産業、緊急サービス、エネルギー、金融サービス、食糧・農業、政府施設、医療・公衆衛生、IT、原子炉、輸送、水道システムなど)に関わるものであり、さらに申請者の職務が以下2つの条件のいずれかを満たすこと。
      1. 上級レベル (senior level) のポジションである、または職務内容が企業のビジネス全般の管理と成功に必要で重要な機能を果たすものであること。
      2. ビザ申請者の職務内容および専門資格が、申請企業に重要かつ特殊 (unique) な貢献をもたらすものであること。
    3. H-1B申請者の給与額が、労働局が定めるその職種の平均賃金額 (prevailing wage) を少なくとも15%上回る場合。
    4. 雇用される専門職に関連する分野において申請者が受けた教育・トレーニング・あるいは経験が経歴として卓越したレベルである場合。
    5. 大統領布告のためビザ発行が却下されることにより、雇用企業に財政的に大きな打撃となること。例えば、雇用主が財務上または契約上の義務を果たすことができない、事業継続が不可能となる、または、パンデミック前の事業レベルに戻ることに遅延またはその他の障害が生じる恐れがある場合。

入国禁止措置対象外となるL-1Aビザ申請者:

  • 新型コロナウイルス対策・治療に従事する公衆衛生・医療関係者及び研究者。またはがんや伝染病など、公益性の高い分野で進行中の医学研究に従事する公衆衛生・医療関係者。
  • 米国の重要な外交政策目的を達成するため、または条約・契約上の義務遂行のために、米国政府機関または政府関連団体からの要請に基づいて渡航する場合。
  • 同じ米国企業で、同じポジションでの雇用を同じL-1Aビザで継続するために再渡米する場合。
  • 雇用企業のビジネスが社会的に重要なインフラ(例えば化学、通信、ダム、防衛産業、緊急サービス、エネルギー、金融サービス、食糧・農業、政府施設、医療・公衆衛生、IT、原子炉、輸送、水道システムなど)に関わるものであり、申請者がその企業の上級レベル (senior level) の管理職 (manager) または重役 (executive) として赴任する場合。 さらに、申請者の職務が以下3つの条件のうち少なくとも2つを満たし、新しい法人または駐在事務所・支店を設立するための赴任でない場合。
    1. 上級レベル (senior level) の重役 (executive)、または管理職者(manager)。
    2. ビザ申請者に海外の関連企業で複数年の勤務経験があり、その結果培った卓越した知識や技能があること。この知識や技能は、現地で新規雇用した場合、長期間にわたるトレーニングを要するもので、さらに会社の多大な経済的負担なしには取得できない知識や技能であること。
    3. 重要なインフラに関わる企業のビジネスの運営に不可欠な役割を果たす場合。
    4. 注意:新規に法人または駐在事務所・支店を設立する目的で渡米するL-1Aビザ申請者は、上記の3つの条件のうち2つが満たされ、さらに直接的または間接的に5人以上の米国労働者を雇用しない限り、渡米が認められない可能性が高い。

入国禁止措置対象外となるL-1Bビザ申請者

  • 新型コロナウイルス対策・治療に従事する公衆衛生・医療関係者及び研究者。またはがんや伝染病など、公益性の高い分野で進行中の医学研究に従事する公衆衛生・医療関係者。
  • 米国の重要な外交政策目的を達成するため、または条約・契約上の義務遂行のために、米国政府機関または政府関連団体からの要請に基づいて渡航する場合。
  • 同じ米国企業で、同じポジションでの雇用を同じL-1Bビザで継続するために再渡米する場合。
  • 雇用企業のビジネスが社会的に重要なインフラ(例えば化学、通信、ダム、防衛産業、緊急サービス、エネルギー、金融サービス、食糧・農業、政府施設、医療・公衆衛生、IT、原子炉、輸送、水道システムなど)に関わるものであり、その企業の技術者として赴任する場合。さらに、申請者の職務が以下3つの条件の全てを満たす場合。
    1. 申請者の予定職務内容および専門知識が、雇用企業に重要かつ特殊 (unique) な貢献をするものであること。
    2. 申請者の専門知識が重要なインフラビジネスに関連したものであること。
    3. ビザ申請者には海外の関連企業で複数年の勤務経験があり、その結果培った卓越した知識や技能があること。この知識や技能は、現地で新規雇用した場合、長期間にわたるトレーニングを要するもので、さらに会社の多大な経済的負担なしには取得できない知識や技能であること。

入国禁止措置対象外となるJ-1ビザ申請者

  • 米国の国益向上のために外国政府と米国内の行政機関(連邦政府、州政府、または地方行政府)の間で取り交わされた覚書、基本合意書、その他の取り決めに基づいて実施される交換プログラムに参加する場合。また、その取り決めが大統領公布の発効日より前に発効している場合。
  • 米国政府機関が主催するプログラム(DS-2019フォームのプログラム番号が「G-3」で始まるプログラム)に参加するインターンまたは研修生の場合。米国の緊急かつ継続的な経済回復に貢献する、米国政府機関による交換プログラムに参加する場合。
  • 重要な外交政策に関連する場合(時間的制約のある重要な外交政策目標を達成するための交換プログラムに参加する場合のみ)。

入国禁止措置対象外となるH-4, L-2, J-2ビザ申請者

上記で国益に基づく例外規定と認められたH-1B, L-1, J-1申請者に同行する場合、配偶者または未成年の子供には、家族ビザが認められ、入国できます。

今後の見通し及び問題点

今回の入国禁止措置には、その法的根拠・権限に対して異議を申し立てる訴訟が複数起こされています。連邦裁判所が入国禁止措置の差止を命ずる可能性は高いと見ています。その中で発表された国務省ガイドラインは、入国禁止措置により企業や外国人労働者が被ったとされる損害に対処するための試みとも言えるかもしれません。

本来、H-1BまたはL-1ビザの資格条件審査は移民局が行うものであるため、大使館の領事が改めて審査する資格条件はないはずなのですが、このガイドラインは、法的根拠なしに、大使館独自の資格条件を設定してしまっています。また、国益に基づく例外規定を国務省のガイドラインとしたことにより、判断は国務省の裁量内と位置付けられることになり、(議論の余地はあるものの)裁判で係争できる範囲外とみなされることになります。

今回の国務省ガイドラインは、一部の外国人や企業にとってはビザ取得(及び米国入国)の可能性を生み出したと言えるでしょう。しかし、問題は、そもそも移民局申請(注: H-1BビザもL-1ビザも大使館でのビザ申請の前に移民局の認可が必要)の時点で大量の文書による証拠提出が必要とされる審査プロセスに、それとは全く別の、独立した、(しかしやはり文書による証拠提出が必要な)審査プロセスをこの国務省ガイドラインが確立させたということです。企業は、国益による入国禁止措置例外(NIE)であると大使館領事が判定してくれるかどうか、いつ、どのような基準で判定されるのか、明確な説明もない中で、全くの新しい基準と要件に沿って申請書類を準備する必要があるのです。

手続き方法に関して言えば、第一に、NIEの判定が行われる前に、大使館での緊急面接予約が承認される必要があります。これには米国渡航が緊急を要するものであるという証明も必要になります。第二に、大使館領事は、明確な基準や指標なしにNIEかどうかを判断する必要に迫られます。パンデミックによるビザ面接停止のため生じている業務の遅延や、前代未聞の審査・手続きであるという事実を考慮に入れると、果たして審査を完了するのにどれくらいの時間がかかるか不透明です。

特にH-1Bビザ申請者は、米国での雇用を再開・継続するわけでない場合、上記にもあるとおり、非常に難しい基準を満たさなければなりません。「米国の緊急かつ継続的な経済回復促進」のために、彼らの渡航は「必要不可欠」でなければならないのです。これは(具体性に欠ける条件のため)広い解釈の余地がありますが、おそらく実際には非常に狭い範囲で判断されるでしょう。担当領事によって異なった判断をする可能性があるとも考えられます。さらに、これらの基準を満たしていても、H-1B申請者は、「重要なインフラ関連のビジネスに従事する企業」にとって「重要で」「特殊 (unique) な」貢献をしていることを証明する必要があります。しかしこの「特殊性 (uniqueness)」は、移民法上ではH-1Bビザの条件とされていないのです。またさらに、これらの条件を満たしても、申請者が米国外から遠隔で業務を遂行できる場合は、ビザ申請資格がないとされます。

L-1Aビザの場合、移民法上の要件である管理職 (manager) であるだけでは十分ではないことになります。国務省のガイドラインでは、「上級レベル」の重役または管理職でなくてはならないとされていますが、これははっきりとした定義がありません。また、移民法上のL-1ビザ資格条件は、米国外の関連企業で「少なくとも1年」雇用されていることですが、この国務省ガイドラインでは「複数年 (multiple years)」の雇用が必要であるとされています。 しかしこの「複数年」についても、何年なのか、定義がありません。

弊社では、現在の非移民ビザ及び移民ビザの入国禁止措置が少なくとも1箇所の連邦裁判所によって差し止められることを願っています。今回の国務省ガイドラインはある程度望ましい方向に進んでいるように見受けられますが、実際の内容は非常に曖昧で、具体性に欠け、定義がはっきりしない基準が多く含まれています。

例外規定ガイドラインの原文はこちらを参照ください。

米国移民局、2020年10月2日施行予定の新申請費用を発表

米国土安全保障省 (Department of Homeland Security:通称DHS) は、2020年7月31日に永住権、及び米国市民権等のビザ発行に伴う申請費用の変更を正式に決定したことを発表しました。尚、施行日は2020年10月2日からとされており、同日、又はその日付以降に提出される申請書においては下記の通り変更された申請費用を支払う対象になります。尚、主に弊社で取り扱っているビザの申請費用の変更は以下の通りです:

I-129フォームによる非移民ビザ申請費用:

これまで均一料金であったI-129フォームによる非移民ビザ申請費用($460)は次のように変更されます:

  • L-1ビザ: $805
  • H-1Bビザ: $555
  • E-1/E-2/TNビザ: $695
  • Oビザ: $705

I-539フォームによる申請費用:

$400

I-131フォームによる申請費用:

$590

I-765フォームによる申請費用 (DACA: Deferred Action for Childhood Arrivals 対象者を除く):

$550

I-140フォームによる移民ビザ申請費用:

$555

DACA対象者以外の指紋採取費用:

$30

I-485フォームによる申請費用:

$1,130

米国移民局移民申請費用:

$190

N-400フォームによる米国市民権申請費用:

$1,170

尚、全ての変更された申請費用を含むリストはこちらをご参照下さい。

H-1B、L-1、およびJ-1ビザ申請者の米国入国一時停止措置と移民ビザ申請者の入国一時停止期間の延長に関する大統領布告の発表について

6月22日(月)付で、トランプ大統領はH-1B、L-1、およびJ-1ビザ申請者の入国と移民ビザ申請者の入国一時停止期間の延長に関する大統領布告を公布しました。この大統領布告は米国東部時間の2020年6月24日(水)深夜午前12時から2020年12月31日までの間有効とされます。(必要により延長される可能性あり。)

影響を受けるのは誰ですか?

入国一時停止措置は、以下の条件に該当する方にのみ適用されます。

  • 2020年6月24日時点で、米国外に滞在していて、
  • 2020年6月24日時点で、有効な非移民ビザを保持していない方。または、
  • 2020年6月24日時点で有効な、米国渡航・入国に必要とされるビザ以外の書類を所持していない方。もしくはそのような書類を6月24日より後に発給されている方。

影響を受けないのは誰ですか?

  • 2020年6月23日時点で米国内に滞在していて、ビザ保有者。
  • 2020年6月24日時点で有効なビザを取得している方。
  • Eビザは今回の大統領布告には対象として含まれていません。
  • 永住権所有者(グリーンカード)。
  • 米国籍者の配偶者または子供。
  • 米国の食品流通に不可欠なサービスの一時的提供者。
  • 米国入国を許可することが米国の国益に叶うと判断された外国人(例えば米国の国防・法執行・外交・安全保障にとって重要な外国人、または新型コロナウイルス治療に従事する医療関係者、新型コロナウイルスに対処するための研究従事者,または米国の経済回復促進に必要な外国人など)

2020年4月22日付大統領布告の延長について

今回の布告では、移民ビザ(グリーンカード)申請者の入国を一時停止するという2020年4月22日付の布告について延長するとされています。4月22日付の布告の詳細については、こちらの記事を参照してください。

米国内に滞在しているビザ保持者に対する制限が将来的に公布される可能性はありますか?

はい。今回の布告は、すでに米国への入国を許可された者やすでにビザを取得しているなどのビザ受益者について、EB -2やEB-3カテゴリーでの永住権申請やH-1B非移民ビザ申請により、米国労働者が「不利益」を被らないよう、労働省長官に対して、新しい法規の策定などを検討するよう命じています。ただし、現時点では、いつ・どのような内容の新しい法規が施行されるのか不明です。

よくある質問

下記が、この件に関する、よくある質問とその回答になります。

【一般的な質問】

この布告は実際、何を意味するのでしょうか?

米国外の米国大使館・領事館での新しいH-1B、H-4、L-1A、L-1B、L-2、J-1、J-2ビザの発行を停止しています。米国に既に滞在している人には影響ありません。また、Eビザ、F-1ビザ、O-1ビザにも影響はありません。

【米国内に滞在している外国人について】

現在、H-1B、H-4、L-1A、L-1B、L-2、J-1、J-2のいずれかのビザを持っていて、米国に滞在しています。非移民ビザ査証(ビザスタンプ)はまだ有効です。米国外に出て米国に再入国することはできますか?

はい 。
私は現在、H-1B、H-4、L-1A、L-1B、L-2、J-1、J-2のいずれかの合法的なステータスで米国に滞在しています。引き続き滞在可能ですか?私のI-94はまだ有効です。

はい。米国に滞在できます。 I-94が6か月以内に期限切れになる場合は、可能であれば米国に滞在している間に、米国移民局に滞在延長申請をすることをお勧めします。
私は現在、 H-1B、H-4、L-1A、L-1B、L-2、J-1、またはJ-2ステータスで米国に滞在しています。非移民査証(ビザスタンプ)の有効期限が迫っています。どうすればビザスタンプを更新できますか?

ビザスタンプの更新ではなく、米国内で米国移民局に滞在延長申請を提出して非移民滞在ステータスを延長し、米国に滞在し続けることをお勧めします。米国を離れなければいけない場合、新しいビザスタンプがなければ、米国に再入国は出来ませんのでご注意ください。上記のカテゴリーの対象者は、米国大使館は、以下に説明するいずれかの入国停止措置対象外の条件に該当しない限り、新しいビザスタンプを発行しません。
現在有効なE、O-1、F-1、B-1、B-2、E-3、K-1、K-3、M-1、P、Q、またはRビザを所持しています。この布告は私に影響しますか?

いいえ。

【米国外に滞在している外国人について】

私は米国外にいますが、パスポートに非移民査証(ビザスタンプ)がすでに発行されています。来月アメリカに行くつもりでした。アメリカに行けますか?

はい。この入国停止令は、2020年6月24日より前に発行された有効なビザ査証を持っている人には適用されません。よって、アメリカ入国時点で有効なビザを持っていれば、あなたはアメリカに行くことができます。ただし、従来通り、入国の際にはご自分の状況をきちんと説明出来るよう準備をしてください。
私は現在米国外にいて、今回の布告で入国制限された非移民ビザの面接予約を待っています。面接はキャンセルされますか?

面接はキャンセルされる可能性があります。まだはっきりとはしませんが、面接が大使館からキャンセルされない場合は、入国停止措置の対象外となる条件のいずれかを満たし、それを明確に証明できる場合を除き、自分から面接をキャンセルするべきと考えます。つまり、それら条件を満たさない場合には米国大使館がビザ面接申請を却下する可能性があるからです。日本を含むピザなし渡航 (ESTA) プログラム加盟国籍者の場合、ビザ申請却下を受けると、今後このプログラムが暫く利用できなくなる可能性があるからです。
この布告は、米国国務省と米国移民局に特定の審査基準と詳細なガイダンスを発行するよう命じています。弊社では、詳細が分かり次第、随時追加情報を更新します。
私は米国外にいて、H-1B、H-4、L-1A、L-1B、L-2、J-1、またはJ-2ビザの面接予約をしようとしていました。 Eビザのような別のビザタイプのカテゴリーを申請できますか?

(日本人の場合)あなた自身にEビザの取得資格があり、スポンサー企業が日本にある米国大使館・領事館にEビザ企業として既に登録されている場合、Eビザはこの入国停止令の対象外であるため、Eビザへの切り替えを検討することをお勧めします。
現在、米国外にいて、E、O-1、F-1、B-1、B-2、E-3、K-1、K-3、M-1、P、Q、またはRビザを申請するつもりです。 米国大使館でこれらのビザを申請できますか?

はい。ただ、この布告はあなたの申請するビザには影響ありませんが、ビザ取得には当然ながら米国大使館でビザ面接を受ける必要があります。しかし現在、緊急時を除いて、世界中の米国大使館はビザ面接を行っていません。ビザ面接業務が再開されれば、申請することができるようになります。

【H-1B】

移民局に対して審査中の新規H-1B申請がある場合、この布告には影響がありますか?

既に別のステータス(F-1など)で米国に滞在していて、ステータスの変更を申請中である場合、2020年10月1日またはそれ以降で申請が認可された日のどちらかのタイミングで、滞在ステータスがH-1Bに自動的に変更されることになります 。この場合、今回の布告は影響しません。ただし、入国停止措置の対象外となる特別な理由がない限り 、大統領令が有効な間は、海外への渡航及び当H-1Bビザでの再入国はできません。

現在米国外でH-1B申請の認可を待っている場合は、この入国停止令の対象となります。米国大使館・領事館が、あなたが入国停止措置の対象外であることを認めない限り、ビザ査証は発行されず、米国に入国することはできません。このため、 H-1B申請者の大多数は、少なくとも2021年までは米国に入国できないことが予想されます。この点に関しても、 追加情報が発行され次第、随時更新します。

【L-1】

米国大使館でのL-1ブランケットビザの申請も2020年末まで停止されますか?

はい。今回の布告は、L-1ブランケットビザと通常のLビザに区別をつけていないようです。したがって、全てのLビザについて入国停止措置の対象となります。もしあなたが入国停止令の例外となる条件を満たすと思われる場合は、その説明をして大使館に緊急面接を要請することも出来ます。
私は米国に滞在していて、L-1ブランケットステータスを保持しています。ビザ査証に記載のPEDの有効期限が近づいているため、帰国し、 ブランケットステータスを更新する予定でした。L-1ビザスタンプはまだ有効です。どうしたらビザステータスを延長できますか?

有効なビザのスタンプがあるので、渡米は可能ですが、ブランケットベースでしたら、有効なI-129Sも必要です。ただ、現時点では、米国大使館が面接を行い、延長されたPED付きの新しいI-129Sだけでも発行するかどうかについては明確にされていません。あなたが米国にいる場合の最善の解決策は、米国移民局に延長申請をすることです。

【入国停止措置の対象外】

布告にリストされているどの入国停止措置の対象外(つまり、入国が「国益」または「継続的な経済回復」を促進するものである場合)が私に適用されますか?

次の場合が対象外に該当します。

  • 米国の防衛・法執行・外交・安全保障にとって重要である場合
  • 新型コロナウイルス感染者の治療に従事する場合
  • 新型コロナウイルスに対処するための医学研究を米国内施設で行う場合
  • 米国の緊急的かつ継続的な経済回復を促進するために必要な場合
  • 弊社のお客様の中で、この対象外となる可能性が最も高いのは、最後の「 米国の緊急的かつ継続的な経済回復を促進するために必要な場合」でしょう。

対象外となるためにはどうすればよいですか?

(日本人の場合)現時点では、米国大使館は通常業務は一時停止しています。日本国からの郵送による申請の条件を満たさない場合で、ビザ面接を受けたい場合は、大使館に連絡し、緊急面接を要請する必要があります。緊急面接を受けるための基準は、前述の対象外リストのうち、最後の条件に類似しています。日本では緊急面接は非常に緩い基準で認められているようですが、今回の布告対象外の認定については、厳しい基準となると考えます。

大使館領事は、外国人が対象外基準を満たしているかどうかを決定する裁量権を有します。現時点では、今回の入国停止令対象となっているビザの緊急面接予約を予定している方は、米国大使館に対し、緊急面接と入国停止措置対象外審査の両方を要請する必要があるでしょう。

緊急面接要請と入国停止措置対象外審査要請が却下された場合でも、その要請それ自体はビザ面接ではないため、ビザの却下とは見なされません。一方で、面接を受けて却下された場合はビザの却下とみなされます。したがって、以後ESTAの使用が一定期間禁止される可能性があります。

現状、大使館での入国停止措置対象外審査の判断基準に関する情報が不足しているため、現在の弊社の見解は米国大使館からの指示に基づいたものではありません。この点に関しても、 追加情報が発表され次第、随時更新します。

今回の入国停止対象である非移民ビザの緊急面接予約があります。私が米国に入国できなければ、勤務先の会社が何百万ドルもの損失を出すことになります。これは、同時に私の米国入国が「継続的な経済回復」のためでもある、と主張することは出来ますか? 緊急面接予約はどうなりますか?

米国領事は認可するかしないかの裁量権を認められていて、ケースバイケースで審査を行います。前述のように、今回の布告では、米国国務省と米国移民局が、ビザ審査のための判断基準を発行するよう命じています。個々のケースの詳細については、弊社にお問い合わせください。

米国移民局による、2020年度第2四半期の高い質問状の発行について

米国移民局(USCIS)は、雇用者がスポンサーとなる非移民ビザのカテゴリーに関する2020会計年度の第2四半期の統計データを発表しました。そのデータ結果によると、全体的な質問状(RFE)と却下率の発行数の傾向が、雇用ベースのビザ資格を厳格にする目的で施行されたトランプ政権の大統領命令と一致していることが明らかになっています。

【2020年度第2四半期のH-1Bビザ申請に関する統計結果】

2020年度のH-1Bビザ申請における第2四半期の認可率は87.1%で、2019年度の第2四半期と比較すると、約 4%上昇しました。しかし、2015年度の全体的なH-1Bビザ認可率の95.7%と比較するとかなり低いです。

2020年度のH-1Bビザ申請における第2四半期の質問状の発行率は35.8%で、2015年度の22.3%と比較すると、非常に高くなっています。尚、質問状返答後の認可の確率は2020年度第2四半期に68.2%に増率しましたが、これはまだ2015年度の83.2%の認可率をはるかに下回っています。

米国移民局によるH-1Bビザ申請に関する統計結果
2015—2020年度(第2四半期)

会計年度 初回認可 質問状発行 質問状返答後の認可
2020年度(第2四半期) 87.1% 35.8% 68.2%
2019年度(第2四半期) 83.7% 35.3% 58.8%
2018年度(第2四半期) 79% 48.2% 59.5%
2019 84.8% 40.2% 65.4%
2018 84.5% 38% 62.4%
2017 92.6% 21.4% 73.6%
2016 93.9% 20.8% 78.9%
2015 95.7% 22.3% 83.2%

【2020年度第2四半期のL-1ビザ申請に関する統計結果】

2020年度第2四半期のL-1ビザ認可率は74.3%で、2019年度の同時期から増加しています。しかし、これはまだ2015年度の83.7%の認可率をはるかに下回っています。

2020年度のL-1 ビザ申請の質問状発行率は53.6%で、2015年度の34.3%よりも大幅に高くなっています。尚、質問状返答後の認可の確率は55.3%に増加しました。

米国移民局によるL-1ビザ申請に関する統計結果
2015—2020年度(第2四半期)

会計年度 初回認可 質問状発行 質問状返答後の認可
2020年度(第2四半期) 74.3% 53.6% 55.3%
2019年度(第2四半期) 71.8% 53.2% 51.1%
2018年度(第2四半期) 79% 42.6% 52.7%
2019 71.9% 54.3% 50.8%
2018 77.8% 45.6% 52.9%
2017 80.8% 36.2% 49.4%
2016 85% 32.1% 55.6%
2015 83.7% 34.3% 53.5%

【2020年度第2四半期のTNビザ申請に関する統計結果】
2020年度第2四半期のTN認可率は88.7%で、2015年度の95.1%よりも大幅に下回っています。

2020年度第2四半期のTNの質問状発行率は25%でした。質問状返答後の認可の確率は58%で、2015年度と比較しても15%近く低くなっています。

米国移民局によるTNビザ申請に関する統計結果
2015—2020年度(第2四半期)

会計年度 初回認可 質問状発行 質問状返答後の認可
2020年度(第2四半期) 88.7% 25% 58%
2019年度(第2四半期) 88.4% 24.5% 54.8%
2018年度(第2四半期) 85.2% 30.8% 53%
2019 89.8% 24.5% 60.1%
2018 88.2% 28.2% 59.9%
2017 91.6% 22% 64.7%
2016 90.7% 23.6% 64.2%
2015 95.1% 17.3% 74.8%

【2020年度第2四半期のO-1ビザ申請に関する統計結果】
2020年度第2四半期のO-1認可率は89%で、2017年度の最近の94.1%から大幅に低下しています。

2020年度第2四半期のO-1 質問状発行率は30.1%に増加しました。質問状返答後の認可の確率は64.8%に減少しました。

米国移民局によるO-1/O-2ビザ申請に関する統計結果
2015—2020年度(第2四半期)

会計年度 初回認可 質問状発行 質問状返答後の認可
2020年度(第2四半期) 89% 30.1% 64.8%
2019年度(第2四半期) 90.5% 27.7% 67%
2018年度(第2四半期) 93.2% 21.8% 69.3%
2019 90.8% 26.4% 66.1%
2018 92.8% 22.9% 69.3%
2017 94.1% 22% 74%
2016 92.9% 22.6% 70%
2015 92% 24.9% 69%

この統計結果から分かること

これらの傾向から分かる重要な点は、トランプ政権下による大統領命令 “アメリカ製品を買い、アメリカ人を雇う(通称:Buy American and Hire American)” が実現に向かっていることです。尚、H-1B、L-1、およびTNビザ申請の結果には小さな改善がありましたが、質問状発行率は増加したか、高いレベルにとどまっていました。

この大統領命令の目的は、国土安全保障省と労働省に、H-1BとL-1ビザを含むビザ保持者の非移民労働者が米国の労働者に与える影響を見直すことです。尚、この統計から推測出来ることは、将来、より高い確率の質問状発行や却下などが見込まれ、 非移民の雇用カテゴリーに対して制限がかかることでしょう。尚、弊社では、引き続き、皆様にこの問題に関する最新情報を随時報告できればと考えております。

コロナウイルス(COVID-19)による移民に関する変化

世界的に流行しているコロナウイルス(COVID-19)により、米国の移民政策に影響を与える変更が下記の通り生じました。

  1. 特急審査申請の一時停止。米国移民局は、2020年3月20日に、全てのI-129(H,L-1, E, O-1など)およびI-140申請に対する特急審査申請が、今後、新たな通知が発表されるまで、直ちに停止されることを発表しました。
  2. 米国移民局の閉鎖。少なくとも2020年の4月1日まで公共サービスを実施する全ての米国移民局のオフィスが閉鎖されるということです。尚、これには、米国移民局の各フィールドオフィス、asylumオフィス、申請サポートセンター(Application Support Centers)や、米国市民権申請に伴う宣誓式などが含まれます。
  3. 署名入り書類の提出に関する柔軟な対応について。米国移民局は、2020年の3月21日付又はそれ以降に提出されたI-129フォーム(非移民ビザ申請書)を含む全ての申請フォームにおいて、原本の署名が複製された書類も受け付けることを発表しました。尚、 直筆の署名入りの原本が必要なフォームにおいては、米国移民局は電子的に複製されたオリジナルの署名を受け付けるということです。尚、電子的に複製されたオリジナルの署名入りの書類を提出する個人または団体は、直筆署名を含む原本の書類のコピーも保持する必要があるということです。
  4. 領事館の停職。多くの領事館が非緊急ビザのサービスを一時停止しています。
  5. 渡航制限。過去14日以内にオーストリア、ベルギー、チェコ共和国、デンマーク、エストニア、フィンランド、フランス、ドイツ、ギリシャ、ハンガリー、アイスランド、イタリア、ラトビア、リヒテンシュタイン、リトアニア、ルクセンブルク、マルタ、オランダ、ノルウェー、ポーランド、ポルトガル、スロバキア、スロベニア、スペイン、スウェーデン、スイス、イギリス、又はアイルランドに渡航した者は、 米国に渡航することが制限されています。この渡航制限は、中国本土とイランからの既存の渡航禁止規則に加えられています。
  1. 以下に該当する場合は渡航禁止規則の対象外となります。
    1. 米国市民および永住権保持者
    2. 米国市民および永住権保持者の配偶者
    3. 米国市民および永住権保持者の親または法的保護者 (その米国市民および永住権保持者である子供が未婚で21歳未満である場合 )
    4. 米国市民および合法永住権保持者の兄弟姉妹(その米国市民および永住権保持者である兄弟姉妹が未婚で21歳未満である場合)
    5. 米国市民および合法永住権保持者の法的保護下にある子供
    6. その他の特定の外国政府および保健当局者

  2. 2020年4月11日に、当局はコロナウイルスの渡航禁止令に関して再評価する予定であるということです。
  3. 有効なESTA保持者ではあるが、渡航禁止規則の対象者であり、その禁止令に反して米国への渡航を試みる渡航者は 、ESTAが失効されるとい
    うことですのでご注意ください。

トランプ政権発足以降のビザ取得の状況

2020年1月

トランプ政権発足以降、“Buy American and Hire American” (通称 “BAHA”)をテーマに掲げた大統領令(2017年4月)が様々な形で現実化してきています。直訳すれば「アメリカ製品を買い、アメリカ人を雇う」となるこの言葉は、アメリカで働きたい、またアメリカでビジネスを拡大したい、という外国人や外国企業にとっては、その実現に大きな壁として立ちはだかっているようにも見え、我々が取り扱うアメリカ移民法にも直結している大きな問題となっています。

この大統領令の主旨は、アメリカの従業員の賃金と雇用率を高め、アメリカの移民法を厳格に実施し管理することにより、経済的利益を保護するというものであり、現実的にビザ取得が非常に難しくなってきている、ということになります。審査期間は全般的に長期化し、これまでにはないような質問状の発行、またアメリカ国内での永住権申請においても面接プロセスが追加される等、様々な形として現れてきています。実際に、ビザ申請却下率も高くなってきています。

では、皆さんの多くが気にかけているビザの種類として、H-1BやL-1についてアメリカ移民局による最近のデータを見てみましょう。

まずH-1Bの認可率について2015年度の認可率が95.7%であったものが年々減り、2019年度(第一四半期)では75.4%まで落ち込みました。また質問状も発行割合が2015年度の22.3%から60%まで引き上がっているようです。ちなみに質問状が発行された後の認可割合については、2015年度の83.2%から61.5%まで下がっています。これら変動はとりわけ2018年度以降、顕著となっています。特にビザをスポンサーしている会社のサイズがその認可率(却下率)に影響を及ぼしているということではありませんが、IT関連の企業では却下率や質問状の発行割合が上がっているようです。

次にL-1ですが、2015年度の認可率は83.7%であったものがH-1B同様に年々減り、2019年度(第一四半期)では74.4%に落ち込みました。質問状の発行割合も2015年度の34.3.%から51.8%まで引き上がっているようです。質問状が発行された後の認可割合については、大きな変化はなく2015年度の53.5%から52.7% へと、横這いの状況です。L-1における変動の中でも質問状の発行割合が2018年度以降、顕著に増加しているようです。

これらデータでお分かりの通り、移民局による審査が厳格化しています。質問状の内容も複雑化し、これまでには見かけなかったような詳細な事項まで追加で質問を受けることもあり、その傾向に合わせてその後の書類作りを行ってもまた更に別の理由で質問状が出るなど、時間を追うごとに質問状の難易度も上がっています。故に最初に提出する移民局への申請書も多くの説明や証拠資料を提出することになるなど、その申請準備には多大な労力と時間を要することとなり、ケースの却下率が上がっている現状も考えると、申請者となる企業に至っては、アメリカにおける従業員の雇用計画が想定通りにスムーズに進まないという問題も抱えているようです。

尚、今回紹介したデーターでは新規申請と延長申請での区別ではお伝えしてはおりませんが、移民局は全てのケースを詳細に審査することを発表しており、それは延長申請ケースなど既に最初のビザ取得の際に認可を受けているケースでも新規申請同様に全てを見直しするという厳しい審査がなされることになっています。実際に、延長申請でも過去の履歴を深く追及されるなど、延長申請に対してもこれまで以上に質問状が出ています。また申請却下もこれまでは質問状の発行を一旦挟むことが今までの傾向でしたが、現在では、それも無くいきなりの却下通知が届くケースも多いようです。

以上、上記は主にアメリカ移民局の最近の傾向ですが、アメリカ大使館でのビザ申請も厳しくなってきているようです。

最後に簡単に今年の新規H-1B申請についてご紹介します。来年度(2021年度)の新規H-1B申請が今年の春から動き始めます。今年から正式なH-1B申請資格を得るための事前登録システムが導入されることになり、登録期間は2020年3月1日から2020年3月20日までの予定です。登録者がH-1Bの年間上限を超える場合は、事前登録者の中で抽選が行われ、当選結果は遅くても2020年3月31日までに当選した登録者に通知される予定となっています。当選者は2020年4月1日頃から正式な申請が開始できる見込みで、正式な申請は当選から90日の申請猶予期間が設けられる予定となっており、正式な申請は米国移民局が受領した先着順に審査されるようです。尚、現時点では特急審査申請が利用可能かどうかは未発表です。

外国人から見れば、ビザ取得上、あまり好ましい現況とは言えません。一方的な見方かもしれませんが、これがアメリカ経済に真に良い影響を与えるかは疑問かもしれません。今後の政府の動きには益々注目です。

SW Lawグループ、マネジャー
吉窪 智洋

国土安全保障省、申請手数料構造の変更を提案する

国土安全保障省は、申請費用スケジュールの変更を提案しているということです。これにより、ほとんどのビザスポンサー企業と申請者は増額された申請費用を支払わなければいけないことになる上、多くのケースの種類においては更に新しい要件が課せられる可能性があるということです。この提案に関する重要な点は下記となります。

I-129フォームについて

国土安全保障省は、I-129フォーム(非移民労働者の申請書)をビザの分類ごとに異なるフォームに分割し、その分類ごとに異なる申請費用を必要とすることを提案しているということです。尚、もしこの提案が承諾されれば、I-129フォームの提出が必要となるH-1Bビザ、L-1ビザ、OビザTNビザなどを含む、全てのビザの分類に影響することになるようです。

国境警備費について

さらに、国土安全保障省は国境警備費用に関する規定の変更を提案しているということです。 現在の規定では、従業員数が50人を超え、その50%がH-1BビザまたはL-1ビザステータスにある雇用主は、H-1Bビザの新規申請および雇用主の変更申請ごとに4,000ドルの追加申請費用を支払い、L-1ビザの新規申請および雇用主の変更申請ごとに4,500ドルの追加料金を支払う必要があります。しかしこの提案により、雇用主は、H-1BビザまたはL-1ビザの延長申請に対してもこの費用を支払う必要が出てくるかもしれないということです。

永住権保持者へのステータスの変更(AOS)申請についてさらに、国土安全保障省は、ステータスの変更申請に加え同時に申請出来る就労許可書や一時渡航許可証(アドバンスパロール)の申請費用の増額を提案しています。 現在の申請費用は1,225ドルで、この費用にはステータスの変更申請費用、就労許可書、さらには一時渡航許可証の申請費用が含まれます。 尚、このステータス変更申請の費用について、例えば就労許可書と一時渡航許可証の更新申請が必要となる場合の費用も含まれています。

尚、国土安全保障省の提案では、代わりに、新規および更新された就労許可書と一時渡航許可証のため費用を区別するということです。そのため、これら就労許可書とアドバンスパロールを含むステータスの変更申請の提出費用は2,195ドルに増額し、就労許可書と一時渡航許可証の更新(延長)には、それぞれ490ドルと585ドルが分割の上、新規設定されるということです。

特急審査申請について

現在、特急審査申請サービスは15日(カレンダー暦)以内に申請の審査および裁決が下されることを保証します。 しかし、国土安全保障省は、この特急審査申請サービスを今後は15日以内(ビジネスデイ)の裁定期間を保証するものに変更するよう提案しているということです。これにより、延べ日数とすれば、裁決が1週間程度延長される可能性があるということです。

2019年末、今後の政府の方針計画案について

国土安全保障省と国務省は、2019年秋の規制議題を発表しました。 これらの議題は、今後数か月間の各機関の移民政策の優先事項を明らかにし、 もし、これらの規則が正式に施行されるとなれば、多くの移民プログラムとプロセスに大きな影響を与える可能性があるかもしれないということです。

以下は、雇用ベースの移民政策の優先事項のハイライトです。 現時点では、提案されている最終規則の詳細については機密事項であり、公開予定日は変更される場合があるということです。(注)これらは現時点では政策案の状況であり、法制化されたものではございません。

H-1BビザとL-1ビザについて

2020年の9月に公表予定の提案では、L-1Bビザの専門知識のビザのカテゴリーと、L-1ビザの雇用および雇用主と従業員の労使関係を再定義するということです。 尚、この提案により、H-1Bビザプログラムと同様に、L-1ビザ雇用者に新しい最低賃金の支払い義務を課すこと、また、L-1ビザ従業員のオフサイトによる雇用に対する制限が課されることが期待されているということです。

尚、2019年の12月に予定されていることは、H-1Bビザ専門職の雇用および雇用主と従業員の労使関係の定義を改訂する提案であり、H-1Bビザ労働者のオフサイト配置の制限およびH-1Bビザ賃金に関する事項が含まれるということです。

最後に、20203月に予定されている事項は、H-4ビザの雇用許可を取り消す提案であるということです。

F-1ビザOPTについて

2020年の2月に公開される予定の提案は、F-1ビザおよびその他の非移民ビザの許可滞在期限について、現在D / Sという表記から具体的な日付を記載するように変更するということです。ちなみに 現時点では、許可滞在期間のステータスがD / Sとなっている外国人は、許可された活動が続く限り無期限に米国に滞在することが許可されています。

さらに、2020年の8月に公開される予定の提案は、FビザとMビザの外国人留学生のための実践的なトレーニングの規定を改訂する提案だということです。 尚、この提案により、12か月のオプショナルプラクティカルトレーニング(OPT)、STEM OPTの延長、およびカリキュラムプラクティカルトレーニング(CPT)等のプログラムの内容に制限が課される可能性があるかもしれないということです。

米国移民局、特急審査申請費用の増額を発表

2019年12月2日より、米国移民局 (United States Citizenship and Immigration Services: 通称USCIS) は、特定の雇用ベースの申請において、特急審査申請の手数料を増額すると発表しました。尚、米国移民局による最後の申請費用の値上げは2018年でした。

I-129フォーム(非移民労働者申請)とI-140フォーム(永住権申請)の申請に関する特急審査申請において、特急審査申請費用が現在の1,410ドルから1,440ドルへと値上がりするということです。尚、米国移民局によると、今回の特急審査申請費用値上げの理由は、2001年6月から2019年8月の物価のインフレの影響を受けているということです。

特急審査申請は、オプショナルで、I-129フォーム(非移民労働者申請)とI-140フォーム(永住権申請)の申請書において、米国移民局がカレンダー暦で15日間で申請の審査と裁決を行うというサービスです。

国務省、ブランケットLビザ申請の審査基準を明確にする

近日、国務省は、ブランケットLビザ申請の審査に関するガイドラインを更新し、申請者は「明確で説得力のある証拠」の提出によってビザの適格性を証明しなければならないと述べたということです。さらに、領事役員は、新しいガイドラインの規定により、面接中に申請者のブランケットLビザの適格性に関する質問を迅速かつ容易に解決できない場合、ブランケットLビザの申請書を却下するよう指示されたということです。

尚、長年のガイドラインの下では、米国移民局に比べ、米国領事館のブランケットL-1ビザ申請者は、米国領事館の面接で、申請書が「明らかに許可可能」であることをより証明する必要があるということです。尚、新しいガイドラインにより、領事役員がどのブランケットL-1申請を承認するかという基準が変更される訳ではありませんが、全体の申請拒否率がより高くなる可能性はありそうです。そのため、ブランケットL-1ビザ申請者は、申請却下の確率を極力減少するために、面接中に可能な限り明確にブランケットL-1ビザの適格性を説明出来るように充分準備する必要があるでしょう。

以上、この2件に関するご質問がある場合は、お気軽にお問い合わせください。