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Eビザ却下後の戦略:L-1およびEB-5にビザカテゴリーを切替えて対応

米国大使館・領事館でビザを却下されると、完全な行き止まりのように感じられるかもしれません。しかし、領事拒否の背後にある法的メカニズムを理解すると、それは多くの場合、単なる手続き上の迂回に過ぎないことが分かります。

移民国籍法(INA)第214(b)条に基づく却下の場合、同じカテゴリーで再申請しても、状況に実質的な変化がなければ再び却下につながる可能性が高いです。これは、東京の大使館のような大規模な大使館では特に顕著です。

特にE-2条約投資家ビザの却下に直面している投資家、起業家、経営幹部にとって、より効果的な戦略は、非移民意図の要件を回避できる他のビザカテゴリーへ転換することです。

INA第214(b)条とは

INA第214(b)条の下では、「すべての非移民ビザ申請者は移民である」と推定され、申請者が承認を得るためには、以下を証明する責任を負います:

・該当ビザカテゴリーの資格要件を満たしていること。

・非移民意図の証明:本国との強い結びつき (家族、資産、雇用など)があり、ビザ期限後に米国を離れ帰国することが明らかであること。

┌────────────────────────────────
│                    INA § 214(b) の推定                       │
│         「すべての外国人は移民であると推定される」            │
└──────────────────────────────┬─
                               │
               ┌───────────────┴─────────────
                                             
        ▼厳格な非移民カテゴリー              ▼二重意図が認められる
      (B1/B2、F-1、E-2 など)           (L-1、H-1B、EB-5)
   母国との強いつながりと               法律により二重意図が許容され、
    明確な帰国意思の証明が必要。      214(b)の意図基準は適用されない。

領事却下理由を確認

領事館で却下された場合、次に取るべき対応は拒否の理由によって異なります。

拒否の理由221(g)と214(b)の違

221(g):これは最終的な却下ではなく、行政上の保留です。通常追加書類の提出や身元調査待ちの状態なので、要求された証拠を提出するだけで済みます。ただしL-1またはEB-5でUSCISの承認を得ている場合、領事官は原則として再審査を行いませんが、詐欺の疑いがある場合のみUSCISに返送して取り消し手続きを行うことができます。この場合、214(b)却下よりも時間がかかります。

214(b):これはその申請に対する最終的な却下です。正式な行政不服申立て制度はなく、現実的な選択肢は以下の2つとなります:

  1. 状況変化を示す新たな証拠を提示して再申請

  2. 214(b)の意図要件が適用されないビザカテゴリーへ転

戦略1:E-2却下後のL-1ビザへの切替え

E-2ビザでは、ビザ期限の満了後に帰国意思の証明が申請者に求められます。E-2申請者が214(b)に基づいて拒否された場合(帰国意図に関する懸念、投資資本のリスクに対する懸念、または事業の存続可能性への疑念のいずれが理由であっても)、E-2ビザからL-1企業内転勤者ビザへの転換は状況を大きく変える可能性があります。

L-1が214(b)の移民意図の問題を解消する理由

L-1ビザのカテゴリーは、二重意図の法(INA第214(h)条)の下で運用されているため、L-1申請者は帰国意図の証明が免除されています。領事官は、永住移民の意図を有することを理由にL-1ビザを拒否することはできません。

L-1分類の基本的な資格要件

L-1ビザへ転換するには、申請者および海外の事業体がいくつかの基本要件を満たす必要があります:

要件内容
適格な関係性米国法人と海外法人の間に資本・経営上の関係(親会社、支店、子会社、または関連会社)があること。
過去の雇用歴申請者が過去3年以内に、海外法人においてフルタイムで継続して少なくとも1年間勤務していたこと。
適格な役職海外での役職が、幹部職(L-1A)、管理職(L-1A)、または専門知識職(L-1B)のいずれかであったこと。
米国での役職米国での新たな役職も、幹部職、管理職、または専門知識職のいずれかであること。

L-1ルートの戦略的優位性

USCISによる事前承認:領事館へ直接提出するE-2ビザ申請とは異なり、L-1では領事面接の前に米国内でUSCISによりI-129申請が承認されている必要があります。領事官は、詐欺や新たな重要事実が発覚しない限り、領事官の裁量余地が小さいと言えます。また、会社がブランケットL-1を有していたとしても、USCISの承認に基づく手続きであるという理由だけで、個別のL-1を申請した方がよい場合があります。

国籍制限がない:E-2ビザは特定の条約締結国の国民に限定されています。L-1ビザは、適格な企業間のつながりが存在する限り、どの国の国民にも開かれています。

戦略2:E-2却下後のEB-5ビザへの切替え

EB-5移民投資家プログラムは、移民ビザカテゴリーであるため、214(b)の非移民意図の問題を完全に回避できます。帰国意図が主な障害である場合、最終的な解決策は永住権(グリーンカード)を直接申請することです。

  E-2非移民ビザの拒否(214(b))
               │
               ▼
  EB-5移民投資家プログラムへ転換
               │
               ├──> 標準投資額:$1,050,000
               └──> TEA/ルーラルプロジェクト:$800,000(優先処理)
               │
               ▼
     フォームI-526E申請(USCIS)
               │
               ▼
      移民ビザ領事面接
    (214(b)帰国意図の問題を回避)

EB-5 地方部プロジェクトの強み

2022年のEB-5改革・健全性法(RIA)の成立を受けて、本プログラムは対象プロジェクト、特に地方部ターゲット雇用地域(TEA)プロジェクトを選択する投資家に対して魅力的な優遇措置を導入しました:

投資額の引き下げ:標準的なEB-5の投資基準額は$1,050,000ですが、指定された地方部TEAへ投資する場合、必要額は$800,000に引き下げられます。

20%のビザ優先枠:RIAの下では、年間EB-5ビザ全体の20%が地方部プロジェクト専用に確保されています。この優先枠は独立した待機列を生み出し、中国やインドなど需要の高い国からの投資家も大規模なビザの滞留を回避しやすくなっています。

優先処理の義務化:RIAの法定義務により、USCISは地方部への投資に関するフォームI-526E申請の審査を優先しなければなりません。これにより、グリーンカード取得前の申請承認までの従来の待機期間が大幅に短縮されます。

E-2からEB-5への転換のための戦略的ステップ

資金構成:投資資金の出所を適切に文書化し、合法的な手段から調達されていることをはっきりさせます(USCISの審査における主要な焦点の一つ)。

プロジェクト形態の選択:自身の事業への直接投資か、$800,000の基準額および優先処理の恩恵を受けられる事前審査済みの地方部リージョナルセンタープロジェクトへの出資のいずれかを選択します。

フォームI-526Eの提出:USCISへ移民申請を提出します。

領事手続き:USCISの承認後、ナショナルビザセンター(NVC)を通じて移民ビザ手続きを完了し、米国領事館で面接を受けます。これは移民ビザであるため、214(b)の非移民意図に基づく拒否は法的に関係がありません

まとめ:214(b)の却下後とるべきステップ 

214(b)の却下は入国不許可の永続的な認定ではなく、単にその一回の面接で提出された特定の証拠に基づく判断に過ぎません。

E-2または一般的な非移民ビザで214(b)却下に直面した場合は、以下のステップを実行してください:

1. 拒否理由を記した領事却下通知(Refusal Slip)をすぐに確認。

              ▼

2. 却下の原因が母国とのつながりの弱さ(純粋な214(b))によるものかE2申請固有の構造的な問題(事業の規模、事業の限界性、資金源など)によるものかを分析。

               ▼

3. 進む道を選択

  • 状況の変化がありその証拠を示せる場合 → 同カテゴリーで再申請

  • 海外法人での1年以上の役員や管理職経験がある場合   →     L-1へ転換

  • 80万ドルの資本があり、意図要件のない永住権取得を望む場合

                           → EB-5へ転換

米国ビザに関するご相談・ご質問がございましたら、お気軽に当事務所までお問い合わせください。


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この記事を書いた人

弁護士

David Sindell
デビッド・シンデル

ニューヨーク州およびニュージャージー州弁護士。東京にて外国法事務弁護士(外弁)として登録し、米国移民法を専門に31年以上の実務経験を有する。これまでに3万件を超える移民関連案件を手がけ、企業・個人を問わず米国での就労・生活を幅広く支援してきた。
現在は東京を拠点に、英語・日本語・フランス語・タイ語を用いたきめ細かなサポートと、執筆・講演活動を通じた情報発信を行っている。

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