カテゴリー別アーカイブ: 非移民ビザ

H-1BとH-4ビザに関する改正案について

国土安全保障省 (通称 DHS: Department of Homeland Security) と労働局 (Department of Labor) は2018年秋、規制改革協議案を発表しました。もしこの議案が議決され、施行される場合、H-1BとH-4ビザのプログラムに多大な影響が出ることが予想されます。

以下が、2018年秋に出されたH-1BとH-4プログラムに関する規制改革協議案で、重要な点となっています。

  • 新規H-1B申請の抽選事前登録案: 新規H-1B申請の抽選に関する事前登録案が2019年4月1日より受付開始となる2020年度の新規H-1B申請の申請及び審査プロセスに影響する可能性があるかもしれません。
  • H-1B申請資格基準と賃金要件: H-1B申請の申請資格基準に関して、“雇用”と”雇用者と労働者の労使関係”に関する資格基準の定義が、更に厳しく修正されることが予想されており、今後のH-1B労働者雇用予定の企業に影響を与える可能性があります。
  • H-4就労資格プログラムの終了: 現在、特定の状況下にあるH-1Bビザ保持者の配偶者であるH-4保持者には就労許可取得の申請が認められています。しかし、特定のH-4ビザ保持者の雇用を許可するこの規制を取り消す提案が2018年の11月に発行される予定です(記事記載時点ではまだ予定の状況)。なお、その就労許可取り消し案が施行された後、現在有効なH-4就労承認について、残りの有効期間の就労も引き続き可能となるかどうかは定かではないということです。

弊社では、引き続き、皆様に最新情報を随時報告できればと考えております。この件に関してご不明な点や懸念がある場合は、お気軽に弊社までお問い合わせください。

労働局、改正されたLCAの実施に関する声明を発表

労働局は 2018年の10 月24日から10月31日の間、改正された労働条件(通称LCA: Labor Condition Application) の適用の実施を発表しました。

まず、第三機関を就労先とする H-1B, H1B1, 又は E-3を申請するケースにおいて、この改正されたLCAを使用する場合、雇用者はクライアント先やベンダーを示す必要があります。また、H-1B雇用者はビザ受益者の就労先における外国人労働者の人数を示す必要があり、H-1B保持者に依存している企業または意図的に虚偽の申請をしたと見なされる H-1B雇用者は、必要条件に対する追加書類提出の対象となります。

なお、改正されたLCAがICERT上 (労働条件のフォームを作成し申請するオンラインシステム) で利用可能になるまで、雇用者やその移民弁護士は現在利用可能なLCAを引き続き使用することが可能です。なお、改正されたLCAがICERT上で使用可能になった後でも、労働局は以前のLCAの使用を許可するグレースピリオド(猶予期間)を設ける予定とのことでした。

この声明に関して興味深いことは、特に第三機関を就労先とする申請においてで、 H-1B雇用者がクライアントやベンダー先を示す必要性を盛り込んだということです。

この件に関してご不明な点や懸念がある場合は、お気軽に弊社のオフィスにお問い合わせください。

新規H-1B申請者(F-1ビザOPT 保持者)のキャップギャップ就労許可期限(9月30日)に対する移民局の見解

米国移民局 によると、現在F-1ビザ保持者で新規H-1B申請を行った時点でOPT が有効であった申請者について、10月1日の時点でもH-1B申請が審査中の場合は、10月1日付け、又はそれ以降も働き続けると、不法滞在とみなされる危険性があります。その理由は、 “キャップギャップ” の就労が許可されているのは現状、9月30日までであるためです。

キャップギャップとは

現在の 米国移民局の規定の下では、10月1日にF-1からH-1Bへのステータス変更をリクエストしている新規H-1B申請者であるF-1 の学生は、申請時点でそのOPT が有効であれば、F-1ステータスを維持しながら9月30までの就労が可能となります(学校より相応のI-20の取得等が必要)。F-1ステータスの終了と H-1Bステータスの開始の間のギャップを埋めるこの規制のことを「キャップギャップ」と呼んでいます。

不法滞在

不法滞在とは、外国人が許可されていない、または承認された滞在期間外の滞在において、米国に居住する期間のことです。どのくらいの期間、その対象者が不法滞在しているかに応じて、3年間から場合によっては永久的に至るまで、アメリカへの再入国が禁止になる判断が下される可能性があります。

誰がこの指針に最も影響するのか

米国移民局は、既に、いくつかの特定のH-1B申請に対して、特急審査申請を中断していますが、申請者の増加に加え未処理のビザ申請審査等のため、10月1日までに全ての F-1 学生のための H-1Bのステータス変更の申請処理をすることは厳しいと見られています。なお、上記の通り、現時点では9月中に認可が下りなかった新規H-1B申請者(キャップギャップ対象となるF-1学生)は、10 月1日付けまたはそれ以降の就労は認められていません。

影響されない点について

F-1学生のキャップギャップは9月30日に終了しますが、一般的には、ステータス変更の申請が審査中である場合、10月1日以降の引き続きの滞在については違法滞在とみなされずに米国に留まることが認められています。もしステータス変更の申請審査中のF-1の学生で9月30日を超えての就労許可書(OPT)を持っている場合は、もちろん、少なくともその期限までは働き続けることができます。

この件に関してご不明な点や懸念がある場合は、弊社のオフィスにお問い合わせください。引き続き、皆様に、最新情報を随時報告できればと考えております。

米国移民局、特急審査申請の申請費用の値上げを発表

2018年8月31日、米国移民局はI-129フォームとI-140フォームの提出とともに要請する特急審査申請について、その特急審査申請費用の変更を発表しました。2018年10月1日より、特急審査申請費用が現在の1,225ドルから1,410ドルへと14.92%値上がりします。

この審査費用の値上がりに影響されるI-129フォームとI-140フォームによる申請は主にH-1B、L-1 やEB-3のカテゴリー等を含む様々な非移民ビザや移民ビザの申請に使用されます。

なお、最後に特急審査申請費用に変更があったのは2010年のことで、その際は、全ての都市部消費者に向け、消費者物価指数を基に費用が調整されました。今回の特急審査申請費用値上げの理由は物価のインフレの影響を受けています。なお、米国移民局は、この値上げによって得る追加資金を元に移民局職員の増員と情報技術システムの向上を見込んでいるようです。

詳しくはこちらをクリックして下さい。

米国移民局、H-1B特急審査申請の受付停止における期間の延長と対象範囲の拡大を発表

三月に、米国移民局は新規H-1B申請における特急審査申請の受付を一時的に停止すると発表しました。2018年8月28日、米国移民局は2018年9月11日から新規H-1B申請の特急審査申請の一時的な停止期間を延長する上、更にその他の特定のH-1B申請においても受付を停止すると発表しました。

2019年度の新規H-1B申請に加えて、米国移民局は2018年9月11日からI-129フォームが提出条件である申請書とl-907フォームの特急審査申請が一緒に含まれた申請書の受付を却下するということです。

更に詳しい詳細こちら下さい。
http://swlgpc.com/eng/uscis-extends-expands-suspension-premium/

不法滞在に関する最終方針覚書改定の発表

2018年8月9日、米国移民局は米国での外国人の不法滞在に関する最終方針覚書の改定版を発表しました。この改訂版は同日の8月9日から施行開始で、ステイタスが一時的に維持されていない状況ではあるものの必要期限までにステイタスを取り戻す手続き(Reinstatement)を行った学生ビザ(F)や職業ビザ(M)については、その申請審査中は不法滞在とみなされないというものです。

この方針覚書は、米国移民局によって2018年5月10日に発表されたF、J(交流訪問者ビザ)や Mビザ保持者に対する不法滞在期間の計算方法の変更を意味します。この新しい覚書は、従来の方針制定後の2018年6月11日までの30日間に得られた一般公募による評価をもとに制定されました。

この最終方針覚書によると、米国移民局は、F又はMビザステイタス復帰申請において、その“適時”の申請とは、ビザ申請者が申請の時点で5ヶ月以上それらステイタスが正当に維持されていない状況にはない場合を意味します。つまり、その5ヶ月という期間より前にF又はMビザステータス復帰の申請を行えば不法滞在とみなされないということです。しかし、 もしその申請が結果的に却下されてしまった場合は、却下されたその日から不法滞在の時計の針が進み始めることになりますので、注意が必要です。

なお、通常、米国国務省(Department of State 通称:DOS) はJ-1ビザの執行及び管理を行う立場にあります。もし、米国国務省がJビザ復帰(Reinstatement)の申請を承認するようなケースにおいては、Jビザ申請者がその復帰申請が承認されるまでの間は基本的には不法滞在とみなされないようです。

今回の新指針に関して質問がある場合はお気軽に弊社までご連絡下さい。

最近の移民法改正が及ぼす統計的影響について

アメリカの政策に関する国家基金(通称 NFAP: National Foundation for American Policy) はトランプ政権下によって生み出された最近の移民法改正が与える統計的影響について調査し、その統計結果を公表いたしました。以下が、米国移民局(通称 USCIS: U.S. Citizenship and Immigration Services) とアメリカの政策に関する国家基金(NFAP) が算出した2018年度7月の統計結果です。

2017年度のH-1B申請に関する統計結果

H-1B申請の第3四半期と第4四半期の質問状の発行
(通称 RFE: Request for Further Evidence) の割合 (2017年度)
第3四半期:質問状発行割合 第4四半期:質問状発行割合
インド 24.2% 72.4%
インド以外の全ての国 18.0% 61.2%
合算合計 22.5% 68.9%

参考資料:米国移民局とアメリカの政策に関する国家基金による算定

H-1B申請の第3四半期と第4四半期の却下の割合  (2017年度)
第3四半期:却下の割合 第4四半期:却下の割合
インド 16.6% 23.6%
インド以外の全ての国 14.0% 19.6%
合算合計 15.9% 22.4%

参考資料:米国移民局とアメリカの政策に関する国家基金による算定

L-1B申請における却下の統計結果

L-1B申請の第1四半期と第4四半期の却下の割合  (2017年度)
第1四半期:却下状の割合 第4四半期:却下状の割合
インド 36.0% 47.8%
インド以外の全ての国 14.1% 16.7%
合算合計 21.7% 28.7%

参考資料:米国移民局とアメリカの政策に関する国家基金による算定

L-1B申請の2015年度〜2018年度の却下の割合
年度 却下の割合
2015年度 24.9%
2016年度 24.2%
2017年度 27.1%
2018年度 第1四半期 30.5%
2018年度 第2四半期 29.2%

参考資料:米国移民局とアメリカの政策に関する国家基金による算定

L-1A申請における却下の統計結果

L-1A申請の第1四半期と第4四半期の却下の割合  (2017年度)
第1四半期:却下状の割合 第4四半期:却下状の割合
インド 9.5% 16.4%
インド以外の全ての国 14.3% 23.8%
合算合計 12.8% 21.4%

参考資料:米国移民局とアメリカの政策に関する国家基金による算定

O-1申請における却下の統計

O-1申請における第1四半期と第4四半期の却下の割合  (2017年度)
第1四半期:却下状の割合 第4四半期:却下状の割合
インド 14.7% 79.7%
インド以外の全ての国 20.5% 27.9%
合算合計 20.2% 33.9%

参考資料:米国移民局とアメリカの政策に関する国家基金による算定

この統計結果から分かること

  • 2017年度のH-1B申請における第3四半期と第4四半期の質問状の発行数が28,711件から63,184件へと2倍以上の発行数となっております。なお、この第4四半期に発行された質問状の数はオバマ政権下の末期である同年度の第1四半期に比べると驚くべきことに、17%から69%に増加しました。
  • インド人申請者は他の国の申請者に比べ比較的多くの質問状を受けています。全てのH-1B申請において、インド以外の全ての国は61%の割合で質問状が発行されていることに対し、インド人申請者への質問状の割合は72%です。これはL-1B申請に関しても同様のことが挙げられます。
  • 特殊技能が必要とされるL-1B申請の却下率は、2017年度の第1四半期と第4四半期の間では合計で7%増量しました。なお、この割合は2018年も同様に継続して増加しています。
  • 役員、管理職向けの L-1A申請の却下率は、2017年度の第1四半期と第4四半期の間では12.8%から21.4%と飛躍的に増加しました。
  • 最後に、卓越した能力を有することが申請条件である O-1申請に関しては、2017年度の第4四半期の時点で約80%ものインド人申請者が質問状を受けることとなりました。

どの移民法改正が最も移民法に影響を与えたのかについて

2017年4月18日に制定された、トランプ政権下による大統領命令 “アメリカ製品を買い、アメリカ人を雇う(通称:Buy American and Hire American)” により、質問状と却下状の発行の割合は格段に上昇し続けています。特に、2017年度の第4四半期の統計結果は、同年の第3四半期の統計結果と比べ驚くべき違いが数字として現れています。

なお、米国移民局の審査官が質問状 を発行せずに申請書を却下することが出来る新たな新指針が施行されることにより、雇用者に質問状に応答する機会が与えられないため、今後更に大きな影響を及ぼすこととなるでしょう。なお、Notices to Appear (NTA:移民裁判所への出頭命令) の発行に関する新指針においても、米国移民局が、申請が却下された申請者を、適切な場合において、即座に国外退去させる権限を保持するため移民法に更に大きな影響が出てくることが予測されます。

Lブランケット申請において承認されたI-129Sフォームの発行枚数について

先月、米国移民弁護士協会(通称AILA: the American Immigration Lawyers Association)は、承認したI-129Sフォームを少なくとも3枚は発行しなければならないというブランケットLビザ申請に関する指針[9 FAM 402.12‐8 (F) (b)]があるにも関わらず、いくつかの在外米国大使館、領事館において、3枚未満のI-129Sフォームしか発行されていない状況があることを公表しました。 I-129Sフォームとは、Lブランケットプログラムに基づいたL-1ビザ査証申請において、アメリカ大使館、領事館での面接に必要な提出書類の1つです。面接が無事に終了し、ビザ査証が発行される際、このI-129Sフォームにビザの有効期間が手書きで記載され、ビザ査証とともに返却されます。

I-129Sフォームを適切な枚数所持していないとどのような影響があるのか

ブランケットLビザ保持者がアメリカに入国する際、税関国境警備局(通称CBP: Customs and Border Patrol: 空港などアメリカへの入国審査機関)が、ブランケットLビザ保持者に対してI-129Sフォームの原本の提出を要求し、ブランケットLビザ保持者に返却せずそのまま保管してしまった場合、このI-129Sフォームを失うことになります。従って、その後のアメリカ入国の際、原本を所持していないことになり、アメリカ入国への影響も考えられます。

解決策はあるのか?

国務省(DOS: the Department of State)が米国移民弁護士協会に伝え他ところによると、在外アメリカ大使館、領事館は、認証されたI-129Sフォームの必要数を発行する予定であるということです。国務省はブランケットLの指針が記載されているFAMの記載が変更になる前に連邦規則集(通称CFR: Code of Federal Regulations)の8章が変更されるのを待っているとのことです。なお、国務省はもし在外アメリカ大使館、領事館がI-129Sフォームを一枚しか承認しなかった場合は、I-129Sフォームは直筆のサインを必要としないため、コピーを取っておくべきでしょう、と勧めています。

最後に、米国移民弁護士協会は、ブランケットLビザ申請者は、ビザ申請(面接)の際、9 FAM 402.12‐8 (F) (b) の写し(面接官のマニュアルで、公表されて条文の一つです)を持参しておき、無事に面接をパスした場合は、必要に応じて面接審査官にその写しを提示することで、少なくとも2枚以上の承認されたI-129Sフォームを提供するよう促すことが懸命でしょう、とも助言しています。

詳細は米国移民弁護士協会の記事をご覧ください。
https://aila.org/infonet/practice-number-endorsed-forms-i129s

DUIをはじめとする非移民ビザの取り消しについて

1952年に制定された移民国籍法とその改正によると、国務長官は如何なる時でもビザを撤回し、取り消すことのできる権利を保持しています。また国務省(通称 DOS:The State Department)は、飲酒運転及び麻薬の影響下での運転(通称 DUI: Driving Under Influence)においても、その有罪判決の有無に関わらずビザの取り消しを行使しております。なお、国務省はDUIを犯した米国滞在の非移民ビザ保持者のビザ(査証)も取り消す権利も保持しています。

非移民ビザの取り消しの過程について

違反の度合いにより国務省の異なる2つの部署において非移民ビザの取り消し処理が行使されます。

(I) DUIに関しては、アメリカ大使館、領事館が非移民ビザ保持者のビザ査証の失効手続きを行います。

(II) DUI以外については、国務省の本社にある査証審査署(Visa Office of Screening, Analysis and Coordination)が非移民ビザ保持者のビザの失効手続きを行います。

なお、国務省による非移民ビザの失効が正式に有効になるのは、通常は、アメリカ滞在者に対しては、処罰を受けた非移民ビザ保持者が米国を出た後になります。

非移民ビザ失効による影響とは

多くの場合、国務省はビザの失効状を”送付可能な場合”においてのみ発行します。しかし、非移民ビザ失効状を受け取らなくてもビザの失効は有効になります。DUIケースにおいては、通常、アメリカ大使館、領事館がDS‐160フォーム(オンラインのビザ申請書)に記載されているEメールアドレスにビザ失効状を送るため、DS‐160フォーム上の情報が最新かつ有効であり続けていることが大変重要です(場合によっては米国領事館が直接該当者に電話することもあります)。なお、ビザ失効状をEメールで受け取った場合は、失効状の確認のため、関係するアメリカ大使館、領事館に直接問い合わせることも可能です。

ただ注意すべきことは、ビザの失効は処罰を受けた後の最初のアメリカ出国後が絶対ではないということです。ケースによっては、国務省による非移民ビザ失効により、アメリカ国内にて移民局に対して行う就労ビザの雇用者変更申請や延長申請が却下されたケースもあります。更に、場合によっては、非移民ビザの失効により、国外退去の処分を受けたケースもあります。なお、現在、国務省と国土安全保障省(移民局)はこのような例外的なケースを無くし、米国出国後のみビザの失効が有効になるよう、その制限について議論しています。

米国移民局によるNotices to Appear (NTA)に関する新指針

2018年6月28日、米国移民局(USCIS)はNotices to Appear (NTA:移民裁判所への出頭命令)の発行に関する新しい指針を発表しました。この新指針によって、今後米国移民局がNTAを発行する対象の範囲が以前より広がります。そのため、国外退去可能なケースで、詐欺行為、犯罪行為、又は、ビザ申請など却下されたにも関わらず米国に違法滞在している証拠がある場合の外国人もNTA発行の対象となります。

以前の方針では、米国移民関税執行局(通称ICE:U.S. Immigration and Customs Enforcement)がその役割を担い、米国移民局はビザ申請審査がその役割の中心でした。それが今回の方針転換を受け、米国移民局にもその機能及び権限が持たされた形となります。

米国に合法的に就労又は居住している外国人でも、彼らの滞在延長申請や転職申請が米国移民局による指針の変更によって思いがけず却下されてしまった場合もNTAの発行を受けての国外退去手続きをしなければならないようになります。なお、NTAの発行を受けた外国人は、その内容が、個人の意思に反しているとしても米国を出国することが出来なくなり、移民裁判所に行くことを余儀なくされてしまいます。同様に、最近のUSCIS の規定変更により、滞在を許可するステータスが無効になってしまった留学生もNTA発行の対象となります。なお、2018年5月31日の時点で既に70万以上ものケースが移民裁判機関にて滞りが出ている状況ですので、この新指針は移民法業界また外国人にとって更に大きな影響を与えることになります。

この新指針によって最も気になる点の一つは非移民ビザ(H-1B , L-1 ビザなど)の延長申請等、元のビザの期限を過ぎたにも関わらず申請は引き続き審査中の状態で、アメリカにて合法的に待機しながらも結果的にビザ申請が却下になってしまうケースで、今回のケースでは、その状況もNTA発行の対象となるようです。従って、非移民ビザ等延長申請の必要な方は、元のビザの期限を迎える前に延長申請の最終結果が出ている状況が望ましいと考えられます。