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移民局によるビザスポンサー会社への突然の監査訪問の現状

アメリカ移民局は2014年、公式にL-1Aビザ(主にマネジャー、エグゼクティブの駐在)及びR-1(宗教)ビザを持ってアメリカにて就労している外国人に対し、その雇用実態の確認のため、それらビザ保持者のビザスポンサー会社への監査を行う指針を発表しました。こちらH-1Bビザに加えての監査対象ビザの広がりを具体的に示したわけですが、その一方で、ここ最近、L-1ビザのもう一つのL-1B(専門職)に対しても、その後の公式な発表なく会社への突然の監査訪問が実施されているとの報告があります。実際、移民局はこの状況に対するコメントは発表してはおりません。アメリカ移民局は、このL-1Bへの新しい監査対象の広がりについて、とりわけウェブサイトにおいてL-1とだけ明記し、L-1AとL-1Bを区別はしていないことからも、それを根拠に実施しているのではないかとも考えます。

一方で、興味深いことに、アメリカ移民局ウェブサイトには監査は移民局による認可後に行われるとも書いてある一方で、現実態としてL-1Bビザも含め、アメリカ移民局への延長申請を行い、その結果が出る前の審査段階において、監査を受けたとの企業からの報告も上がってきています。これは、新しい傾向です。

このような状況の中、アメリカ弁護士協会は、今後L-1B保持者を対象とした監査が更に増えるとの見解を示しており、更に、これまでは移民局が外注した監査官による監査だったものが、移民局審査官が直接監査を行う実態も示しています。

ここ最近では、ある監査にて特定の対象者に対して一つでも詐欺的な要素が発覚すれば、同社の他のビザ保持者にも監査の範囲が広がることになっているようです。

この傾向は最近顕著に見られるもので、これら監査のL-1B保持者への広がりがトランプ政権の指令が背景あるか否かははっきりしませんが、現状、L-1Bどころか、新政権では全ての関心が非移民ビザ全種類を対象に向けられ始めています。

そこで、特に会社の人事担当、更にはビザ保持者本人が心得ておくべきことは、会社の規模に関わらず、常に突然の監査の対象となっていること、また監査官が来た際に備えて、申請書の内容を常に認識しておくことが大事です。また、H-1B、R-1、L-1A/L-1Bビザに限らず非移民ビザを持つ全従業員が対象の可能性となることを心得ておく方が良いでしょう。

職務内容、就労場所、給与額など、もちろん事実に沿って申請書が作成されているかと思いますが、その内容に矛盾なく雇用されているか確認することです。もし、申請書の内容と異なる変更がある場合は、その度合いに応じて、移民局への修正申請が必要でしょう。一旦、認可されたビザでも監査官が不服と唱えれば、いつでもビザ取り消しの対象となりますので、今後に備えて、注意が必要です。

2017年1月17日施行の新規則について

アメリカ移民局は2017年1月17日施行の新規則について発表しました。
概要としては、非移民ビザ労働者の雇用の前後にグレースピリオド(猶予期間)を設置、永住権申請の最終段階申請であるI-485申請者等が対象で、就労許可証(EAD)の更新申請をその期限前に適切に行った者に対しては、自動的に就労の延長が可能になることになりそうです。

また新規則は、 I-140の取り消しによる影響を緩和するとしています。

I-140申請が認可されて180日以上経過している外国籍者は、雇用者が失業、またはI-140申請を取り消したとしても、自動的に申請を取り消されることはありません。しかし雇用ベースの永住権を得るためには、外国籍者は新たな仕事のオファーや新たなI-140申請が必要となるでしょう。

申請が取り消されたI-140のビザ申請者個人は、取り消し理由が、詐欺、重大な虚偽の申請内容、根本的なPERM労働認定証の 失効や取り消し、またはアメリカ移民局の重大なエラーでない限り、新たなI-140の申請の際、取り消されたI-140申請のプライオリティ・デートを使用することができるでしょう。

最後に、これまでの長年の方針の通り、I-140が審査中の永住権申請者個人は次のステップであるAOS申請が180日以上審査中の状態が続いた場合、一定の条件のもと、新たな雇用先に永住権申請のスポンサーを変更することが可能です。ただしAOS申請後180日間 に審査中のI-140が認可の可能性がある正当なものである必要があります。

新たな雇用許可規則

規則では、E-3、H-1B、 H-1B1、L-1、O-1の非移民保持者が、永住権申請の一つの段階申請であるI-140申請認可後の次の申請段階のI-485申請に進めずプライオリティ・デートが有効になる順番待ちの状態である場合、1年の 雇用許可を申請することを許可しています。言い換えれば、申請した永住権の年間の発給数がすでに埋まっており、なおかつ説得力のある状況の証明ができる場合と言えます。例えば、救急医療であったり雇用者への重大な混乱が生じるなど、雇用許可の必要性を正当化するものです。現時点では、新規則において「説得力のある状況」という用語がどのように定義されるかは不明です。

新たなグレースピリオド(猶予期間)について

外国籍者がE、H-1B、H-1B1、L-1、O-1、TNビザを保有しており、その雇用が有効ビザ期限よりも早めに終了した場合、彼らには有効なビザ期限期間内において最大60日のグレースピリオドが与えられるようです。これは、彼らがその期間内にステータスを延長、変更、維持することを認めるもので、H−1Bにおいては、新たな雇用者への移行及び就労開始も可能となります。

またE、L-1、TNビザ保有者は、現H-1B非移民者の場合と同様に、有効期間内の前後で10日間のグレースピリオドが与えられます。就労準備のため、有効期間開始日の10日前よりアメリカへ入国が可能となり、有効期間終了後は、滞在延長、ステイタス変更またはアメリカを離れる準備として10日間与えられます。

新たな雇用者への変更申請がすでにアメリカ移民局に受領されているH-1B保有者を除き、グレースピリオド期間中の雇用は認められません。

6年を超えてのH-1Bの延長について

長年にわたり、現在H-1Bステイタスでない外国籍者でも7年目の、もしくはそれ以降のH-1B延長 をする場合、その本人が以前にそのステイタスを保有しており、H-1Bにおける有効な残存期間が残っている限り、その申請は可能とされてきました。しかし、新規則ではH−1Bビザ保有者が移民ビザの申請が可能となった日から1年以内にI-485申請や、移民ビザ申請(I-140申請)をしていない場合、延長はできないとしています。

また新規則には以下内容も含まれています。

H-1Bが満6年を迎え7年目以降の1年間有効なH−1B延長申請について、延長申請時点において、申請者のPERM労働認定証が無効となっている、申請者個人のI-140が却下もしくは取り消されている、またはI-485申請か認可または却下されている場合は申請対象外となるようです。

I-140申請が認可後、その認可を180日もしくはそれ以降に取り消されたH-1Bビザ保有者は、そのI-140が詐欺により取り消し、重大な虚偽の申請内容、アメリカ移民局による重大な誤りや取り消し、またPERM労働認定証の根本的な無効化でない限り、3年の延長資格が維持できます。

さらに新規則では、I-485申請者も含め、適時就労許可証(EAD)の更新を申請した外国籍者に対して、自動的に180日の延長就労許可が与えられるようです。ただし、この自動延長は就労許可の更新を考えているH-4、L-2やEビザの配偶者には適用されないようです。

尚、この新規則では、就労許可証申請の審査を90日以内に処理し、また90日以上審査中となっている就労許可証申請に対して、暫定的な就労許可を与えるようアメリカ移民局に要求できる規則は撤廃されるようです。何れにしても政府はこの規則にここ数年従っていませんでした。また政府は就労許可更新申請を現有効期限の6か月前から受け付け開始する予定です。

興味深いことに、この新たな規則はドナルド・トランプ次期大統領の就任前に施行される予定であり、新政権がこの規則の変更や撤回をするかについては、現在のところ示されていません。しかし変更には、フィードバックを提供するための公衆に対する周知と機会が求められており、いかなる実行も即座に行われることはないと言えるでしょう。

以上、本件は、現状で把握していることであり、上記の通り、今後変更される可能性もあり、現段階では施行されているものではありませんことご注意ください。

トランプ氏の当選と移民

アメリカの移民法は確実に重要な変更がなされ、大統領選挙当選を果たしたドナルド・トランプ政権の重要な課題となるでしょう。技能を持った移民に対する反復的なサポートがいくつかなされてきましたが、これまでのトランプ氏のほとんどの発言を見ると、アメリカへの外国籍者入国の際の審査の増加、外国人労働者の認可の抑制、外国人労働者に対する雇用者の義務の増加に関するものがほとんどでした。

トランプ氏のウェブサイトでは、アメリカにおけるメリット、技術そして成功の可能性に基づいて移民を選択することを支援しています。しかしながら、アメリカ人労働者の雇用を優先する移民規制を求めてきました。彼は、H-1Bプログラムの改革を提唱してきましたが、いまだ具体的な提案はしていません。トランプ氏は、アメリカと協定国間における、移民の合理化を図る条項が含まれる主要な協定の再交渉や撤回を求めるとも述べてきました。

またトランプ氏は雇用ベースの非移民ビザと永住権の申請を含む、ビザやグリーンカードの申請の審査を強化し、より優れた管理を奨励するとしています。また、適切な審査が保証されない国では、ビザ発給を一時的に停止することについても明確に支持しています。ただし、移民法のほとんどの変更には議会の承認が必要であり、数年とは言わなくとも、実施までには数ヶ月は要すという点も重要です。

またトランプ氏が、非公式の人口に対して大きなメスを入れると約束していることも懸念されます。彼は200万から300万人の人を国外追放すると約束しています。そのようなことをしようとすれば、私たちの都市には機関銃が必要となるでしょう。またそのようなことになれば大都市の支援が必要となるでしょうし、その前にカリフォルニアやニューヨークのような州で止められるかもしれません。我々はこれらの大都市の市長たちがそれぞれの地域社会への攻撃に抵抗すべく、最善を尽くすことを願っています。いずれにしてもトランプ政権には、このような業務の遂行には数年はかかると思われます。

そうなると、現在合法的にアメリカに滞在する移民をターゲットにする方が簡単と言えます。移民へ影響を及ぼす重要なポジション、司法長官、国務長官、アメリカ移民局(USCIS)長官、米国移民・関税執行局(ICE)長官、入国管理局(CBP)長官、といったポジションが、反移民派イデオロギーや完全な人種差別派の人で占められたりすることも考えられます。さもなければ移民自体、もしくはアメリカに合法的に存在する人たちへの広く甚大な打撃が最も簡単な方法だと考えられます。共和党は、単に都市の移民コミュニティや雇用者を必要としないといった決定をするかもしれません。

我々のわずかな望みは、次期大統領となるトランプ氏自身、ビジネスマンであり、技術の有無にかかわらず多くの移民、非移民を雇用してきました実績があります。そして彼の妻自身が元H-1B保持者であり移民であるということです。彼が積極的に合法移民をについて検討し、高度な技術を持った労働者やアメリカに投資しようとする企業に対して実際に利益をもたらすような変化を提案することが私たちの願いです。

フォームI-9( Employment Eligibility Verification)の改訂について

2016年11月14日、アメリカ移民局はフォームI-9( Employment Eligibility Verification)の改訂版を発行しました。

雇用者は2017年1月22日までに、11/14/2016 N と記載されたものへの書式の移行を完了させなければなりません。それまでは、03/08/2013 N と記載されたものと、新たなバージョンのどちらでも使用可能です。新しいフォームI-9はこちらから入手可能です。
https://www.uscis.gov/sites/default/files/files/form/i-9.pdf

改訂版の変更点には、セクション1にて、「その他使用した名前」ではなく「その他使用した名字」となっており、一部の外国籍者の認証が合理化されています。

その他の変更点は以下の通りです。

  • 情報を確実に入力させるための補助機能の追加(プロンプトの追加)。
  • 複数の作成者や翻訳者の入力が可能。
  • 追加情報を入力するための専用欄の設置。
  • 作成者や翻訳者用の補足ページの設置。

改訂版I-9はパソコンでの入力が、より簡単にできるようになっています。日付入力のためのドロップダウンやカレンダーの追加、各入力項目での画面上での指示表示、説明文全文への簡単なアクセス、そして入力をクリアにしたり、やり直すといった拡張機能が増えています。ただし雇用者はオンラインでの入力が完了した後、フォームを印刷し署名しなければなりません。

他のアメリカ移民局のフォームと同様、I-9の説明書もフォームから分離され、各項目に詳細な説明が表示されるようになりました。

背景として、1986年11月に議会が移民改革法(IRCA)を通過した際にフォームI-9の要件が制定されたことが挙げられます。移民改革法(IRCA)は、身元確認やフォームI-9上の雇用許可なしでアメリカ市民を含むアメリカ国内での雇用を禁止しています。

アメリカ移民局への新たな申請料金

2016年12月23日より、国土安全保障省(DHS)は、特定のアメリカ移民局への申請料金を増額します。申請料金の増額率は概ね8〜60%となります。EB-5グリーンカードプロセスにかかる料金の増額率は145〜186%にも上り、最も顕著な増加となっています。

以下が新たな申請料金表となります。尚、特急審査(premium processing)申請費用の$1,225に変更はありません。

Form 現在の料金 新料金 増額率
Form1-129 Petition for
Nonimmigrant Worker
$325 $460 42%
Form1-140 Petition for Alien
Worker
$580 $700 21%
Form1-485 Application to Adjust Status Includes the cost of concurrently filed Forms
I-765 and 1-131
$985 $1,140 16%
Form1-765 Application for
Employment Authorization
$380 $410 8%
Form1-131-Application for Travel
Document
$360 $575 60%
Form1-539 Application to
Extend/Change Nonimmigrant
Status
$290 $370 28%
Form1-90 Application to Replace
Permanent Resident card
$365 $455 25%
Form N-400 Application for
Naturalization – Standard Applications
$595 $640 8%
Form N-400 Application for
Naturalization -Applications filed by those who meet certain requirements with respect to military service and for those with approved fee waivers
$595 $0 N/A
Form N-400 Application for
Naturalization-Applications filed by those whose family income is greater than 150% and not more than 200%of the Federal Poverty Guidelines
$595 $320 N/A
Form I-526 Immigrant Petition by Alien Entrepreneur $1,500 $3,675 145%
Form I-924 Application for Regional Center Designation under the EB-5 Immigrant Investor Program $6,230 $17,795 186%
Form I-924 Annual Certification of EB-5 Regional Center %0 $3,035 N/A
Biometrics Fee $85 $85 0%

上記の表が示すように、国土安全保障省が新たに徴収する重要な申請料金に、フォーム924A の申請料金があります。これはApplication for Regional Center under the Immigrant Investor Pilot Program申請のためのフォーム924の補足フォームです。このフォームは雇用に基づく移民ビザ・第5優先(EB-5)カテゴリに使用されます。現在、アメリカ移民局はこれについて申請料金を不要としていますが、2016年12月23日より申請料金$3,035が必要となります。

アメリカ国務省によるビザ用写真の新たな要件について

アメリカ国務省は個人のビザ用写真について、メガネの着用を認めないことを発表しました。これは2016年11月1日より施行されます。ビザ用写真に関するその他の詳細な指示はこれまでと変更ありません。

ビザの申請者はデジタル版か写真原本のコピーを提出することが求められています。アメリカ国務省は、すべての要件を満たすため、ビザ用写真をプロに撮影してもらうことを推奨しています。もしご自身で撮影される場合は、以下アメリカ国務省ウェブサイトに掲載されている詳細な指示に従って行って下さい。

https://travel.state.gov/content/visas/en/general/photos.html

こちらのウェブサイトでは、申請者自身がビザスタンプのオンライン申請やフォームDS-160の申請に、写真が要件を満たしているかを確認できる「フォトツール」という機能も提供されています。大使館や領事館によっては非移民ビザまたは移民ビザの面接の際、写真の持参を求める場合があるため、ビザスタンプの面接を行う場合には、申請者は複数枚(通常2〜4枚)の同一のビザスタンプ用の写真を用意するべきでしょう。

ビザの取り消しに対する新たな施策

アメリカ国務省による外交に関する総合政策を記した刊行物にFAM(Foreign Affairs Manual)があります。今回更新された最新版(9 FAM 403.11-3)によると、DUI(Driving Under the Influence)、つまり飲酒や薬物影響下での運転は、有害な行動を伴う身体的または精神的障害を示す指標になるとして(INA (Immigration and Nationality Act) 212(a)(1)(A)(iii)の下、資格剥奪の可能性を有する)、DUIで逮捕された者の非移民ビザについて、 領事館は諮問の末取り消すことになるとしています。原則として、その個人がすでにアメリカ国内にいる場合、もしくは中断なしでのアメリカへの渡航を開始した後であれば、いかなる状況においても外国の領事官がビザを取り消すことはできません。ただし今回の新たなFAMによれば、DUIに基づく取り消しについては、この規則の例外となるようです。

DUIによる逮捕は公的安全への問題とビザ剥奪の可能性の根拠になるとして、 過去5年間に1件の飲酒関連の逮捕がある場合、もしくは過去10年間に複数の飲酒関連の逮捕がある非移民ビザの申請者には、領事官は医師による健康診断を受けさせることが求められてきました。2015年11月5日時点で、領事官と国務省は、過去5年内に起きたDUIによる逮捕または有罪判決が Watchlist Promote Hitにより現れた場合にはINA 212(a)(1)(A)によって潜在的な不適格に当てはまるとして、諮問の末ビザを取り消す権限を持っています。これはあくまでも領事官の裁量であることに注意して下さい。

ビザが取り消される前に、ビザが取り消される意向が本人に通知され、ビザが取り消されるべきでないことを提示する機会が与えられます。またビザが発行された渡航書類(例:パスポート)の提示も求められます。

ビザが実際に取り消された場合、取り消しを元に戻すための復元手続きが必要となります。具体的には、ビザの取り消し理由がすでに克服されていること、ビザの対象外となっていることを確定させた免除を申請する必要があります。言い換えれば、INA 212(a)(3)(B)下における資格剥奪の免除は国務省により請願されなければなりません。これらのことからも、DUIは現在では、深刻な犯罪として考えられ、承認を難しくするのには十分な材料となっていることを意味します。

これまでのところ、アメリカ移民法に対しては同等の改正は行われていないため、同等のDUI対象者となるアメリカに滞在中の非移民ビザステータス者に対しては、この新たなFAMの規定をもとに、アメリカ移民局はいかなる方法でも拘束することはできません。さらには、もし対象者がすでにアメリカ国内にいる場合、領事官がビザの取り消しをどのように処理するのかも、未だ明確ではありません。

私たちは未だDUIによる逮捕や記録によるビザの取り消しが行われた実際のケースについて確認できてはおりません。しかし、この新たなFAMの規定により、すべての非移民ビザステータスの外国籍者はさらなる慎重さを持つこと、またいかなる状況でも飲酒運転を避けることが賢明と言えるでしょう。

USCIS申請料に関する新提案

2016年5月4日、国土安全保障省(DHS)は、特定の米国移民局(USCIS)申請料の値上げ提案を発表しました。申請料の増価額は概ね8〜60パーセントの範囲です。しかし、EB-5グリーンカードプロセスに関連する申請料は145から186パーセントまでの範囲の増加となっており、最も顕著な増額案となっています。提案された増加の理由は、USCISが提供するサービスの総費用を補うためです。 最後にUSCISが申請料を増額したのは2010年11月23日でした。

以下は、提案された申請料金の一覧です。プレミアムプロセシング申請料($1,225)の増額は 予定されていません。申請料金が確定された際には弊所ウェブサイトにてお知らせされる予定です。

Form

現在の料金

提案額

増額率

Form1-129 Petition for Nonimmigrant Worker

$325

$460

42%

Form1-140 Petition for Alien Worker

$580

$700

21%

Form1-485 Application to AdjustStatus Includes the cost of concurrently filed Forms I-765 and 1-131

$985

$1,140

16%

Form1-765 Application for Employment Authorization

$380

$410

8%

Form1-131Application for Travel Document

$360

$575

60%

Form1-539 Application to Extend/Change Nonimmigrant Status

$290

$370

28%

Form1-90 Application to Replace Permanent Resident card

$365

$455

25%

Form N-400 Application for Naturalization – Standard Applications

$595

$640

8%

Form N-400 Application for Naturalization –Applications filed by those who meet certain requirements with respect to military service and for those with  approved fee waivers

$595

$0

N/A

Form N-400 Application for Naturalization-Applications filed by those whose family income is greater than 150% and not more than 200%of the Federal Poverty Guidelines

$595

$320

N/A

Form I-526 Immigrant Petition by Alien Entrepreneur

$1,500

$3,675

145%

Form I-924 Application for Regional Center Designation under the EB-5 Immigrant Investor Program

$6,230

$17,795

186%

Form I-924 Annual Certification of EB-5 Regional Center

$0

$3,035

N/A

Biometrics Fee

$85

$85

0%

上記一覧表が示すように、DHSが提案する新料金で重要なのはApplication for Regional Center under the Immigrant Investor Pilot Program 申請フォームI-924の補足フォーム であるI-924Aの申請料金です。このフォームは、雇用に基づく移民ビザ、第五優先(EB-5)カテゴリに使用されます。現在は申請料金 が不要な申請書ですが、新たな提案料は$ 3,035となります。さらに、これに伴い移民局は現在のフォーム名I-924Aから「Annual Certification of Regional Center」への変更も提案しています。

DHSによるもう一つの重要な提案は、フォームN-400「Application for Naturalization」、つまり米国市民権の申請における3段階のレベルの料金体系についてです。提案された3つのレベルは以下のとおりです:

第1レベル:申請費用を$ 595.00から$ 640.00へ 増額。

第2レベル:米軍に所属する申請者と 手数料免除の承認を受けた申請者への申請料金を請求しないことの継続。

第3レベル:収入がFederal Poverty Guidelines の条件を150%以上満たし、また200%以下の申請者の申請料を$ 320に減額。

最後に、 不渡小切手や生体手数料の未払いがあった場合、修正の機会を与えることなく申請受付を拒否することを禁止するルールを取りやめることもUSCISは提案しています。

2016年7月5日もしくはそれ以前にこれらの変更案に関し、我々は意見を提出することができます。この方法については以下の政府のリンクをご参照ください:

https://www.uscis.gov/news/alerts/federal-register-comment-period-proposed-uscis-fee-schedule

DHS Pilots Know Employer Program DHSが既知雇用主(Know Employer )プログラムを試験的に実施しています

2015年1月、アメリカ合衆国国土安全保障省(DHS)は、ホワイトハウスの2015年移民近代化計画の一環として、ある雇用ベースのビザ給付要求に対する裁決の合理化を最終目標とした新しい既知雇用者プログラム(Known Employer programを試験的に実施していることを発表しました。 L-1ブランケットのプログラムと同様に、このKnow Employer 試験プログラムでは、H-1BL-1A、L-1B、TNなどの非移民ビザや、EB-1-2 やEB-1-3などの移民カテゴリー等の個々の申請を行う前に、このプログラムに参加している米国雇用主は、自社が参加資格の必要最低要件を満たしているかどうか事前審査を受けるための申請を移民局に対し行うことができます。

推奨申請プロセス:

具体的には、試験プログラムへの参加許可を得た雇用者は、() 雇用主の企業構造および運営や財務状況に関する文書やその他の証拠と、(ii)フォームI-950 (Application for Predetermination under Known Employer Program) をインターネット上のウェブライブラリー「Known Employer Document Library (KEDL)」にアップロードします。また、KEDLにアップロードした文書へは、 合衆国税関・国境警備局(CBP)および米国務省(DOS)が それぞれの審査の補助として利用する目的でアクセスすることが可能です。

移民局はその後、提出された書類を審査し、 雇用主が申請するカテゴリーそれぞれに定められる企業要件を満たしているかどうかを事前に決定します。 

アメリカ移民局が雇用者の事前決定要求を承認した場合、その後雇用主は個々のケースで自社に関する文書を再提出することなく、従業員それぞれに関する嘆願書または申請書のみを提出するだけで十分となるでしょう。これは移民局が個々の 嘆願や申請において、ビザ申請上の職務内容や従業員のビザ取得のための有資格性など残りの要件のみ審査するということを意味します。 

試験プログラム(1年間)に参加する5社: 

試験プログラムの開始日である2016年3月3日時点では、 Citigroup, Inc、Ernst & Young LLP、Kiewit Corporation、Schaeffler Group USA, Inc 、Siemens Corporationの5社が本プログラムへの参加を発表しています。

試験期間は1年間と予定されていますが、アメリカ移民局は当局の裁量で試験期間を終了させたり延長させたりすることができます。従って、この試験プログラムが実行期間中に他の雇用主のために延長されるかどうか、または1年を超過して延長するかどうか、ましてやプログラムが最終的に成功するかどうかを現時点で判断するには時期尚早です。 

プログラムの目標:

プログラムが成功した場合にアメリカ移民局が本プログラムに期待していることは: 

  • 雇用者が提出する書類や移民局が保管する書類の量の削減
  • 雇用ベースの嘆願書や申請書の裁決の一貫性の促進 
  • 移民局内のより良い効率化を達成するための審判プロセスの合理化
  • 入国管理局や領事の効率性と一貫性を高めることを目的とし、CBPとDOSへのより良いサポートの提供

繰り返しますが、この試験プログラムはまだ開始したばかりです。したがって、この雇用ベース給付申請・裁定プロセス合理化の可能性についてあまり期待しすぎるのは時期尚早と言えるでしょう。

詳細についてはこちらをご覧ください。:
https://www.uscis.gov/working-united-states/known-employer-pilot

ビザ免除プログラムの改定

皆さんの中には既にご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、米国政府は、2016年1月21日を開始日として、ビザ免除プログラムの改定を行いました。こちら、昨年のビザ免除プログラムの改定及びテロリスト渡航防止法の施行を受けてのもので、下記に該当する方は、今後アメリカに入国の際は、ビザ免除プログラムではなく、B-1ビザなど、特定のビザを取得した上でのアメリカ入国が求められます(下記、日本国政などビザ免除プログラムの参加国籍であることを前提としています)。

  • 2011年3月1日以降にイラン、イラク、スーダンまたはシリアに渡航または滞在したことがある方(ビザ免除プログラム参加国の軍または外交目的による渡航に対しては、限られた例外有り)
  • 日本人などビザ免除プログラム参加国の国籍と、イラン、イラク、スーダンまたはシリアのいずれかの国籍の二重国籍をもつ方

上記の該当者は、今後のアメリカ渡航の前に、アメリカ大使館・領事館にてビザ申請を行うようにしてください。なお、商用、医療、人道的理由などによる緊急の際は、アメリカ大使館・領事館による迅速に対応が期待できます。

なお、イラン、イラク、スーダンまたはシリアへの渡航が下記の理由である場合など、国土安全保障省長官が法執行機関やアメリカの国家安全保障上の利益になると判断した場合には、上記の制限を免除する場合があります。

  • 国際機関、地域機関、政府機関の代表として公務を遂行するための渡航
  • 人道支援を行うNGOを代表して任務を遂行するための渡航
  • ジャーナリストとして報道目的のための渡航
  • 「包括的共同作業計画」( 2015年7月14日)の合意後に合法的な商用目的のためのイランへの渡航
  • 合法的な商用目的によるイラクへの渡航

なお、これら免除を受けられるかは個別に審査されます。

また、2016年2月18日、国土安全保障省は、イラン、イラク、スーダン、シリアに加え、リビア、ソマリア、イエメンの3ヶ国を該当国として追加すると発表しました