作成者別アーカイブ: SEO SWLGPC

H-1Bの審査状況

皆さんの中には2018年度新規H-1Bの申請を今年4月に行い、現在結果を待っている方もいらっしゃることでしょう。今回の新規H-1bについては特急プレミアム申請ができなかったことから、抽選結果を早く知りたくても早くできず、また無事の当選を確認できた方でも最終審査結果が出るまでにはまだしばらく時間がかかる状況があるなど、不安な要素も多くあります。

そのような中、移民局は7月19日付で新規H-1B申請の抽選に当選しなかった申請者への申請書類の返却が完了したとの発表を行いました。今回の申請は4月3日〜7日まで申請の受付がなされ、H-1B年間発給上限数以上の申請が押し寄せたことで抽選となり、移民局は抽選当選者のデータ入力を5月3日に完了したとの発表を行っていました。その後、抽選に漏れた方には随時申請書類が返却されておりますが、それも7月19日付で当発送は終了したことを意味します。

弊社では、既に抽選に当選し、認可を受けた方がいる一方で、まだ申請書のコピーが戻ってきていない方もいらっしゃいます。今回の返却作業の終了を受け、移民局は7月31日までに、正式に抽選に当選したことを示す申請受領書、または抽選位当選しなかったことを示す申請書類の返却が確認できない場合、当選(審査)状況確認のため、移民局に問い合わせが可能となります。

さて、H-1Bの特急プレミアム申請不可の状況についてですが、移民局は2017年4月から先の半年は全てのH-1B申請(新規に見に限らず、延長や転職等の申請も含む)に対してプレミアム申請不可との状況でしたが、こちら年間上限枠対象外のH-1Bケース(高等教育機関やそれに関わる非営利団体、また非営利リサーチ、政府機関などをスポンサーとするケース)など7月24日付で、一部解禁になりました。ただ多くの場合が、上限枠のあるH-1B保持者または新規申請者であることから、引き続き、不憫な状況が続くことでしょう。特に運転免許証の更新が関わる方は、延長申請など、6ヶ月前から申請は可能ですので、早めに申請しておかれることをお勧めします。現在の就労期限までに正当に延長申請が完了していれば、結果待ちでも期限後の引き続きの滞在も可能ですが、DMVは延長認可が確認できるまでは運転免許証の更新を認めない場合もあるかと思います。

最後に、新規のH−1B審査状況についてですが、例年にはない質問状が発行されています。例えば、特定のポジションのLevel-1を使用した給与額(一般に特定のポジションに対して、職務内容や雇用条件等に応じてLevel-1~4まで給与額が区別されています)について、そのH-1Bにおける予定職務内容と労働局の定める給与Levelの条件を比較するなど、Level-1の給与額をオファー額とした根拠等を聞く質問状が発行されています。移民弁護士協会では、その対応に多くの意見が飛び交っている状況で、引き続き議論の中心となると同時に、今後これを意識した戦略的な申請書作りが求められるかもしれません。新政権の影響と言えるか断言はできませんが、移民局審査が厳しくなっていることは否めません。

飲酒運転によるビザの取り消しについて

アメリカ大使館のビザ取り消しに関する新しい方針とは

既に耳にされている方もいるかもしれませんが、アメリカ国務省は2015年11月にビザ取り消しに関する項目のアップデートを行い、ビザ保持者がアメリカ滞在中にDUI関連(飲酒運転など)で罪を犯した場合、ビザ(ビザ査証)を取り消すことができるようになりました。その方針が設定されてから1年半ほど経ちますが、実際にどのような対応となるかの認識も薄く、全ての方に取り消しの通知が送られていない状況でもあるようです。実際、2015年11月以降、飲酒運転で罪が確定した方に対し、アメリカ大使館からEmail等にてビザ取り消しの通知を受けた方がいらっしゃいます。弊社でも関連事項について問い合わせを受けることがあるのですが、未だに、正確に全容そして一貫した政府の対応がつかみきれていない現状でもあります。
ただ、アメリカ国務省が明確に発表していることは、その送られてくるビザ取り消し通知を受け、DUIによる逮捕時からアメリカ国外へ出国しておらず有効なI-94を持っている限り、その期限内のそのビザステイタスでの滞在は引き続き有効で、即アメリカからの強制出国が求められるものではありません。ただ、一旦アメリカ国外へ出国すると、アメリカへの再入国には有効なビザ査証(パスポートに貼り付けられているもの)が必要になりますので、ビザ査証の取り直しが必要になるというわけです。

 

移民局の見解

一方、AILA(全米移民弁護士協会)からの報告によると、DUI逮捕者による移民局へのビザ申請(延長申請やステイタス変更申請など)において、実際にアメリカ国務省の通知から申請者のステイタスが無効になっているとの見解から、ステイタス維持の状況を確認する質問状が移民局より発行された方もいるとの報告を受けています。しかし、繰り返しますが、アメリカ国務省の発表内容から、2015年11月以降、DUI関連の罪が確定後にアメリカ国務省からビザ取り消しの通知が来たことで、即滞在ステイタスがなくなってしまうことではない旨、各人も再認識しておくべきでしょう。

 

移民局より質問状を受けた時の対応は

もし、ご自身の移民局へのビザ申請において、該当の質問状を受けた場合、アメリカ大使館からの通知は即ステイタスを無効にするものではないことをしっかりと返答書に説明し、かつステイタスがしっかりと維持されていることを示す(I-94や給与明細、在籍証明証などビザの種類によって異なります)ことができれば、移民局は質問状への正当な回答として認めてくれるでしょう。

Lビザ申請審査が厳しくなっている現状

弊社では多くのLビザ申請ケースを取り扱っていますが、最近、その審査が新しい形で厳しくなっており、質問状も増えていることを実感しています。

 

L-1ビザとは

簡単に、L-1とは国際企業間の転勤者のためのビザであり、米国に支店・子会社・親会社がある米国外の企業の社員が、同種の仕事内容で米国において働く場合に適用されます。エグゼクティブ又はマネージャーとして米国で勤務する者はL-1Aビザ、Specialized knowledge(会社特有の専門能力)を必要とされて米国で勤務する者はL-1Bビザとなります。ビザの有効期限は、L-1Aが最大7年、L-1Bが最大5年です。
申請者に求められる資格として、Lビザ申請の時点からさかのぼって過去3年のうち1年間継続して米国のスポンサー会社の米国以外の関連会社にてエグゼクティブ、マネージャー、または専門能力保持者として勤務している事が条件です。

 

L-1ビザ保持者に対する給与支払いの事例

そこで、つい最近の移民局の審査状況から気になった事例をいくつか紹介したいと思います。質問状が増えていること自体は前述の通りですが、更にこれまで追求されなかったような内容の質問も中にはあります。その一つの例が、L-1保持者に対する給与支払いについてです。法律ではL-1保持者に対しては、H-1Bビザに対して求められるような最低賃金額というものはありません。それでも特にL-1の延長申請に関し、申請書の中で特定の給与額を提示していたケースで、もしその金額以上の給与が正当に支払われてない場合は、移民局はその申請を却下する傾向が出てきているというものです。これまで移民局は給与の支払いに関しては深く注視していなかったのですが、今後は注意すべき事項となっています。
実際、L-1ビザで従業員を派遣している多くの企業は問題なく申請上の給与額以上支払っているようですが、一方で、その給与の全額または一部が日本で支払われているケースも多くあるようです。移民法上、厳密には法律違反ではありませんが、アメリカでL-1ビザをもとに就労している限りは、一部分が日本で支払われるにしても、日本の支払い分も含めた全額がW-2に計上されるよう心がけておくべきでしょう。もしそのような対応がされていない場合、移民局は日本で支払われた部分的な給与額を認識しないままケースを却下する可能性があります。

 

L-1ビザ保持者の永住する意思に対する移民局の懸念

その他、L-1はその保持者がアメリカに永住する意思を同時に持っても良い非移民ビザの一つなのですが、移民局はそれに対しても懸念を持っており、申請上、L-1での職務が終了次第、自国へ戻ることが明確に示されているかも審査上、注視しているようです。こちら、法律の解釈上は理解しがたいものですが、移民局の現状から、給与支払いの問題とともに注意すべき事項とも言えるでしょう。

2018年度の新規H-1Bビザ申請が受け付け上限に到達

既にご存知の方も多いかと思いますが、アメリカ移民局 (USCIS)は、 2018年度新規H-1Bビザ申請について、2017年4月7日、年間上限枠数である65,000件に達するH-1Bビザ申請を受けたと発表しました。更に、H-1Bビザにはアメリカの修士号以上をもつ申請者を対象としたいわゆる20,000件のマスター枠(追加枠)があるのですが、こちらも同様に年間上限枠に到達したとのことです。

 

今回、2017年4月3日より受付が開始され、最初の5営業日が正式な申請受付期間として定められていました。この5日間で、アメリカ移民局は、マスター枠を含め199、000件の新規H-1Bビザ申請書を受け付けたとのことです。

 

早速、アメリカ移民局は、4月11日にコンピューターによる無作為の抽選を実施し、通常枠である65,000件とマスター枠である20,000件に対して正式に受け付ける書類を選びました。なお抽選方法ですが、最初は20,000件のマスター枠に対して抽選が行われ、マスター枠対象者でその最初の抽選に漏れた申請者はその次に行われる65,000件(通常枠)の抽選の対象にもなるため、通常ケースの申請者よりは当選確率は高くなります。

 

なお、抽選に漏れた申請書は、アメリカ移民局より随時が手元に戻ってきます。その戻ってくる書類には抽選で選ばれなかった旨記載された手紙が同封されてくるかと思われますので、その時点で、自身の申請が選ばれなかったことが正式に判明します。なお、申請書と一緒に提出した申請費用はそのまま戻ってきます。こちら移民局からの返送には時間がかかりますので、ご自身の申請が抽選に選ばれたかどうかが最終的に分かるまで数カ月先になる人もいるでしょう。ただ、例えば、申請書と一緒に送った申請費用の小切手が実際にアメリカ移民局より現金化されたかなど、ご自身の銀行口座を確認することで、早めに移民局の動きを確認することはできるかもしれません。

 

さて、今回の総申請数ですが、昨年の236,000件に比べると約15%減っています。その背景には様々な事情があるでしょうが、当選確率が上がることは喜ばしいことです。弊社では、4月16日の半ば頃より正式に抽選に当選した方に対する受領書が郵便で届き始めました。今年は特急申請ができなかったことから、郵便のみでの通知となります。受領書は5月の前半でもまだ届き続けております。移民局により受領書の発行が完了すれば、移民局による当通知があると思われますので、それまでにまだ受領書を受け取っていない方は、もうしばらく待つべきでしょう。

 

なお、この抽選は新規の通常H-1Bビザ申請のみで、既にH-1Bビザを持っている方の延長申請、転職の申請、更には、特定の非営利団体をスポンサーとした新規申請などは対象外となりますので、引き続き、申請は可能です。

トランプ大統領による新たな大統領令の発行によるH-1Bビザへの影響。

2017年4月18日、トランプ大統領は「アメリカ製品を買い、アメリカ人を雇う」をテーマに掲げた新たな大統領令に署名しました。米国移民弁護士協会(AILA)は、この発令は、トランプ政権の望むH-1Bビザプログラム改革へ向けての第一歩と見受けられるものの、現法に基づくH-1Bビザプログラムの内容そのものが直ちに変更されるなど、大勢に影響はないものである、との見解を示しました。簡単に言えば、今回の大統領令の本質は、全てのビザプログラムに関連する政策の見直し、‘申請詐欺と悪用’を根絶する為の変更勧告、更にはH-1Bビザがより高度な知識を持った高給取りの申請者に対して発給されるような仕組みにすることを目的とした内容、と位置付けています。

 

今回の発令を受け、AILA会長ウィリアムA.ストック氏は次のように述べました。「この発表はシェイクスピアのマクベスの格言 “Full of Sound and fury, signifying nothing (猛り狂ううめき声と怒りばかりで、論理的に意味をなすようなものではない)”を思い起こさせます。ちなみに、この発令により移民局はH-1Bプログラムの見直しが求められている一方で、トランプ政権が思い描いている多くの変更の実現には立法装置が必要とされ、少なくとも長期的な立法制定プロセスが必要となります。単なる「うめき声と怒り」ではなく、本当に必要なのはトランプ大統領と議会が移民法改革に真摯に向き合って協力し合い、全ての移民またアメリカ国民に対して望ましいものとなるような21世紀における移民制度を作り上げることです」

 

更にストック氏の言葉は続きます。「我々移民制度はシリコンバレーに対してだけでなく、全ての地域そして産業分野にとって重要であるべきです。H-1Bビザ労働者は全米全州、更にその州それぞれの地方、例えばインディアナ州のボイシ市からノースキャロライナのローリー市・アイオワ州のデモイン市・ネブラスカ州のリンカーン市に至るまで、全ての地域の経済産業に大きく貢献しています。また、H-1Bビザ労働者は医療制度や製造業またエネルギー産業にとっても不可欠ものなのです。この大統領令によってトランプ政権が提案する改革は、単なる当てつけや逸話でなく、事実とデータに基づいて行われるべきであり、H-1Bビザプログラムを含む私たちアメリカ移民制度が、世界的競争力のある労働力を更に強化し維持していくべく、米国の企業にとって真に有効な手段となるものとなることを心から望みます」

 

弊社でも今後のH-1Bビザプログラム改革について多くの質問を受けます。ストック氏の言葉にもあるように、この改革が実行に移されるにしても、その間に多くの議論と立法手続きが必要となり、即の施行となることは考えにくい状況でもあります。ただ、一方で、あくまでも現法において、政府によるビザ申請審査が厳しくなる、詐欺申請防止のための監査(現地査察)が増える(実際に移民局、労働局より発表がありました)ことが想定されます。今後の移民法改革の行方には注目です。

アメリカ移民局によるNational Interest Waivers(NIW)についての新たな基準

26 I&N Dec. 884 (AAO 2016)によると、アメリカ移民局はNational Interest WaiversNIW)を裁定するための新たな分析的枠組みを発表しました。またそれは、ニューヨーク州の運輸局が掲げる枠組み22 I&N Dec. 215 (Acting Assoc. Comm’r 1998) (Matter of NYSDOT)を、明示的に覆すものでもあります。

新たな枠組みによれば、NIWを希望する申請者は以下を示す必要があります。

  1. 外国籍者により提案される試みには十分なメリットと国際的な重要性を有する。

  2. 外国籍者は提案された取り組みを十分に進める立場にある。アメリカ移民局は教育、技術、知識、関連する功績または同様の実績といった要因について考慮するが、その範囲はこれに限定しない。

  3. 求人およびLCA(労働認定証)の免除は米国に利益をもたらすものであること(たとえ米国人労働者が同様の職に就ける場合でも)。外国籍者はNIWを進めるのにこれまで求人活動を要求されていたため、これは特に注目に価する事項である。

背景として、上級学位を持つ者や、並外れた能力を持つ者はEB-2カテゴリーの下で永住権の申請が可能となります。このカテゴリー下での移民ビザはスポンサーとなる雇用者が労働市場をテストし、その要件を満たす者がいないこと、またそのポジショが可能な、もしくは希望する米国市民にも適合者がいないことを示した場合にのみ、利用が可能となります。NIWは労働市場のテストを免除し、Matter of Dhanasarでは、雇用者が申請者に対してNIWを要求する必要はないことを確認しました。

Dhanasarの改定された枠組みの柔軟性や幅広い適用性についての決定が楽観的である一方、 アメリカ移民局のNIWの嘆願申請資料の裁定において著しい変更があるかどうかや、永住権を追求するにあたっては、EB-1カテゴリーにおける並外れた能力保持者への個人の分類について考える方が、 より現実的な選択になるかどうかはまだわかりません。確かに、EB-2カテゴリーにおいてプライトリティーデートが思わしく進まず、長い停滞にあるインドと中国の国籍者においては、EB-1は価値があるかもしれません。

本内容に関するさらなる情報や、適合可能性等についてはSW Law Groupまでお問い合わせください。

国務省発表の2017年1月のビザブルテン

雇用ベースの永住権申請者のカットオフデート

EB-1: 国籍を問わず現在有効。
EB-2: インド、中国、メキシコ、フィリピン以外の国籍者は現在有効。
EB-2: インドと中国はわずかに進捗あり。
EB-3: インド、中国、メキシコ、フィリピン以外の国籍者は一ヶ月前進。
EB-3: 中国とフィリピンは僅かに進捗あり。
EB-3: インドは進捗なし。

アメリカ移民局からのプラオリティデートに関する新たな決定はありません。

アメリカ国務省は2017年会計年度用、2017年1月のビザブルテンを発表しました。カットオフデートが現在有効となっていないカテゴリーにおいては、2016年12月のビザブルテンより進展なしのEB-3におけるインドを除き、EB-2、EB-3は僅かな進捗が続いています。

EB-1(卓越した能力保持者、研究者または国際企業管理者)は、インド、中国、メキシコ、フィリピンの国籍者も含め、国籍を問わず、現在有効の状態が続きます。
EB-2 (修士学位以上もしくは特に優秀な能力を有する者)については、インドは2ヶ月と15日の前進、中国は24日の前進、その他の国籍者については現在時点で有効です。
EB-3 (技術職、専門職またその他の労働者)については、2016年12月以降進捗なしのインドを除き、その他国籍者は少し前進しました。中国は2ヶ月と8日、フィリピンは1ヶ月と22日、その他の国は1ヶ月の前進です。

EB-1-全国籍: プライオリティーデートは現在時点有効
EB-2-全国籍: プライオリティーデートは現在時点有効
但し、以下国籍を除く。

インド:
プライオリティーデートが2008年4月15日以前
2ヶ月と15日前進。
中国:
プライオリティデートが2012年10月15日以前 24日前進。
EB-3-全国籍: プライオリティデートが2016年8月1日以前 1ヶ月前進。
但し、以下国籍を除く。

インド:
プライオリティデートが2005年3月15日以前 変更なし。
中国:
プライオリティデートが2013年9月8日以前
2ヶ月と8日前進
フィリピン:
プライオリティデートが2011年7月22日
1ヶ月と22日前進

アメリカ移民局によるステイタス変更のための日付

アメリカ移民局が、会計年度において把握しているよりも多くの移民ビザ申請が可能と判断した場合、こちら www.uscis.gov/visabulletininfoのページ内にて、国務省の2017年1月のビザブルテンにあるDates for Filing Visa Applicationsの表を利用するよう発表される予定です。または、アメリカ移民局ウェブサイトにて、アメリカ国内にてステイタス変更申請をする際には、Application Final Action Dates の表をもとに判断するよう指示が出るでしょう。現時点この発表の限りでは、2017年1月にどちらの表を使用すべきかの決定は下されていません。

チャーリー オッペンハイム氏の見解

アメリカ国務省ビザ統制報告部部長で、移民の優先カテゴリーの分析及び予測を担当をするチャーリーオッペンハイム氏によると、

  • EB-1は現時点では全国籍とも現在有効であるが、中国とインドは“ある時点”においてFinal action dateが設定される予定となっています。おそらくそれは2017年上旬となる見込みで、なぜならインドにおいては発給数がすでに上限に達しており、中国は上限間近となっている為です。
  • EB-2の全国籍、メキシコ及びフィリピンは遅くとも2017年7月までにはカットオフデートが設定される予定です。
  • EB-2中国はEB-3中国よりも10ヶ月遅れとなる予定です。
    チャーリー氏はこのギャップは埋まっていくと予想していますが、それにどの程度の時間を要すかはわからないとしています。
  • チャーリー氏はEB-2インドのFinal action dateが2017年会計年度内に2008年から2009年に進むことを期待しています。
  • チャーリー氏はEB-3の全国籍カテゴリーの需要が増加すると警告していますが、その需要がどの程度続くかについてはわからない、としています。
  • チャーリー氏はEB-3インドにおいては、一週間動いて数ヶ月停滞、また一週間動いた後、停滞といった予想をしています。
  • チャーリーはEB-2カテゴリーからの格下げによる流入を予想して、EB-3中国の前進については制限する予定です。

(参考: AILA Doc. No. 14071401)

これらの動向についてさらにご質問がある場合は、SW Law Groupまでお問い合わせください。

2017年1月17日施行の新規則について

アメリカ移民局は2017年1月17日施行の新規則について発表しました。
概要としては、非移民ビザ労働者の雇用の前後にグレースピリオド(猶予期間)を設置、永住権申請の最終段階申請であるI-485申請者等が対象で、就労許可証(EAD)の更新申請をその期限前に適切に行った者に対しては、自動的に就労の延長が可能になることになりそうです。

また新規則は、 I-140の取り消しによる影響を緩和するとしています。

I-140申請が認可されて180日以上経過している外国籍者は、雇用者が失業、またはI-140申請を取り消したとしても、自動的に申請を取り消されることはありません。しかし雇用ベースの永住権を得るためには、外国籍者は新たな仕事のオファーや新たなI-140申請が必要となるでしょう。

申請が取り消されたI-140のビザ申請者個人は、取り消し理由が、詐欺、重大な虚偽の申請内容、根本的なPERM労働認定証の 失効や取り消し、またはアメリカ移民局の重大なエラーでない限り、新たなI-140の申請の際、取り消されたI-140申請のプライオリティ・デートを使用することができるでしょう。

最後に、これまでの長年の方針の通り、I-140が審査中の永住権申請者個人は次のステップであるAOS申請が180日以上審査中の状態が続いた場合、一定の条件のもと、新たな雇用先に永住権申請のスポンサーを変更することが可能です。ただしAOS申請後180日間 に審査中のI-140が認可の可能性がある正当なものである必要があります。

新たな雇用許可規則

規則では、E-3、H-1B、 H-1B1、L-1、O-1の非移民保持者が、永住権申請の一つの段階申請であるI-140申請認可後の次の申請段階のI-485申請に進めずプライオリティ・デートが有効になる順番待ちの状態である場合、1年の 雇用許可を申請することを許可しています。言い換えれば、申請した永住権の年間の発給数がすでに埋まっており、なおかつ説得力のある状況の証明ができる場合と言えます。例えば、救急医療であったり雇用者への重大な混乱が生じるなど、雇用許可の必要性を正当化するものです。現時点では、新規則において「説得力のある状況」という用語がどのように定義されるかは不明です。

新たなグレースピリオド(猶予期間)について

外国籍者がE、H-1B、H-1B1、L-1、O-1、TNビザを保有しており、その雇用が有効ビザ期限よりも早めに終了した場合、彼らには有効なビザ期限期間内において最大60日のグレースピリオドが与えられるようです。これは、彼らがその期間内にステータスを延長、変更、維持することを認めるもので、H−1Bにおいては、新たな雇用者への移行及び就労開始も可能となります。

またE、L-1、TNビザ保有者は、現H-1B非移民者の場合と同様に、有効期間内の前後で10日間のグレースピリオドが与えられます。就労準備のため、有効期間開始日の10日前よりアメリカへ入国が可能となり、有効期間終了後は、滞在延長、ステイタス変更またはアメリカを離れる準備として10日間与えられます。

新たな雇用者への変更申請がすでにアメリカ移民局に受領されているH-1B保有者を除き、グレースピリオド期間中の雇用は認められません。

6年を超えてのH-1Bの延長について

長年にわたり、現在H-1Bステイタスでない外国籍者でも7年目の、もしくはそれ以降のH-1B延長 をする場合、その本人が以前にそのステイタスを保有しており、H-1Bにおける有効な残存期間が残っている限り、その申請は可能とされてきました。しかし、新規則ではH−1Bビザ保有者が移民ビザの申請が可能となった日から1年以内にI-485申請や、移民ビザ申請(I-140申請)をしていない場合、延長はできないとしています。

また新規則には以下内容も含まれています。

H-1Bが満6年を迎え7年目以降の1年間有効なH−1B延長申請について、延長申請時点において、申請者のPERM労働認定証が無効となっている、申請者個人のI-140が却下もしくは取り消されている、またはI-485申請か認可または却下されている場合は申請対象外となるようです。

I-140申請が認可後、その認可を180日もしくはそれ以降に取り消されたH-1Bビザ保有者は、そのI-140が詐欺により取り消し、重大な虚偽の申請内容、アメリカ移民局による重大な誤りや取り消し、またPERM労働認定証の根本的な無効化でない限り、3年の延長資格が維持できます。

さらに新規則では、I-485申請者も含め、適時就労許可証(EAD)の更新を申請した外国籍者に対して、自動的に180日の延長就労許可が与えられるようです。ただし、この自動延長は就労許可の更新を考えているH-4、L-2やEビザの配偶者には適用されないようです。

尚、この新規則では、就労許可証申請の審査を90日以内に処理し、また90日以上審査中となっている就労許可証申請に対して、暫定的な就労許可を与えるようアメリカ移民局に要求できる規則は撤廃されるようです。何れにしても政府はこの規則にここ数年従っていませんでした。また政府は就労許可更新申請を現有効期限の6か月前から受け付け開始する予定です。

興味深いことに、この新たな規則はドナルド・トランプ次期大統領の就任前に施行される予定であり、新政権がこの規則の変更や撤回をするかについては、現在のところ示されていません。しかし変更には、フィードバックを提供するための公衆に対する周知と機会が求められており、いかなる実行も即座に行われることはないと言えるでしょう。

以上、本件は、現状で把握していることであり、上記の通り、今後変更される可能性もあり、現段階では施行されているものではありませんことご注意ください。

トランプ氏の当選と移民

アメリカの移民法は確実に重要な変更がなされ、大統領選挙当選を果たしたドナルド・トランプ政権の重要な課題となるでしょう。技能を持った移民に対する反復的なサポートがいくつかなされてきましたが、これまでのトランプ氏のほとんどの発言を見ると、アメリカへの外国籍者入国の際の審査の増加、外国人労働者の認可の抑制、外国人労働者に対する雇用者の義務の増加に関するものがほとんどでした。

トランプ氏のウェブサイトでは、アメリカにおけるメリット、技術そして成功の可能性に基づいて移民を選択することを支援しています。しかしながら、アメリカ人労働者の雇用を優先する移民規制を求めてきました。彼は、H-1Bプログラムの改革を提唱してきましたが、いまだ具体的な提案はしていません。トランプ氏は、アメリカと協定国間における、移民の合理化を図る条項が含まれる主要な協定の再交渉や撤回を求めるとも述べてきました。

またトランプ氏は雇用ベースの非移民ビザと永住権の申請を含む、ビザやグリーンカードの申請の審査を強化し、より優れた管理を奨励するとしています。また、適切な審査が保証されない国では、ビザ発給を一時的に停止することについても明確に支持しています。ただし、移民法のほとんどの変更には議会の承認が必要であり、数年とは言わなくとも、実施までには数ヶ月は要すという点も重要です。

またトランプ氏が、非公式の人口に対して大きなメスを入れると約束していることも懸念されます。彼は200万から300万人の人を国外追放すると約束しています。そのようなことをしようとすれば、私たちの都市には機関銃が必要となるでしょう。またそのようなことになれば大都市の支援が必要となるでしょうし、その前にカリフォルニアやニューヨークのような州で止められるかもしれません。我々はこれらの大都市の市長たちがそれぞれの地域社会への攻撃に抵抗すべく、最善を尽くすことを願っています。いずれにしてもトランプ政権には、このような業務の遂行には数年はかかると思われます。

そうなると、現在合法的にアメリカに滞在する移民をターゲットにする方が簡単と言えます。移民へ影響を及ぼす重要なポジション、司法長官、国務長官、アメリカ移民局(USCIS)長官、米国移民・関税執行局(ICE)長官、入国管理局(CBP)長官、といったポジションが、反移民派イデオロギーや完全な人種差別派の人で占められたりすることも考えられます。さもなければ移民自体、もしくはアメリカに合法的に存在する人たちへの広く甚大な打撃が最も簡単な方法だと考えられます。共和党は、単に都市の移民コミュニティや雇用者を必要としないといった決定をするかもしれません。

我々のわずかな望みは、次期大統領となるトランプ氏自身、ビジネスマンであり、技術の有無にかかわらず多くの移民、非移民を雇用してきました実績があります。そして彼の妻自身が元H-1B保持者であり移民であるということです。彼が積極的に合法移民をについて検討し、高度な技術を持った労働者やアメリカに投資しようとする企業に対して実際に利益をもたらすような変化を提案することが私たちの願いです。

フォームI-9( Employment Eligibility Verification)の改訂について

2016年11月14日、アメリカ移民局はフォームI-9( Employment Eligibility Verification)の改訂版を発行しました。

雇用者は2017年1月22日までに、11/14/2016 N と記載されたものへの書式の移行を完了させなければなりません。それまでは、03/08/2013 N と記載されたものと、新たなバージョンのどちらでも使用可能です。新しいフォームI-9はこちらから入手可能です。
https://www.uscis.gov/sites/default/files/files/form/i-9.pdf

改訂版の変更点には、セクション1にて、「その他使用した名前」ではなく「その他使用した名字」となっており、一部の外国籍者の認証が合理化されています。

その他の変更点は以下の通りです。

  • 情報を確実に入力させるための補助機能の追加(プロンプトの追加)。
  • 複数の作成者や翻訳者の入力が可能。
  • 追加情報を入力するための専用欄の設置。
  • 作成者や翻訳者用の補足ページの設置。

改訂版I-9はパソコンでの入力が、より簡単にできるようになっています。日付入力のためのドロップダウンやカレンダーの追加、各入力項目での画面上での指示表示、説明文全文への簡単なアクセス、そして入力をクリアにしたり、やり直すといった拡張機能が増えています。ただし雇用者はオンラインでの入力が完了した後、フォームを印刷し署名しなければなりません。

他のアメリカ移民局のフォームと同様、I-9の説明書もフォームから分離され、各項目に詳細な説明が表示されるようになりました。

背景として、1986年11月に議会が移民改革法(IRCA)を通過した際にフォームI-9の要件が制定されたことが挙げられます。移民改革法(IRCA)は、身元確認やフォームI-9上の雇用許可なしでアメリカ市民を含むアメリカ国内での雇用を禁止しています。