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2026.07.09

EB-5 米国移民局

激変するアメリカビザ事情2026:①EB-5投資ビザについて

米国の企業および投資移民を取り巻く環境は、この一世代で最も深刻な転換期を迎えています。筆者は先日サンディエゴで開催された全米移民弁護士協会(AILA)の年次カンファレンスに参加してきましたが、現場の運用の実態で明確なのは、「少し前まで通用していた手法が、今はもう即時却下につながる可能性がある」ということです。

永住権を追求する個人投資家であれ、海外の労働力を管理する企業の雇用主であれ、時代を先取りするためには、事後対応的な戦略から、先手を取る鉄壁のコンプライアンス(法令順守)へと移行する必要があります。今回は4部に分けて、移民制度における主な変化を詳しく解説します。

第一部:EB-5投資家ビザプログラムの新たな現実


EB-5改革・誠実性法(RIA)は投資家ビザへの道を活性化させましたが、同時に非常に厳格な取り締まり体制も導入され、今年のカンファレンスでも深く議論されました。現在のEB-5プログラムにおいては、特に「一部投資(分割払い)」や「ローンを原資とする資金」に関して、極めて高い正確性が求められます。

 分割払いプラン


米国移民局(USCIS)は、対象雇用地域(TEA)の標準的な最低投資額である80万ドルのうち、20万ドルや40万ドルといった一部の資金のみを出資した段階で、投資家が最初の「フォームI-526E」を申請することを認めています。これは、投資家が「積極的に投資のプロセスを進めている」状態にあるべきだという規則に基づいて許可されているものです。しかし、この手法は非常に戦略的である一方で、極めて重大な法的リスクおよびプロジェクト上のリスクをもたらします。

メリットについて

⚠️注意点: 最初の申請時に一部の金額のみを証明すればよいわけではありません。USCISは申請初日から、残りの資金がどこから調達されるのかを、明確かつ法的拘束力があり、取り消し不可能なかたちで立証することを求めています。

デメリットについて

結論:分割払いプランを利用すべきか?

利用に向いているケース

 ・総資本への明確かつ書類証明が可能なルートをすでに確保しているものの、短期的な流動性の問題や通貨送金の遅れに直面している投資家

・緊急の期限(子どもの年齢超過が迫っている、あるいは9月30日のプログラム期限など)に直面している投資家。

利用を避けるべきケース

 ・翌年中に残りの資金を「見つける」または「稼ぐ」ことを想定している投資家

 ・高まる法的審査のリスクを受け入れたくない投資家

こういうケースにおいては、可能であれば、最初から投資全額と包括的な資金調達元(ソース・オブ・ファンズ)を提示することが常に最も安全なアプローチです。

ローンを原資とする資本と無担保ローン(Zhangルール)

画期的な判例となった「Zhang対USCIS」の裁判判決を受け、コロンビア特別区巡回区控訴裁判所は、ローンの手取金は根本的に「現金」であるとの判決を下しました。その結果、EB-5のローンは、EB-5資本として認められるために、厳密には投資家自身の個人資産を担保にする必要はなくなりました。

落とし穴:資金追跡ルールの厳格化

個人資産の担保は不要になったものの、審査を回避できるわけではありません。実際、RIA(誠実法)の下でUSCISは、代わりに貸し手(融資元)を徹底的に審査するという方法で対応しました。個人、友人、あるいは自身が所有する法人から無担保ローンを取得する場合、その組織・個人が貸し出す現金をどのように合法的に取得したかを完全に文書化し、追跡証明しなければなりません。

7年間の税務申告書提出ルール

現在のRIA(誠実法)基準の下では、透明性が最も重要視されます。投資家は、資産や組織の形態(個人、法人、またはパートナーシップなど)の構造に応じて、過去7年分の税務申告書を提出することが厳格に義務付けられています。投資資金が個人間のローンや法人からの送金に紐づいている場合、貸付主(融資元)も厳格な財務監査をクリアするために、7年分の財務履歴を提出しなければなりません。

ローン契約書における必須条項について

明確な目的: ローンで得た資金が、具体的にEB-5投資の目的で提供されていることが明記されていなければなりません。

明確な返済条件: 具体的な返済期日(満期日)が含まれている必要があります。無期限、あるいは「いつでも返済可能」といったタイムラインは、実質的な贈与とみなされ、却下の原因となります。

弊所では、戦略的なアドバイスとサポートを提供しておりますので、ご相談はいつでもお気軽にお問い合わせください。

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この記事を書いた人

弁護士

David Sindell
デビッド・シンデル

ニューヨーク州およびニュージャージー州弁護士。東京にて外国法事務弁護士(外弁)として登録し、米国移民法を専門に31年以上の実務経験を有する。これまでに3万件を超える移民関連案件を手がけ、企業・個人を問わず米国での就労・生活を幅広く支援してきた。
現在は東京を拠点に、英語・日本語・フランス語・タイ語を用いたきめ細かなサポートと、執筆・講演活動を通じた情報発信を行っている。

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