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米国労働省と米国国土安全保障省、雇用ベースのビザの賃金要件とH-1Bビザ申請の規制基準に関する新規規則を発表

米国労働省及び米国国土安全保障省は、雇用ベースのビザの賃金要件とH-1Bビザ申請を裁定するための規制基準を変更する暫定の新規規則の2項目を発表しました。

始めに、第1項目目の賃金条件の変更に関する新規規則は、2020年10月8日から新規と申請中の賃金判定の両方に適用されます。加えて、第2項目目のH-1Bビザの新規規則は、60日後となる2020年12月7日からの適用となり、同日、又はその後に申請された新規の申請書が対象となります。尚、既に申請済みで現在審査中の申請書の判定においては、現在の規則に基づいて審査されるということです。

従って、これらの変更点は、行政手続法で定められている標準評価(Standard Review)と意見聴取期間(Comment Period)を経ない形で、労働省と国土安全保障省によって施行されることを意味します。 米国労働省及び米国国土安全保障省は、行政審査の要件を無視し、経済的な大変動に伴うパンデミックに即時に対応する必要性を強調することで、当規則の変更を正当化しようとしているのでしょう。これらの変更の最大の目的は、米国人労働者を保護すること、またH-1Bビザプログラム設定に至る歴史的およびH-B本来の法定的な主目的と一致させることのようです。

永住権ベースおよび一時的な雇用ベースのビザ申請 に必要な一般賃金率の引き上げについて

労働省は、一般賃金決定(Prevailing Wage Determination:通称PWD)または労働条件申請(LCA)を必要とする、永住権ベースおよび一時的な雇用ベースのビザ申請の両方に必要な一般賃金率を引き上げています。これらのビザの場合、労働省は、特定の地域における特定の職業の賃金に関する調査に基づいて、「賃金レベル」を4つの層に分けています。

これまでは、特定の専門職に対して、賃金レベルが17%に位置するエントリーレベルの賃金額設定においても雇用ベースのビザ請願が可能でした。しかしながらこの新しい暫定規則では、それが45%にまで引き上がったことで、おおよそ全体の中央値の賃金レベルの支払いが必要になることを意味します。

尚、専門職のビザカテゴリーであるH-1B, H-1B1, E-3とI-140の申請に該当する新しい賃金レベルは、以下の通りです:

賃金レベル PW 1: 17% から 45%
賃金レベル PW 2: 34% から 62%
賃金レベル PW 3: 50% から 78%
賃金レベル PW 4: 67% から 95%

H-1Bビザの専門職(および雇用者と従業員の関係)の定義の変更について

2つ目の新規則が発表されたことにより、移民局の「専門職」に関する規制上の定義にもいくつか重要な変更が加わっています。この規則は、主に情報技術(IT)職員、および第3機関での労働派遣社員の配置を対象としています。この規則によると、2019年に認可されたH-1Bビザ申請の56%が「IT業界関連」であったのに対し、2004年にはわずか32%でした。特に、この規則は「IT業界関連」についての定義はしておらず、「ソフトウェア開発」の役割に対する申請の裁定について具体的に説明しています。したがって、「IT業界」には非常に幅広いカテゴリーの申請が含まれているようにみられます。

新規則によるIT業界対象の変更の一部は以下の通りです。

  • 移民局の規制によりH-1Bビザの専門職枠に関する 「契約労働者」という言葉を削除します。
  • それは、その仕事が投機的でないことを明確にしています。つまり、申請者は、一時的または将来の契約労働枠に対して外国人労働者を雇用しないということです。
  • それは、雇用者と従業員の関係(労使関係)をより厳密に定義し ており、新規則において国土安全保障省は、雇用主と従業員の関係を確立するために、雇用者は従業員に対し「雇用、支払い、解雇、監督」の全てを遂行することを示す必要があると主張しています。尚、単に、次のいずれかを実施するという証拠を示すだけでは十分ではありません。

全体的な変更の簡単な要約として、国土安全保障省はH-1Bビザ規制について次の修正点を加えています。

  • H-1Bビザ受益者の雇用予定の職業内容が専門職であるかどうかを決定するための規制の定義と基準の改訂。そうすることで、用語としての法定定義に対してより具体的な一貫性が維持されることになります。
  • 専門職の仕事の裏付けとなる証拠を要求する。新規則によると、特定の専門分野で必要な学位と特定の専門的職務との間に直接的な関係があることを示す相当量の証拠提出が必須となります。
  • 現地企業訪問およびその他のコンプライアンス調査を実施する権限を保持し、企業側が現地企業訪問を許可しなかった場合の対処を規制する権限の体系化を実施する。
  • H-1Bビザ申請において一般的な旅行要件を排除する。
  • 第3機関での労働派遣社員の配置の最大有効期間を1年に制限する。
  • (要求された雇用期間未満が認可される場合における)特定のH-1Bビザ認可について書面で説明する。

尚、新規則によると、必要な学位分野と職務との直接的な関係の証拠が必要になります。これはこれまで移民局の規制で明確に述べられていませんでしたが、弊社SW Law Groupでは、この数年、このことが移民局による審査裁定の傾向であるとし、この関連情報、資料をH-1Bビザ申請書の1部として常に提出し続けてきました。

尚、もう1つの注目すべき変更点は、「Normally: 通常」、「Common: 一般的」、および「Usually: 普段」(業界にとって)という単語が移民国籍法に含まれていないため、規制から削除されたことです。また、申請者は、特定の専門分野の学士号またはそれに相当する学位が米国での職業に最低限必要であることを明確にする必要があり、それに対して、移民局は裁定基準を変更するに至りました。尚、新規則により、このことを証明するために、特定の専門分野の学士号が常に職業全体の要件であることを示す必要があります。又は、申請者は、そのポジションが他の裁定基準等を満たしていることを証明する場合があります。これらには、関連業界内の職業上の要件、申請者の特定の要件、または職務が非常に専門的、複雑、または独特であるため、特定の専門的な職務を遂行する必要性があることを証明すること等が含まれます。

しかし、実際には、移民局は何よりもまずこれらの規制の最初の基準に従って審査しているようです。というのも、移民局は、特定の専門分野の学士号が常に職業全体の要件であるかどうかを判断する際に活用する、労働省の職業ハンドブック(Occupational Outlook Handbook )を主に活用し、この基準に基づいて、質問状(および場合によっては却下通知)を発行します。

なお、弊社SW Law Groupでは、このことについても以前から申請要項として適応してきました。

弊社SW Law Groupは、1年以上前にH-1Bビザ申請の審査裁定におけるこの傾向に気づき、(移民局の規則に明示的に記載されていませんが) 長い間、これらの傾向に従って申請書を準備してきました。 もちろん、これは将来の結果を保証するものではありませんが、現在規制で成文化されている移民局の審査裁定の傾向に対応する準備は既に整っています。

発効日、および今後について

既にお伝えしましたが、この 2つの暫定的新規則は、次の異なる時期に有効になります。

  • 賃金条件の変更に関する新規規則は、2020年10月8日から新規と申請中の賃金判定の両方に適用されます。
  • H-1Bビザに関する新規規則は、60日後となる2020年12月7日からの適用となり、同日、又はその後に申請された新規の申請書が対象となります。尚、既に申請済みで現在審査中の申請書の判定においては、現在の規則に基づいて審査されるということです。

これらの規則に対して、今後多くの異議申し立て(訴訟)が発生することが予想されます。私たちは、これらの変更、及び移民局の様々な政策の実施と審査裁定の傾向、および訴訟を引き続き監視し、アップデートされた情報を随時お客様にお知らせしていけたらと考えております。

2022年度の移民多様化ビザ抽選プログラムの抽選登録について

国務省は、2020年10月7日水曜日の正午(米国東部標準時間)より、2022年(会計年度)移民多様化ビザ抽選プログラムのオンライン登録の受け入れの開始を発表しました。2020年11月10日の火曜日正午まで、オンラインでの応募が受け付けられるということです。

尚、2022年度は、移民多様化ビザ抽選プログラムの無作為抽選によって55,000のグリーンカード番号が発給される予定で、抽選結果は2021年の5月に発表されるとのことです。移民多様化ビザ抽選の当選者は、2021年10月1日より永住権の申請書を提出することが可能になるということです。

移民多様化ビザ抽選プログラム [Diversity Visa (DV) Lottery]とは?

米国は、 歴史的に移民数が少ない国々の外国人に対して、毎年永住権番号を抽選によって選択し発給しています。今年の応募不適格国は、バングラデシュ、ブラジル、カナダ、中国(香港を含む)、コロンビア、ドミニカ共和国、エルサルバドル、グアタマラ、ハイチ、ホンデュラス、インド、ジャマイカ、メキシコ、ナイジェリア、パキスタン、フィリピン、韓国、イギリス(北アイルランドを除く)およびその属領、ベトナムです。

マカオ特別行政区と台湾で生まれた個人は応募可能です。尚、応募不適格国に出生した個人でも、応募適格国で生まれた配偶者を通じて、または特定の状況においては、親の出生地を通じて資格を得ることができる場合があります。尚、応募者は、高校教育またはそれに相当するものを保持しているか、または少なくとも2年の職務経験を保持している必要があります。

尚、国務省による抽選申請指示に従い申請が完了した後、申請者は、2021年5月8日以降、抽選結果を国務省の公式Webサイトにて確認出来るようになります。


*本記事は10月時点に発表された内容で、この記事が皆様に読まれている頃には異なる状況となっている可能性もございますこと、ご了承ください。


*弊社のコンサルテーション(有料)をご希望であれば、こちらをクリックして下さい。

国務省、2021年度の移民多様化ビザ抽選プログラム の抽選受付を開始

国務省は、2019年10月2日水曜日の正午(米国東部標準時間)より、2021年(会計年度)移民多様化ビザ抽選プログラム のオンライン登録の受け入れの開始を発表しました。2019年11月5日の火曜日正午まで、オンラインでの応募が受け付けられるということです。 尚、2021年度は、移民多様化ビザ抽選プログラムを通じて55,000のグリーンカード番号が発給される予定で、抽選結果は2020年の5月に発表されるとのことです。2021年度移民多様化ビザ抽選の当選者は、2020年10月1日に永住権の申請書を提出することが可能になるということです。

移民多様化ビザ抽選プログラム [Diversity Visa (DV) Lottery]とは?

米国は、 歴史的に移民数が少ない国々の外国人に対して、毎年永住権番号を無作為抽選によって選択し発給しています。応募は無料ですが、応募資格を得るためには、シンプルかつ厳しい資格基準を満たさなければなりません。国務省はコンピューターによる無作為抽選によって応募者を選択します。

抽選応募資格

移民多様化ビザ抽選の応募資格を満たす国で生まれた個人は、応募する資格があります。これらの応募適格国は、国務省が発行した2021年度の移民多様化ビザ抽選応募の説明書に記載されています。尚、応募不適格国に出生した個人でも、一定基準を満たせば応募する事が可能です。

移民多様化ビザ抽選の応募方法

抽選に応募するためには、下記を行う必要があります。

  1. 移民多様化ビザ抽選のWebサイトからオンラインフォームとデジタル写真を提出します。一人一件の応募に限られており、複数のエントリーは失格になります。申請者は、国務省の公式な指示に従う事が大切です。
  2. 2021年度については、主な応募者が無国籍者、又は共産主義支配国の国民で、パスポートを取得できない場合、または、国土安全保障長官および国務長官により許可を得たウェーバーを取得していない限り、申請者は有効な国際パスポートの情報を入力しなければなりません。
  3. 申請が受理されると、申請者はステータスを確認するために使用できる確認番号を受信します。 抽選結果は、国務省の公式Webサイトにて発表されます。唯一の情報源は公式Webサイトとなり、その他の形式では通知されませんのでご注意下さい。

この件に関してご質問がある場合は、お気軽にお問い合わせください。

2017年(会計年度)移民多様化ビザ抽選プログラム — 10月1日より受付開始

2017年(会計年度)移民多様化ビザ抽選プログラム — 10月1日より受付開始

移民多様化ビザ抽選プログラム (Diversity Visa (DV) Lottery)(以下“DVプログラム”)とは?

米国は、歴史的に移民数が少ない国々の外国人に対して、毎年5万件のグリーンカード番号を無作為抽選によって選択し発給しています。高校卒業以上(又はそれと同等の教育を受けている)又は特定の職種において最低2年間の就労経験があれば応募する事ができます。応募は無料ですが、一人一件の応募に限られています。

尚、今年度は以下の国々の出生者は応募資格がありません。
バングラデッシュ、ブラジル、カナダ、中国(本土)、カンボジア、ドミニカ共和国、エクアドル、エルサルバドル、ハイチ、インド、ジャマイカ、メキシコ、ナイジェリア、パキスタン、ペルー、フィリピン、韓国、英国(北アイルランドを除く)及びその属領地域、ベトナム。香港、マカオ、台湾で出生した人は応募資格があります。応募できない国にて出生した人でも、配偶者を通じて又は両親の出生国等の一定基準を満たせば応募する事が可能です。

2017年会計年度のDVプログラムへの応募は、2015年10月1日木曜日から2015年11月3日火曜日の正午(米国東部標準時間)迄受理されます。期日以降の応募や書類による応募は受理されません。

DVプログラムの過程

  1. www.dvlottery.state.gov.のサイトにアクセスし、DVプログラムのエントリーフォーム(E-DV Entry Form 又は DS-5501)をオンラインにて提出します。尚、不完全なフォームは受理されない為、国務省のサイト(http://travel.state.gov/content/visas/en/immigrate/diversity-visa/instructions.html)に提示されている指示に従う事が大切です。
  2. フォームを提出すると確認番号(Confirmation Number)が発行されるので、2016年5月3日に抽選結果が発表される迄この番号を保管して下さい。
  3. 抽選結果は、2016年5月3日から2017年9月30日の間www.dvlottery.state.gov.のサイトに掲示されるので 、前述の確認番号を入力して抽選結果を確認する事ができます。国務省は、手紙、Eメール、ファックス、電話等による問い合わせは一切受け付けません。当選した場合には、2016年10月1日から2017年9月30日(米国の2017年会計年度)の期間中にDVビザ申請をする事ができます。

ただし、当選しても必ずしもDVビザが発給されるとは限らない事にご注意下さい。当選したという事は、あくまでもの申請資格が得られるという事であり、順位ケース番号(Rank Number: DVプログラム当選者に発行される当選手続きの為の固有の番号)が割当てられた場合に、最終手続きをする事ができるという事です。本件に関しての詳細は、国務省のDVプログラムサイト(http://travel.state.gov/content/visas/en/immigrate/diversity-visa/entry.html.)
にてご確認下さい。

2016年度抽選アメリカ永住権プログラムの当選者発表

国務省 (DOS) が2016年度の抽選アメリカ永住権プログラムの当選者を発表しました。この抽選に応募した方は下記リンクから結果を確認することが出来ます。
https://www.dvlottery.state.gov/ESC/(S(thxjqozvqdiihb1wiacm2x2g))/default.aspx

当選した場合、上記のウェブサイト (Entrant Status Check website)より今後のプロセス及び永住権の申請方法について確認できます。なお、当選者はアメリカ国内での永住権保持者へのステータス変更申請もしくは在外アメリカ大使館での申請のどちらかの申請が可能となります。今回の当選は2016年度ですので、申請が可能となるのは、早くても2015年10月1日以降となります。ただ、注意点として、仮に今回の抽選に当選したとしても確実に永住権の申請を進め、永住権を取得できるという保証がない事です。自分自身の当選番号が有効にならない限り申請を前に進める事はできません。なお、自分自身の当選番号が申請できる順番となったかどうかを確認するには、アメリカ国務省が毎月発行しているビザブルテンから確認可能です。

アメリカ国務省は抽選永住権プログラムを通して年間およそ5万の永住権を発行しています。応募は限られた期間のみで2016年度は2014年10月1日から2014年11月3日でした。

なお、 抽選プログラムに対する詐欺も多数しています。不正なウェブサイトが政府の公式なウェブサイトを真似し、応募者や当選者に対して多額な申請料を請求している例も多くあるようです。また、当選することを保証し応募者から様々な個人情報を得ようとする詐欺例も少なくありません。

詐欺に遭わないよう十分気を付けてください。弁護士や専門家などからの法的サービスが必要となることもあるでしょう。不当に抽選に当選したなどと言ってくる業者もあるようですので、特に注意が必要です。サービスに対するお支払いや個人情報を提供する際は常に確認等を怠らないようにしてください。抽選詐欺について詳しくは下記のリンクをご覧ください。

http://www.consumer.ftc.gov/articles/0080-diversity-visa-lottery-scams
http://travel.state.gov/content/visas/english/general/fraud.html.