カテゴリー別アーカイブ: 非移民ビザ

トランプ政権発足以降のビザ取得の状況

2020年1月

トランプ政権発足以降、“Buy American and Hire American” (通称 “BAHA”)をテーマに掲げた大統領令(2017年4月)が様々な形で現実化してきています。直訳すれば「アメリカ製品を買い、アメリカ人を雇う」となるこの言葉は、アメリカで働きたい、またアメリカでビジネスを拡大したい、という外国人や外国企業にとっては、その実現に大きな壁として立ちはだかっているようにも見え、我々が取り扱うアメリカ移民法にも直結している大きな問題となっています。

この大統領令の主旨は、アメリカの従業員の賃金と雇用率を高め、アメリカの移民法を厳格に実施し管理することにより、経済的利益を保護するというものであり、現実的にビザ取得が非常に難しくなってきている、ということになります。審査期間は全般的に長期化し、これまでにはないような質問状の発行、またアメリカ国内での永住権申請においても面接プロセスが追加される等、様々な形として現れてきています。実際に、ビザ申請却下率も高くなってきています。

では、皆さんの多くが気にかけているビザの種類として、H-1BやL-1についてアメリカ移民局による最近のデータを見てみましょう。

まずH-1Bの認可率について2015年度の認可率が95.7%であったものが年々減り、2019年度(第一四半期)では75.4%まで落ち込みました。また質問状も発行割合が2015年度の22.3%から60%まで引き上がっているようです。ちなみに質問状が発行された後の認可割合については、2015年度の83.2%から61.5%まで下がっています。これら変動はとりわけ2018年度以降、顕著となっています。特にビザをスポンサーしている会社のサイズがその認可率(却下率)に影響を及ぼしているということではありませんが、IT関連の企業では却下率や質問状の発行割合が上がっているようです。

次にL-1ですが、2015年度の認可率は83.7%であったものがH-1B同様に年々減り、2019年度(第一四半期)では74.4%に落ち込みました。質問状の発行割合も2015年度の34.3.%から51.8%まで引き上がっているようです。質問状が発行された後の認可割合については、大きな変化はなく2015年度の53.5%から52.7% へと、横這いの状況です。L-1における変動の中でも質問状の発行割合が2018年度以降、顕著に増加しているようです。

これらデータでお分かりの通り、移民局による審査が厳格化しています。質問状の内容も複雑化し、これまでには見かけなかったような詳細な事項まで追加で質問を受けることもあり、その傾向に合わせてその後の書類作りを行ってもまた更に別の理由で質問状が出るなど、時間を追うごとに質問状の難易度も上がっています。故に最初に提出する移民局への申請書も多くの説明や証拠資料を提出することになるなど、その申請準備には多大な労力と時間を要することとなり、ケースの却下率が上がっている現状も考えると、申請者となる企業に至っては、アメリカにおける従業員の雇用計画が想定通りにスムーズに進まないという問題も抱えているようです。

尚、今回紹介したデーターでは新規申請と延長申請での区別ではお伝えしてはおりませんが、移民局は全てのケースを詳細に審査することを発表しており、それは延長申請ケースなど既に最初のビザ取得の際に認可を受けているケースでも新規申請同様に全てを見直しするという厳しい審査がなされることになっています。実際に、延長申請でも過去の履歴を深く追及されるなど、延長申請に対してもこれまで以上に質問状が出ています。また申請却下もこれまでは質問状の発行を一旦挟むことが今までの傾向でしたが、現在では、それも無くいきなりの却下通知が届くケースも多いようです。

以上、上記は主にアメリカ移民局の最近の傾向ですが、アメリカ大使館でのビザ申請も厳しくなってきているようです。

最後に簡単に今年の新規H-1B申請についてご紹介します。来年度(2021年度)の新規H-1B申請が今年の春から動き始めます。今年から正式なH-1B申請資格を得るための事前登録システムが導入されることになり、登録期間は2020年3月1日から2020年3月20日までの予定です。登録者がH-1Bの年間上限を超える場合は、事前登録者の中で抽選が行われ、当選結果は遅くても2020年3月31日までに当選した登録者に通知される予定となっています。当選者は2020年4月1日頃から正式な申請が開始できる見込みで、正式な申請は当選から90日の申請猶予期間が設けられる予定となっており、正式な申請は米国移民局が受領した先着順に審査されるようです。尚、現時点では特急審査申請が利用可能かどうかは未発表です。

外国人から見れば、ビザ取得上、あまり好ましい現況とは言えません。一方的な見方かもしれませんが、これがアメリカ経済に真に良い影響を与えるかは疑問かもしれません。今後の政府の動きには益々注目です。

SW Lawグループ、マネジャー
吉窪 智洋

国土安全保障省、申請手数料構造の変更を提案する

国土安全保障省は、申請費用スケジュールの変更を提案しているということです。これにより、ほとんどのビザスポンサー企業と申請者は増額された申請費用を支払わなければいけないことになる上、多くのケースの種類においては更に新しい要件が課せられる可能性があるということです。この提案に関する重要な点は下記となります。

I-129フォームについて

国土安全保障省は、I-129フォーム(非移民労働者の申請書)をビザの分類ごとに異なるフォームに分割し、その分類ごとに異なる申請費用を必要とすることを提案しているということです。尚、もしこの提案が承諾されれば、I-129フォームの提出が必要となるH-1Bビザ、L-1ビザ、OビザTNビザなどを含む、全てのビザの分類に影響することになるようです。

国境警備費について

さらに、国土安全保障省は国境警備費用に関する規定の変更を提案しているということです。 現在の規定では、従業員数が50人を超え、その50%がH-1BビザまたはL-1ビザステータスにある雇用主は、H-1Bビザの新規申請および雇用主の変更申請ごとに4,000ドルの追加申請費用を支払い、L-1ビザの新規申請および雇用主の変更申請ごとに4,500ドルの追加料金を支払う必要があります。しかしこの提案により、雇用主は、H-1BビザまたはL-1ビザの延長申請に対してもこの費用を支払う必要が出てくるかもしれないということです。

永住権保持者へのステータスの変更(AOS)申請についてさらに、国土安全保障省は、ステータスの変更申請に加え同時に申請出来る就労許可書や一時渡航許可証(アドバンスパロール)の申請費用の増額を提案しています。 現在の申請費用は1,225ドルで、この費用にはステータスの変更申請費用、就労許可書、さらには一時渡航許可証の申請費用が含まれます。 尚、このステータス変更申請の費用について、例えば就労許可書と一時渡航許可証の更新申請が必要となる場合の費用も含まれています。

尚、国土安全保障省の提案では、代わりに、新規および更新された就労許可書と一時渡航許可証のため費用を区別するということです。そのため、これら就労許可書とアドバンスパロールを含むステータスの変更申請の提出費用は2,195ドルに増額し、就労許可書と一時渡航許可証の更新(延長)には、それぞれ490ドルと585ドルが分割の上、新規設定されるということです。

特急審査申請について

現在、特急審査申請サービスは15日(カレンダー暦)以内に申請の審査および裁決が下されることを保証します。 しかし、国土安全保障省は、この特急審査申請サービスを今後は15日以内(ビジネスデイ)の裁定期間を保証するものに変更するよう提案しているということです。これにより、延べ日数とすれば、裁決が1週間程度延長される可能性があるということです。

2019年末、今後の政府の方針計画案について

国土安全保障省と国務省は、2019年秋の規制議題を発表しました。 これらの議題は、今後数か月間の各機関の移民政策の優先事項を明らかにし、 もし、これらの規則が正式に施行されるとなれば、多くの移民プログラムとプロセスに大きな影響を与える可能性があるかもしれないということです。

以下は、雇用ベースの移民政策の優先事項のハイライトです。 現時点では、提案されている最終規則の詳細については機密事項であり、公開予定日は変更される場合があるということです。(注)これらは現時点では政策案の状況であり、法制化されたものではございません。

H-1BビザとL-1ビザについて

2020年の9月に公表予定の提案では、L-1Bビザの専門知識のビザのカテゴリーと、L-1ビザの雇用および雇用主と従業員の労使関係を再定義するということです。 尚、この提案により、H-1Bビザプログラムと同様に、L-1ビザ雇用者に新しい最低賃金の支払い義務を課すこと、また、L-1ビザ従業員のオフサイトによる雇用に対する制限が課されることが期待されているということです。

尚、2019年の12月に予定されていることは、H-1Bビザ専門職の雇用および雇用主と従業員の労使関係の定義を改訂する提案であり、H-1Bビザ労働者のオフサイト配置の制限およびH-1Bビザ賃金に関する事項が含まれるということです。

最後に、20203月に予定されている事項は、H-4ビザの雇用許可を取り消す提案であるということです。

F-1ビザOPTについて

2020年の2月に公開される予定の提案は、F-1ビザおよびその他の非移民ビザの許可滞在期限について、現在D / Sという表記から具体的な日付を記載するように変更するということです。ちなみに 現時点では、許可滞在期間のステータスがD / Sとなっている外国人は、許可された活動が続く限り無期限に米国に滞在することが許可されています。

さらに、2020年の8月に公開される予定の提案は、FビザとMビザの外国人留学生のための実践的なトレーニングの規定を改訂する提案だということです。 尚、この提案により、12か月のオプショナルプラクティカルトレーニング(OPT)、STEM OPTの延長、およびカリキュラムプラクティカルトレーニング(CPT)等のプログラムの内容に制限が課される可能性があるかもしれないということです。

米国移民局、特急審査申請費用の増額を発表

2019年12月2日より、米国移民局 (United States Citizenship and Immigration Services: 通称USCIS) は、特定の雇用ベースの申請において、特急審査申請の手数料を増額すると発表しました。尚、米国移民局による最後の申請費用の値上げは2018年でした。

I-129フォーム(非移民労働者申請)とI-140フォーム(永住権申請)の申請に関する特急審査申請において、特急審査申請費用が現在の1,410ドルから1,440ドルへと値上がりするということです。尚、米国移民局によると、今回の特急審査申請費用値上げの理由は、2001年6月から2019年8月の物価のインフレの影響を受けているということです。

特急審査申請は、オプショナルで、I-129フォーム(非移民労働者申請)とI-140フォーム(永住権申請)の申請書において、米国移民局がカレンダー暦で15日間で申請の審査と裁決を行うというサービスです。

国務省、ブランケットLビザ申請の審査基準を明確にする

近日、国務省は、ブランケットLビザ申請の審査に関するガイドラインを更新し、申請者は「明確で説得力のある証拠」の提出によってビザの適格性を証明しなければならないと述べたということです。さらに、領事役員は、新しいガイドラインの規定により、面接中に申請者のブランケットLビザの適格性に関する質問を迅速かつ容易に解決できない場合、ブランケットLビザの申請書を却下するよう指示されたということです。

尚、長年のガイドラインの下では、米国移民局に比べ、米国領事館のブランケットL-1ビザ申請者は、米国領事館の面接で、申請書が「明らかに許可可能」であることをより証明する必要があるということです。尚、新しいガイドラインにより、領事役員がどのブランケットL-1申請を承認するかという基準が変更される訳ではありませんが、全体の申請拒否率がより高くなる可能性はありそうです。そのため、ブランケットL-1ビザ申請者は、申請却下の確率を極力減少するために、面接中に可能な限り明確にブランケットL-1ビザの適格性を説明出来るように充分準備する必要があるでしょう。

以上、この2件に関するご質問がある場合は、お気軽にお問い合わせください。

国土安全保障省、新規H-1B申請登録料の確定を発表

米国国土安全保障省 (The U.S. Department of Homeland Security: 通称DHS) は、各新規H-1B申請登録ごとに10ドルの申請登録料を課すことを正式に発表しました。ただし、国土安全保障省は、この10ドルの返金不可の申請登録料が2021年度(会計年度)のキャップシーズン(新規H—1B申請可能シーズン)に実施されるかどうかはまだ発表していません。

新しい規則によると、この申請登録料の料金が実装されると、キャップシーズンのH-1B申請雇用者は10ドルの手数料を支払い、新規H-1B申請登録ポータル上で各H-1B労働者の事前登録が必要になるということです。尚、申請応募者は、この事前申請登録期間中に米国移民局により新規H-1B申請の応募枠に選ばれた場合、申請の雇用主は完全なH-1B申請書を提出することが可能になるということです。

尚、この10ドルの手数料は、払い戻し不可で、各新規H-1B申請登録に対してH-1Bオンライン登録ポータル上での提出が必須となるということです。この手数料は、G-28フォームを提出する弁護士又は、雇用主によって支払うことが出来るようです。現金、認定銀行小切手、およびマネーオーダーは受け付けられていませんが、クレジットカード、デビットカード、または当座預金口座または普通預金口座を通しての支払いは可能なようです。支払いはPay.govオンライン料金制度上で可能となるそうです。

尚、国土安全保障省によると、まとまった申請数の登録と支払いがオンラインポータル上で可能となる上、雇用者が一度に登録出来るビザ受益者の数に制限はなく、この事前申請登録期間中であれば、雇用者が登録時にまとめて提出出来る数に制限もないということです。

最終的に、この申請登録料金がいつまでに実装されるかについては、オンライン登録ポータルを起動して維持するシステムが一般使用向けに準備出来るかどうかによるそうです。

この件に関するご質問は、お気軽にお問い合わせください。

連邦政府、H-4 労働許可証に関する取り消し案について現在審査中

国土安全保障省 (The United States Department of Homeland Security、通称:DHS) は、Save Jobs USA v DHS (H-1B受益者のH-4配偶者のための労働許可に対する訴訟)の裁判所命令に応じてステイタスレポートを提出しました。そのレポートによると、H-4労働許可証の取り消し案はまだ連邦政府により審査中であるということです。尚、国土安全保障省は、公衆のフィードバックの公開をいつ頃するかについては公表していないということです。

尚、2019年2月に、国土安全保障省はH-1B労働者の配偶者の雇用許可を取り消す規則案を予算管理局 (Office of Management and Budget:通称 OMB) に提出しました。多くの場合、提案された規則は、数ヶ月以内に予算管理局のプロセスを通過するということですが、国土安全保障省のH-4労働許可証の取り消し案については、通常よりも長い期間、連邦政府による審査プロセスを受けているようで、次のステップのタイムラインもまだ公表されてはおりません。

2017年の始め、トランプ政権は最初にH-4労働許可プログラムを審査し、見直すことを発表しました。ちなみに、H-4労働許可プログラムは2015年の3月から実施されています。

今後の流れとしては、予算管理局がその提案を承認し、 公開すると、30日から60日の間、公衆からのフィードバックを提供できるようになるということです。尚、公衆のフィードバック期間が終了した後、国土安全保障省はそのフィードバックを審査し、最終的な規制を施行する前に当案は、予算管理局に送られ、さらなる審査が行なわれるということです。

尚、現時点では、H-1B受益者のH-4配偶者への影響はなく、国土安全保障省はH-4労働許可証の取り消しが確定し実施になるまで、現在の規則に基づいて、引き続き、新しいH-4労働許可証申請およびその更新申請を受け入れ、裁定するということです。

ご質問がある場合は、お気軽に当事務所までお問い合わせください。

連邦政府、提案されたH-1B新規申請登録料について現在審査中

国土安全保障省 (The Department of Homeland Security:通称 DHS) は、来年からH-1B新規申請に登録する雇用者に手数料を課す提案を提出したようです。

現在の規則では、H-1B新規申請書を提出する雇用主には、以下の手数料が加算されます。

  • I-129フォームの申請料:$460
  • H-1Bトレーニングと教育費用:$1500(25人以下の雇用者がいる場合は$750)
  • 不正防止手数料:$500
  • 国境警備費:$4000(申請企業の雇用者の中で、米国に50人以上の雇用者がいる場合で、そのうちの50%以上がH-1B又はL-1ビザ保持者である場合)
  • 特急審査申請料:$1410(申請時点で、特急審査申請が使用可能であ る場合。オプション。)

尚、この新しい提案により、まずH-1B新規申請のスポンサー会社は、新規H-1Bビザをスポンサーしたい外国人一人一人に対してオンライン登録とその手数料を提出することになっているということです。雇用主は、H-1B新規申請の抽選に選出された場合にのみ、申請書と申請費用を提出する必要があるということです。現時点では、登録費用の金額はまだ指定されていないようです。

尚、 この提案は、実施に向けた第一歩として予算管理局 (Office of Management and Budget:通称 OMB) により、現在、審査中であるということです。予算管理局は、この提案が提出されてから90日以内に審査しなければなりません。尚、予算管理局 により、この提案が承認されると、 30日から60 日の間、公衆の意見とフィードバックを招集し、連邦の記録に公開されるということです。公衆のフィードバック期間が終了した後、国土安全保障省はそのフィードバックを審査し、最終的な規制を施行する準備をするということです。尚、2021年度のH-1B新規申請シーズンが始まる頃には、この登録料に関する最終規則が実施される見込みであるということです。

この件に関してご質問がある場合は、お気軽にお問い合わせください。

I-539フォーム、特急審査申請に伴う優遇サービスの対象外となる

前回の記事で述べましたように、米国移民局は2019年の3月に、非移民ステータスの延長/変更申請のための I-539フォームの改訂版と、その申請の補足情報を記載する I-539Aフォームの新規版を公開しました。尚、2019 3月 22 日から、米国移民局は、改訂されたI-539フォームのみを受け入れ始め、12/23/16の日付、又はそれ以前の日付版の I-539フォームと I-539Aフォームによる申請の受付を拒否し始めました。

2019年3月1日に、米国移民局は、関係者との電話会議を行い、改訂された I-539フォームおよび I-539Aフォームについて議論しました。その電話会議中、米国移民局は、適格なI-129申請書と一緒に提出されたI-539フォームに関して、以前から慣行されていた特急審査申請の優遇サービスの提供を継続しないと述べました。これは、改訂されたI-539フォームにより、新しい指紋採取が必要になったためであるということです。したがって、I-539フォームの申請書は現在、I-129フォームの申請書から分離される上、特急審査申請が対象外となるということです。

尚、米国移民局の特急審査申請の場合は15日以内となっていますが、I-539申請の指紋採取は一般的に完了するまで少なくとも約3週間程かかるようです。 尚、申請者は、指紋採取が完了した後に特急審査申請のI-129申請と一緒にI-539申請書を提出しようとするような試みがなされているようですが、特急審査申請によるI-129I-539申請書の両方の認可取得は今のところ、現実的ではないようです。なぜなら、米国移民局はI-129I-539申請書を同時に裁定する義務が無いからです。尚、I-539申請書の審査は、I-129申請書よりも審査にかなり時間がかかる場合があるということです。

この件に関して、ご質問がある場合は、お気軽にお問い合わせください。

米国税関国境警備局、国境で​​のカナダ市民のための L-1ビザ更新申請に関する制限を拡大

米国税関国境警備局 (通称 CBP:The United States Customs and Border Protection) は、国境でのカナダ市民に対する L-1ビザ更新に関する制限を拡大したと伝えています。この新方針は現在、ほぼ全ての米国とカナダ間の入港地(POE)及びカナダ空港の搭乗検査現場で実施されているということです。

これまでは、国境及びカナダの空港の搭乗検査現場にてカナダ市民に対する L-1ビザ更新が可能でした。しかし、今後は、カナダ市民である L-1ビザ更新申請者は、米国移民局を通したステータス更新のための延長申請をしなければならないと主張しています。

この米国税関国境警備局による新指針に影響を受ける対象のケースは以下となります。

  • 現在、L-1ビザのステータス保持者であるカナダ市民で、個人またはブランケット L-1ビザ申請を通じて、米国税関国境警備局の入港地でビザの更新を希望する者
  • L-2 扶養家族ビザのステータス保持者であるカナダ市民で、上記と同様の更新方法を希望する者

この米国税関国境警備局による新指針に影響を受けない対象のケースは以下となります。

  • 新規の Lビザ申請者
  • 断続的なLビザ申請者:カナダに居住し、L-1ビザのステータスで年間6ヶ月以内、米国に滞在するか、パートタイムのみの L-1ビザ就労目的で米国に入国する個人

この方針が意味することとは、L-1ビザの更新を希望するカナダ市民の申請者は、米国とカナダ間の入港地(POE)及びカナダ空港の搭乗検査現場でビザ更新を行うのではなく、ステータスの延長申請に関しては米国移民局に対する申請が必要であるということです。

この件に関してご不明な点や懸念がある場合は、お気軽に弊社までお問い合わせください。

「BAHA – アメリカ製品を買い、アメリカ人を雇う」大統領令施行から2周年

今年の4月で2017年にトランプ大統領が「アメリカ製品を買い、アメリカ人を雇う」をテーマに掲げた大統領令(通称“BAHA”)に署名してから2年が経ちました。それ以来、米国移民局は規定、ポリシーの覚書、および運用上の変更を通じて、大統領令の施行を実施してきました。

この「アメリカ製品を買い、アメリカ人を雇う」をテーマに掲げた大統領令の主旨は、米国の従業員の賃金と雇用率を高め、米国の移民法を厳格に実施し管理することにより、経済的利益を保護するというものです。

以下が、大統領令に署名されてから米国移民局が実施した規定、ポリシーの覚書、および運用上の変更に関する全ての変更点の要約となっています。

米国人従業員の保護について:

  • 賃金に関連する政策指針について:特定のH-1Bスポンサー企業は最終的に米国の労働者の雇用や訓練に役立てる目的でH-1B労働者を雇用し賃金を支払う必要があります。
  • 申請審査に関連する政策指針について:米国移民局の審査官は特定の雇用ベースのビザ申請において、初期および延長申請の両方に同じレベルの厳格な審査を実施するよう指示がなされました。尚、移民申請における必要な証明の負担はH-1Bスポンサー企業にあることを強調しています。
  • 第三機関での労働に関連する政策指針について:第三機関の企業で働くH-1B労働者の申請に関する政策指針が発行されました。
  • L-1 ビザ申請に関連する政策指針について:L-1ビザを申請している企業において、必要な会社関係やコントロール件を示す際、代理投票が取消不能であることが明確になりました。
  • L-1 ビザ申請資格の計算方法が明確化する政策指針について:L-1ビザの申請者に求められる条件の1つに、少なくとも継続して1年間、米国以外の関連会社で職務経験を保持していることが必要となります。そのためその雇用要件の計算方法に関する規定が明確化された指針が発表されました。
  • 新規H-1B申請の抽選に関連する政策指針について:米国高等教育機関から修士またはそれ以上の学位を取得したマスター申請書類の当選率を高めるために、新規H-1B申請の抽選方法の変更を実施する規定が確定されました。

雇用ベースのビザプログラムにおける詐欺の検出と防止について:

  • 米国にて外国人労働者を雇用する雇用者による詐欺や乱用、又は差別を検出し排除するために、米国移民局と司法省は、相互間の協力を拡大し、より良い業務結果を生み出すため理解の覚書に署名したことを発表しました。
  • H-1BとH-2Bビザに関する詐欺を検出し報告する情報受付窓口が設立され、国務省、労働局、司法省との情報共有を強化することで、移民システムの新規および既存のプロセスを合理化し、改善することを目的としているということです。
  • H-1B や L-1ビザ雇用者およびその雇用者のもとで就労している非移民労働者がそれぞれ、承認されたビザの申請内容に沿った雇用を正当に行っているかを確認するため、対象となる雇用先に出向いての監査査察が強化されました。

雇用ベースのビザプログラムの透明性について:

  • 様々な種類の雇用ベースの移民プログラムに関する追加データや法定資格により分類された外国人に提供される雇用許可書類に関する統計を提供する「アメリカ製品を買い、アメリカ人を雇う」という大統領令に専念するウェブページが作成されました。
  • H-1B雇用者のためのH-1Bビザ申請に関する情報提供を目的として、H-1B雇用者データハブが創設されました。

この件についてのご質問がある場合は、お気軽に弊社までお問い合わせください。