米国政府は、空路で米国へ入国する外国人(米国籍者・米国永住者以外の米国入国者)に対し、新型コロナウィルスのワクチン接種完了証明を義務づける新たな方針を最近発表しました(2021年11月8日実施予定)。これは、海外からの全入国者に対して今まで求めていたコロナウィルス検査義務に加えて必要とされるものです。
これと同時に、ブラジル、中国、インド、イラン、アイルランド、シェンゲン圏、南アフリカ、英国のいずれかの地域に最近滞在していた人を対象とする、地域ごとの入国制限は廃止される予定です。
なお、ワクチン未接種で飛行機に搭乗することを認められた渡航者に対しては、米国籍者も含め、渡航前及び渡航後により厳しい要件のコロナウィルス検査が求められることとなります。
この新方針により、多くの人にとっては米国への渡航が容易になるものの、在外アメリカ大使館・領事館でのビザ申請件数が増えることが予想され、渡航に米国ビザを必要とする人にとっては米国渡航に支障が出る可能性があります。
この新たな動きは、特定地域からの渡航者に対して入国制限を課す方針から、空路で入国する渡航者に対し個別に制限を課すというバイデン政権の方針転換を表しています。
ワクチン接種証明は、既存のコロナウィルス検査義務に追加して必要とされるものです。もともと米国外からの空路による渡航者は、渡航前72時間以内に受けたコロナウィルス陰性証明、もしくは直近のコロナウィルス治癒証明のいずれかを提出しなければなりませんでした。
新方針では、ワクチン接種完了者は、渡航前72時間以内にコロナウィルス陰性証明書を取得していれば、接触者追跡情報を提供する限り、米国に渡航することができます。ワクチン未接種の外国人はほとんどの場合入国が禁止されるのに対し、ワクチン未接種の米国籍者はコロナウィルス陰性証明があれば入国できるとされています。
※本記事は10月時点に発表された内容で、この記事が皆様に読まれている頃には異なる状況となっている可能性もございますこと、ご了承ください。