カテゴリー別アーカイブ: 家族ベース

有効な移民ビザ数に関するプロセス及びビザブルテンの記載要項の変更

2015年9月9日、アメリカ移民局及び国務省は共同で、雇用または家族ベースのアメリカ移民ビザ申請の最終段階を待っている申請者(自国での面接を通しての申請者(カウンシュラープロセス)またはアメリカ国内での永住権保持者へのステータス変更申請者(AOS申請者))に対し、有効な移民ビザ数の決定に関するプロセスの変更及びビザブルテンの記載要項の変更を行うことを発表しました。これは新会計年度の開始月である2015年10月から開始となります。

変更事項

2015年10月分より、国務省から毎月発行されるビザブルテンに、下記二項目が申請カテゴリー及び国別に記載されることになります。

  • Application Final Action Dates (これまでと同じカットオフデートを意味し、自分のプライオリティーデートがこのチャートに記載の日付より前になれば、AOS申請希望者は最終段階のAOS申請に進める)
  • Dates for Filing Applications (自分のプライオリティーデートがこのチャートに記載の日付より前になれば、自国での面接を通しての申請を行う場合、ナショナルビザセンターへ必要書類を提出可能。ただ審査そのものはFinal Action Datesに基づく。)

なお、申請別で説明すると以下の通りになります。

自国での面接申請者(カウンシュラープロセス):

自分のプライオリティーデート(雇用ベースであれば一般にPERMを提出した日付、家族ベースであればI-130申請が移民局に受領された日付)がFiling Dateチャートに記載の日付より前になれば必要書類を取りまとめ、ナショナルビザセンターにそれら書類を提出できます。しかし、審査そのものは自身のプライオリティーデートがFinal Action Dateより前にならない限り開始されません。

アメリカ国内での永住権保持者へのステータス変更申請者(AOS申請者):

これまで通り、AOS申請希望者は移民局への申請が可能となるのは、自身のプライオリティーデートがこのFinal Action Dateよりも前になった時となります。ただ、月によっては移民ビザ有効数が多いと判断されれば、Filing Dateの日付が申請可能日となるべく発表がなされる可能性もありますので、注意して、ビザブルテンの内容を確認すべきでしょう。また、移民局のサイト( http://www.uscis.gov/visabulletininfo )からも確認できます。

なお、2015年10月は家族ベース、雇用ベース共にFiling Dateチャートに記載の日付に基づき、AOS申請が可能となっております。その際、就労許可証や出入国許可証も同時に申請し、取得できることでしょう。

アメリカ移民局は国務省発行のビザブルテン情報のもとになる有効移民ビザ数(発行移民ビザ数は申請カテゴリーにより年間発行数が決まっています)をモニタリングし、必要な情報をビザブルテンに掲載する予定にしていますので、申請者はその情報をもとにいつ自身のAOS申請が可能となるか確認することができるでしょう。

更に追加の有効移民ビザ数を決定するために、アメリカ移民局は年度末までの残り期間に発行される移民ビザ残数と次の事項を比較します。

  • 書類上の資格要件を満たすビザ申請者数(アメリカ国務省より提供)
  • 審査中のAOS申請者数(アメリカ移民局より提供)
  • 過去の数字から想定される無効申請数(例:却下、取り消し、無効申請など)

ビザブルテンとは

ビザブルテンとは、アメリカ国務省が毎月発行するもので、雇用ベース、家族ベースにおけるアメリカ移民ビザ申請に関し、各申請カテゴーリーにおいて、申請者のプライオリティーデート(PD)に対し、AOS申請など申請の最終段階に進むことのできる日付(カットオフデート)を表記したものです。これをもとに、永住権申請者が、いつ、最終段階の申請に進むことができるかを判断することができます。

ADITプロセスとは

アメリカグリーンカードの申請を行い、無事にグリーンカードの申請が認可されると、移民局のオンラインケースステータス上には下記のように表記されます(一例)。

 

On August 20, 2015, we registered your permanent resident status and mailed you a Welcome Notice for Receipt Number LIN1234567890. Please follow the instructions in the notice. Your new permanent resident card should arrive by October 19, 2015, after this registration or after you complete any ADIT processing referred to in the welcome notice, whichever is later.

 

この時点で、実際にグリーンカードを受け取るまでに行わなければならない何かしらの申請ステップがあるのでしょうか。このケースステータスに記載されているADITプロセシングとは何でしょうか。

 

ADIT processing とは“Alien Documentation, Identification & Telecommunication System.”の略で、新たに発行されるグリーンカードの不正使用を防ぐためのカード発行上の最終プロセスです。

 

ケースによっては、この認可後の段階において、指紋情報や写真を提出するように要求される場合があります。それをもとに移民局は移民局情報を更新し、そしてカードの発行手続きへ移ります。もし、このようなリクエストを受けた場合は、インフォパスを通して予約(https://infopass.uscis.gov.)をするなど、最寄りの移民局ローカルオフィスに出向く必要があります。その際、認可証(I-797 Welcome Notice)、パスポート用に使われる5cmX5cmの写真2枚、そして有効なパスポート等を持参するように要求されることでしょう。

 

もし、ご自身がグリーンカードの申請者で、認可後、グリーンカードが60日以内に届かない場合は、移民局にこのADITプロセス上の問題も踏まえ、問い合わせすべきでしょう(https://egov.uscis.gov/e-request/Intro.do.)。

2015年9月のビザブルテンの発表

ビザブルテンはアメリカ国務省により公的に発表されるもので、家族ベース、雇用ベース、そして抽選ベースの永住権申請について、国別そして永住権申請のカテゴリー別に、申請が可能となる日付を一覧表にして毎月提供しています。

 

その一覧表にある日付はカットオフ日と呼ばれ、 この日付に対して申請者の永住権申請開始日(プライオリティーデートと呼ばれ、例えば、EB3カテゴリーであれば、PERMを労働局にオンライン提出した日付)がそのカットオフデートに到達すれば、永住権の最終段階申請(アメリカ国内でのAOSステータス変更申請、または在外アメリカ大使館での面接を通した申請)段階へ進むことができます。この日付は基本的に毎月進むのですが、時折、停滞する、更には日付がバックデートすることもあります。月毎にその動きは異なり、特定の永住権カテゴリーに申請が集中する、また特定の国に対しては、割り当てられた年間発給数以上の申請が集中すれば、このカットオフデートは動かずに停滞することになります。 この停滞は、とりわけ、9月の会計年度末に顕著になります(政府の会計年度は10/1~9/30)。

 

今回、9月のビザブルテンが発表されましたが、雇用ベースの永住権申請カテゴリーのひとつであるEB-2に関し、中国及びインド国籍の申請者に対して大きな停滞期間が発生することが発表されました。そのカットオフデートは2006年1月1日です。8月のカットオフデートと比べると中国人に対しては7年、インド人に対しては2年、停滞期間がバックデートし、延びたことことになります。10月の新会計年度になれば、新たにビザ発給数がそれぞれのカテゴリーに対して有効になりますので、恐らくこの日付は戻るものと考えられますが、絶対を保証するものではありません。

 

なお、EB3カテゴリーは僅かではありますが、進みました。日本人を含む国々の申請者カテゴリーについては一ヶ月進み、現在のカットオフデートは2015年8月15日です。これは、ほぼ待ち時間がないことを意味します。一方、中国、インド、フィリピン人申請者に対するEB3カテゴリーは約半年進み、2004年12月22日がカットオフデートとなっています。インド人についてはここ2ヶ月で10 ヶ月の動きでしたので良い状況だと思われます。

National Visa Center の誤送信

2015年7月30日、ナショナルビザセンター(NVC)は永住権申請中の申請者に対し、NVCへの最後の連絡をNVCからの連絡から1年内に行ったにもかかわらず、NVCの最後の連絡から1年以上何も返答がなかったことを理由に永住権申請プロセスを停止する旨を記載した通知を2015年7月29日に 誤って発送したと発表しました。

その後、NVCは 対象者に対し、引き続き審査する旨を記した訂正の通知を発送しました。もし自身のケースで、当誤通知を受け取ったにもかかわらず訂正の通知を受けていない場合は、NVCへ連絡を取るようにしてください。

PERM申請に求められる平均賃金額の決定要因とは

 

永住権申請の第一ステップであるPERM申請において、永住権をスポンサーする会社が、オファーする永住権ポジションに対し職務内容及び雇用条件を決定したら、会社が支払うべき平均賃金額を労働局に対してリクエストしなければなりません。この金額は最終的に永住権が取得できた際には会社が支払わなければならない最低の金額でもあり、この平均賃金額について把握することはその後の求人活動を無駄なく進め、また永住権申請の第2ステップ以降の申請をスムーズに進めることができるかどうか等の大変重要な鍵ともなります。

 

労働局はSOCジョブポジション、雇用場所、学歴、職歴、出張の必要性、部下管理の必要性、資格の必要性、外国語能力の必要性等々を基に平均賃金額を決定しますが、現在、その決定には約60日にかかっています。

  1. Occupation Code (SOC) ジョブタイトル

平均賃金額を労働局へリクエストする際、希望のSOCジョブタイトルをリクエストフォームに記載します。これは労働局が参照するポジション一覧にあるジョブタイトルで、スポンサー会社側も各ポジションに対して求められる雇用条件やポジションレベル等を同様に確認することができます。実際、全ての永住権オファーポジションが完全にSOCジョブタイトルに当てはまるとは限らないため、労働局は、希望されたSOCジョブタイトルが実際の永住権申請上のオファーポジション及び職務内容に対して適切かどうかを判断します。

  1. 雇用場所

平均賃金額リクエストには、雇用場所を記入します。平均賃金額は雇用場所によっても異なり、仮に本社と実際の雇用場所が異なる場合は、実際の雇用場所に基づいて賃金額は決定されます。もし雇用場所が特定の状況で複数にまたがる場合などは、本社の所在地に基づいて平均賃金が決定されます。

  1. 学歴、職歴

一旦、ジョブタイトルと雇用場所が決まれば、そのポジションに必要とされる学歴や職歴を平均賃金額リクエストフォームに記載することになります。オファーポジションに対して通常求められる学歴や職歴はSOCから確認できますが、それよりも高い条件設定とすると平均賃金はその分高くなります。例えば、雇用条件として4年生の学士号が一般に求められるポジションに対し、修士号を必要条件とすれば賃金レベルが一段階上がり、更に博士号を必要条件とすると賃金レベルが二段階上がることになるでしょう。また、この条件設定は永住権の申請カテゴリであるEB2(学士号プラス5年の職歴または修士号を雇用条件とする)やEB3(一例として学士号プラス5年未満の職歴を雇用条件とする)を決定する要因ともなります。

  1. 出張の必要性、部下管理の必要性、資格の必要性、外国語能力の必要性

オファーポジションの雇用条件として出張の必要性、部下管理の必要性、資格の必要性、外国語能力の必要性を付ける場合、通常、その条件ごとに賃金レベルが上がります。ただ、ポジションによってはそれら条件が必然である場合もあり、その場合は、賃金レベルは上がらないこともあります。なお、外国語能力を必要条件とする場合、その必要性に対する理由が求められることになるでしょう。

結論

上記の通り、それぞれの要因によって平均賃金額が決定され、オファーポジションに対して雇用条件が増やす、また高学歴や長い職歴を求めるほど、平均賃金額が高くなることになります。より詳しい情報は2009年11月発行のワークシート(平均賃金決定方針)を参考にすると良いでしょう。

2015年3月のビザブルテンの発表

米国永住権(移民ビザ)の申請の種類によっては年間の発給数に制限が設けられており、その制限数以上の申請がある場合、永住権の最終段階(アメリカ国内でのAOS申請もしくは米国外でのアメリカ大使館での面接を通しての申請)へ進むことができない場合があり、このビザブルテンを通して、自分自身の永住権申請のスタート日に対し、永住権申請の最終段階へ進めことができるかを確認することができます。ビザブルテンにはカットオフデート(優先締切日)としてその日付が記されており、自分自身の永住権申請のスタートの日(プライオリティーディーデート(優先日))と比較することで、自分自身の申請が最終段階へ進めるかを確認できるというわけです。基本的に家族ベースの申請であれば移民局に申請書(I-130申請など)を提出した日、雇用ベースの申請であれば、労働認定書(PERM)を労働局に提出した日になります。逆に言えば、自分自身のプライオリティーデートがカットオフデートに到達していなければ、最終段階へ進めず、待ちの状態が続くことを意味します。なお、このビザブルテンは毎月発表され、それなりの優先日の動きを確認することができます。

 

3月ビザブルテンに記載された優先日の動き

  • インド人向けのEB-2 カテゴリーが16ヶ月進む(2005年9月1日=>2007年1月1日)
  • インド、中国、メキシコ、フィリピンを除く全世界の申請者向けの EB-3カテゴリーが5ヶ月進む (2014年1月1日=>2014年6月1日)
  • 中国人向けのEB-2カテゴリーが6ヶ月進む(2010年9月1日へ)
  • 中国人向けのEB-3カテゴリーは現在では中国向けのEB-2カテゴリーよりプライオリティーデートが進んでいる。

 

雇用ベース

(EB)

右に記載されていない国 中国大陸 生まれ インド メキシコ フィリピン
第1カテゴリー 有効 有効 有効 有効 有効
第2カテゴリー 有効 2010年

9月1日

2007年

1月1日

有効 有効
第3カテゴリー 2014年

6月1日

2011年

10月22日

2004年

1月1日

2014年

6月1日

2014年

6月1日

その他の

労働者

2014年

6月1日

2005年

8月15日

2004年

1月1日

2014年

6月1日

2014年

6月1日

第4カテゴリー 有効 有効 有効 有効 有効
特定の宗教労働者 有効 有効 有効 有効 有効
第5カテゴリー 有効 有効 有効 有効 有効

 

インド人向けのEB-2カテゴリーの日付は大幅に以前と比べて早まりましたが、実質的には未だ8年もの遅れがあります。その一方、EB-5 カテゴリーの移民投資プログラムは変わらず有効な状況が続いていますが、今後、街の状況が発生する可能性はあります。

このような状況下、国務省は先3ヶ月について、次のような予測をしています。

雇用ベース第2カテゴリー:

  • インド、中国、メキシコ、フィリピンを除く全世界の申請者向けのカテゴリーは引き続き有効の状態が続く
  • 中国人向けは月ごとに3−6週間前進する
  • インド人向けは4−6ヶ月前進する

雇用ベース第3カテゴリー:

  • インド、中国、メキシコ、フィリピンを除く全世界の申請者向けのカテゴリーは次の数ヶ月で急速に前進する
  • 中国人向けは今後数ヶ月で急速に前進するものの、需要の増加 も予想されていることから、6カ月以内にカットオフデートに調整が入る
  • インド人向けは最大で2週間前進する
  • メキシコ人向け はインド、中国、フィリピンを除く全世界の申請者向けのカテゴリーと同様の動き
  • フィリピン人向けはインド、中国、メキシコを除く全世界の申請者向けのカテゴリーと同様の動き

尚、このカットオフデートは常に前に進むだけではなく、日付が後退することもありますので、雇用者、被雇用者ともにそれに合わせた計画が必要となります。

米国外での指紋採取について

再入国許可申請(Re-Entry Permit申請)またグリーンカードの更新申請を行った方はご存知かと思いますが、申請書の提出後、米国内で指紋採取を行わなければなりません。この現状は、とりわけ一時的に米国外を生活拠点としている申請者にとっては非常に不憫な状況となっています。代理人として申請書を作成している我々もこの状況は改善されないものかと常々思っているところでもあります。

そのような状況下、移民局より非常に興味のある発言がありました。その内容によれば、現在、移民局は、一般的に海外で審査することのできる申請の種類に対してのみ米国外での指紋採取を可能としている一方、申請者が自国など米国外でのオフィスで指紋採取ができればいかに負担が減るかについて十分理解しており、その事が大きな弊害となっていることもまた理解している、とのことです。それらを踏まえ、 再入国許可申請やグリーンカードの更新申請を行った申請者が米国外のオフィスで指紋採取が行えるよう方針の見直しを行う、とのことで、実際、局内ではそのレビューが終了し、近く、好ましい発表があるかもしれません。少なくとも移民局がこの問題を認識しているという現状はとても良い状況と言えるでしょう。

指紋通知書発行の遅れ

永住権保持者へのアメリカ国内でのステータス変更申請、永住権が認可されるまでの就労許可申請及び渡航許可申請、永住権の更新申請、更には永住権保持者が一時期米国を離れる際に申請する再入国許可申請等、申請プロセスの一つとして申請者は移民局指定のローカルの移民局オフィスにて指紋採取を行う必要があります。

最近、移民局のバーモントサービスセンターが米国移民弁護士協会へ報告した内容によると、現在、指紋採取のスケジュールシステムに問題が発生しているとの事です。米国東海岸に在住の申請者であれば、移民局のバーモントサービスセンターが管轄しているのですが、東海岸の在住者で、2014年12月から 2015年1月に申請したケースについて、指紋通知書が届かないなどの問題が発生しているようです。 現在、移民局は、専門業者を雇い、問題解決に取り組んでおり、2015年2月12日辺りには、当問題によって通知書をまだ受け取っていない申請者に対して指紋採取要請の通知書を発送できる予定となっています。

米国移民局を通してのI-130申請書の審査状況

I-130申請とは、配偶者や21歳以上の子供など家族をスポンサーとして永住権を申請する最初の申請ステップですが、この申請は、限られた状況においては、在外アメリカ大使館へ申請する事ができ、そこから管轄の米国移民局へ審査可能かのリクエストがなされます。現状、仮にI-130申請者が在外の米国大使館での最終インタビューを希望する申請であっても、全申請の99%において、I-130申請書はアメリカ国内にある米国移民局(シカゴロックボックス)への申請書の提出が求められています。しかし、つい5年程前までは、アメリカ国外に住む申請者は、その居住地を管轄する在外米国大使館を通してこのI-130申請を行う事ができました。このように現在ではほぼ全てのケースにおいて米国移民局への申請が求められる事で、5年程前に比べて、最終的に永住権を取得できるまで、追加で5ヶ月かそれ以上の審査期間を想定しなければならない状況となっています。

このような状況のもと、移民局は特定の緊急事態においては国務省が管轄する在外米国大使館に審査を行う権限を与える事もあります。その特定の緊急事態については下記に示す状況が例としてあげられます:

  • 海外に駐留する米国軍人が新しい任務や勤務地変更について突然指令を受けた場合(この場合、米国軍人がビザのスポンサーとなっている事を想定)
  • 永住権のスポンサーとなる家族または永住権受益者が、即時の渡米を必要とするような医学的な緊急事態に直面している場合
  • 永住権のスポンサーとなる家族または永住権受益者が、個人の安全に対して、差し迫った脅威に直面している場合
  • 永住権受益者が、あと数ヶ月程度で、永住権を取得できる対象年齢でなくなってしまう場合
  • 永住権のスポンサーとなる家族または永住権受益者が永住権申請のための最終面接のために申請を管轄する国を訪れているが、永住権のスポンサーとなる家族がアメリカ人へ帰化したことで、永住権受益者に対して新しい別のカテゴリーでの申請が必要となる場合
  • 永住権のスポンサーとなる家族が子供を養子にしたことで、アメリカへの出国が緊急な事態となっている場合

シカゴロックボックスでフォームへI-130申請書を提出しなければならない申請者は、現在の正しい申請方法について www.uscis.gov/I-130 から情報を入手する事ができます。

なお、ここ12ヶ月(2013年12月1日〜2014年11月30日)において、481件のケースについて特例的に国務省(在外米国大使館)で審査できるよう移民局に対してリクエストが出されました。これらリクエストのうち、388件(80.7%)に対して、国務省での審査が認められました。それら国務省での審査が認められなかった要因としては、ケースが通常のアメリカ国内での移民局審査プロセスがなされる事を前提とした場合、その前にアメリカにどうしても戻らなければならない緊急の状況であることの説明が不十分だった事のようです。もしご自身の申請が米国大使館での審査を可能とするものとなれば、永住権取得までの期間を大幅に短縮する事ができるでしょう。

PERM:雇用と申請要件の近代化を追求する米国労働局

永住権申請の第一ステップとなる労働局への申請は通称PERMと呼ばれ、このPERMが始まって10年が経ちました。労働局はこのPERM申請を通して米国移民外国人労働者の永住雇用に対する労働認定の手続きを管理するとともに、米国で永住権保持者としてこれらの労働者を雇用したい企業の責任範囲についても規制しています。そのような中、ここ10年、米国経済も大きく変動し、それに伴う労働環境およびその需要と供給のバランスにも大きな変化が見られており、PERM申請についても情報技術と科学分野における申請を中心に、昨年度だけで7万件以上もの申請がありました。

しかしながら、ここ最近の情報技術の進化や時代の流れにより多くの業界のニーズや常識に変化が見られ、労働局も様々な指摘を受けている背景がある中、ここまで労働局はPERM申請上の必要要件や審査プロセスや方針に対する見直しをほとんど行っていないのです。

このような状況の変化および指摘に応えるべく、労働局はPERMプログラムおよびそれに関連する規則に対する見直しを開始する予定です。その見直しの一環として、PERMプログラムそのものが米国の労働力の変化に合わせて近代化され、かつ対応できるものの構築を目指すこととしているようです。概要は以下の通りです。

  • 米国内労働力について職種別の労働力不足や余剰の判定を行うオプション、そしてそれら労働力の過不足を整理する方法の確立
  • 米国における求人活動に必要な必要条件を時代の流れに沿ったものとするための新しい実務的な方法の確立
  • 雇用主の義務を明確化し、PERM上のオファーポジションが米国の労働者に完全に開放されていることを保証するための雇用主の義務の明確化
  • 申請プロセスの見直しと特急申請の可能性
  • タイポなど申請上本質的な部分に対する間違いについては修正を認めるなど審査方針の見直しの可能性

米国労働局は、雇用主および企業側のニーズに応えるべく、かつ米国移民システムの本来の目的に合わせたPERMプログラムのデザインの構築を目指し、現PERMシステムの更なる検証を行うこととしています。