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第三機関(Third Party)を就労先とするH-1B申請に関する新指針(その2)

前回、 第三機関(Third Party)を就労先とするH-1B申請に関する米国移民局(USCIS)による新しい指針の概要について紹介しました。この新しい指針は既に有効なものとして扱われており、H-1B就労者の第三機関会社での雇用を計画している請願者(H-1Bビザのスポンサー会社)は、その第三機関会社での全雇用期間に対する雇用契約書、特定の業務スケジュール、そして関連する末端クライアントからの詳細な業務情報に関わる資料の提出が義務化されたという内容のものとなっています。今回は、その内容を更に掘り下げて紹介します。

業務スケジュール(タイムライン)について

H-1B申請上、第三機関会社における業務スケジュールの提出は長年必要とされていた重要な項目でもありました。ただ、今回の新指針により、単なる業務予定ではなく、業務予定をより明確に示すべく、正確な日付、関連する業者やクライアント等の名前、住所、電話番号、就労場所など、より詳細でより正確な内容のものが必要となってきています。つまり、H-1B申請の段階で、ある程度の内容が時系列上、第3機関会社との合意のもとで詳細に決定されている必要があることを意味します。

H-1B延長申請への影響について

この新しい指針はH-1B延長申請において大きな影響をもたらします。その変化に対し、ビザスポンサー会社が延長申請にて求められる提出書類(例)は以下の通りです。

  1. 延長申請の基となる最初のH-1B申請が第3機関会社での雇用であった場合、その延長申請に伴い、元の全期間における雇用の全てが、第3機関におけるH-1B雇用条件を満たす内容となっていることを示す証拠資料
  2. 最初のH-1B申請書に記載されていた通りの給料が支払われたことを示す書類
  3. 職務内容がH-1Bに求められる条件を満たす専門的なものであり、これまで、更には延長後もその雇用が継続することを証明する資料
  4. ビザスポンサー会社が、H-1B受益者に対する給与支払いや雇用上の管理など、ビザ受益者との間に明確な労使関係(Employer-Employee relationship)が存在していることを証明する資料

なお、この指針は過去に承諾された関連する指針(就労場所の変更に伴う指針など)と矛盾しない一貫したものとなっています。

最後に、繰り返しますが、この新しい指針により、もし申請上、H-1B全雇用期間のH-1B専門職としての職務内容や労使関係、更には第3機関会社(実際の就労先)におけるに雇用の実態等を証明できない場合は、移民局審査官はその裁量によりH-1Bの認証期間を限定的に短くしたり、場合によっては申請そのものを却下したり、とその審査権限を強く行使できることを示唆しています。

トランプ大統領による入国禁止令について

2017年1月27日、トランプ大統領は、イラン・イラク・リビア・ソマリア・スーダン・イエメンの7カ国の国民について、2017年4月27日までの90日間、アメリカ入国を一時的に禁止する大統領令に署名しました。

 

またこの7カ国の国籍を持たずとも、 出生が対象7カ国の一つであったりなどその国の国民とみなされるような場合、この禁止令が適用される可能性もあります。

 

さらに、対象7カ国の国籍者ではなくても、この国々と強いつながりを持っていたり、居住者である場合には、アメリカへの入国が禁じられる可能性もあります(ただし現時点で大統領令はこの点に関しては不明瞭です)。

 

ただし、上記7カ国の国民であっても、7カ国以外の国の国籍を持つ二重国籍者である場合は、この入国禁止令から除外されます。

 

発令当初は、永住権保持者(グリーンカード)も入国禁止令の対象とされましたが、その後この方針は撤回され、米国の安全保障上問題のない場合において、原則として永住者の入国は認められると訂正されました。

 

この禁止令は上記7カ国の国民で非移民ビザ(例えばB-1、H-1BやL-1)保持者について対象となるとされていますが、永住権申請中で旅行許可証 (advance parole) 所持者についても対象となる可能性が高い模様です。ただし、上記7カ国の国民であっても、外交官ビザ (A-1/A-2) や国連・国際機関関係者ビザ (G-1/G-2/G-3/G-4/NATO)、国連通過ビザ (C-2) 保持者については禁止令の対象外となっています。

 

現在米国移民局に申請中の永住権最終手続き(非移民ビザステータスから永住者ステータスへの変更申請)や帰化手続きについては、申請者がこの7カ国の国民の場合、この禁止令が解除されるまで審査が 保留される可能性が高いとのことです。禁止令は 少なくとも90日間有効となっていますが、今後、期間延長や対象国追加の可能性も考えられます。

 

またこの入国禁止措置に加えて、この大統領令では、各国アメリカ大使館で実施されていたビザ面接免除プログラムも中断するとしています。このプログラムは、非移民ビザ更新で条件が整えば大使館での個人面接を免除していたものです。ただし、現時点においては、まだビザが有効なうちの更新や前のビザが切れてから12ヶ月以内の申請であれば面接免除で手続きできる大使館もあるようです。事前に申請先の米国大使館・領事館へ 照会が必要と思われます。

 

この大統領令ではさらに、移民・非移民を問わず、今後の米国ビザ申請全般にわたる審査プロセスの大幅な見直しを求めています。詳細については、政府から随時発表が行われる見込みです。

 

また、米国政府では現在のところ新規雇用を停止しているため、移民局や労働局へのビザや永住権申請審査の遅れが予想されます。

 

今後どのように事態が発展するかについてはさらなる政府発表が待たれますが、当事務所では特に対象7カ国の国籍者には、現時点で以下について注意するよう勧告しています。

 

  • 現在米国内に滞在中の非移民ビザ保持者・永住権保持者や永住権申請者は、現時点ではアメリカ出国は避ける。再入国の際に入国を拒否されることを予期しておく必要あり。
  • 現在米国外に滞在中でアメリカへの渡航を計画している場合は、この禁止令の現在の有効期限である2017年4月27日以降も効力が延長される可能性や、旅程に遅延が発生する可能性についても備えておく必要あり。

 

なお、事態は非常に流動的であり、今後また大きな変化も予想されます。この大統領令も含め、米国移民法に関する変化については判明次第このウェブサイトでも随時アップデートしていく予定です。

 

この禁止令に対しては、当事務所でも大変な憤りを感じており、我々としても顧客の利益を保護するため全力を尽くす所存です。

 

最終更新日: 2017年2月2日