月別アーカイブ: 2018年10月

新規H-1B申請者(F-1ビザOPT 保持者)のキャップギャップ就労許可期限(9月30日)に対する移民局の見解

米国移民局 によると、現在F-1ビザ保持者で新規H-1B申請を行った時点でOPT が有効であった申請者について、10月1日の時点でもH-1B申請が審査中の場合は、10月1日付け、又はそれ以降も働き続けると、不法滞在とみなされる危険性があります。その理由は、 “キャップギャップ” の就労が許可されているのは現状、9月30日までであるためです。

キャップギャップとは

現在の 米国移民局の規定の下では、10月1日にF-1からH-1Bへのステータス変更をリクエストしている新規H-1B申請者であるF-1 の学生は、申請時点でそのOPT が有効であれば、F-1ステータスを維持しながら9月30までの就労が可能となります(学校より相応のI-20の取得等が必要)。F-1ステータスの終了と H-1Bステータスの開始の間のギャップを埋めるこの規制のことを「キャップギャップ」と呼んでいます。

不法滞在

不法滞在とは、外国人が許可されていない、または承認された滞在期間外の滞在において、米国に居住する期間のことです。どのくらいの期間、その対象者が不法滞在しているかに応じて、3年間から場合によっては永久的に至るまで、アメリカへの再入国が禁止になる判断が下される可能性があります。

誰がこの指針に最も影響するのか

米国移民局は、既に、いくつかの特定のH-1B申請に対して、特急審査申請を中断していますが、申請者の増加に加え未処理のビザ申請審査等のため、10月1日までに全ての F-1 学生のための H-1Bのステータス変更の申請処理をすることは厳しいと見られています。なお、上記の通り、現時点では9月中に認可が下りなかった新規H-1B申請者(キャップギャップ対象となるF-1学生)は、10 月1日付けまたはそれ以降の就労は認められていません。

影響されない点について

F-1学生のキャップギャップは9月30日に終了しますが、一般的には、ステータス変更の申請が審査中である場合、10月1日以降の引き続きの滞在については違法滞在とみなされずに米国に留まることが認められています。もしステータス変更の申請審査中のF-1の学生で9月30日を超えての就労許可書(OPT)を持っている場合は、もちろん、少なくともその期限までは働き続けることができます。

この件に関してご不明な点や懸念がある場合は、弊社のオフィスにお問い合わせください。引き続き、皆様に、最新情報を随時報告できればと考えております。

移民裁判所への出頭命令 (NTA) 発行指針における最新情報

2018年9月27日、米国移民局は2018年6月28日に米国移民局より発行された裁判所への出頭命令 (通称NTA: Notices to Appear) 発行に関する新指針についてテレカンファレンスを開きました。

裁判所への出頭命令とは
裁判所への出頭命令(フォーム名:I-862)は、米国国外退去に該当すると考えられる外国人に発行される書類です。裁判所への出頭命令を受けた外国人は、米国から退去する必要があるか、又は合法的に米国に残ることができる権利があるかどうかの判決を受けるために移民裁判所に出頭する必要があります。

裁判所への出頭命令の受領対象者
前回の記事でも述べたように、今回の新指針でも米国移民局の審査官が以下のケースの対象者に裁判所への出頭命令を発行するよう指示を受けています。

  1. 詐欺または虚偽が立証されているケースに加え(もしくは)申請者個人が公共の利益を得るための何らかの任意プログラムを乱用した場合。米国移民局は仮にケースが詐欺行為以外の事由により却下された場合でも、裁判所への出頭命令を発行します。
  2. 犯罪行為については、その行為によって有罪判決を受けたり起訴された場合はもちろん、 該当する犯罪行為が、申請の却下や国外退去の根拠とは見なされないような場合においても、犯罪行為とみなされる行為を犯した場合は対象となります。なお、米国移民局は、重大な犯罪行為を含むようなケースについては、該当するケースが申請審査中で最終結果が出ていないような状態であれば、NTAを発行する前に、米国移民関税執行局(通称 ICE:U.S. Immigration and Customs Enforcement) にケースを照会する可能性があります。
  3. 米国移民局が却下する米国市民権申請のケースで、その却下理由が、申請者の犯罪行為を理由として、市民権取得に求められる道徳心がないと判断された場合。
  4. 申請者が米国に不法滞在しているため申請が却下となるケース。

以下がテレカンファレンスを受けてのNTAに関する最新の追加情報です。

  1. NTA発行の対象範囲の拡張が発表されましたが、現時点では、雇用ベースのビザ申請と人道上の申請書に関しては適用外となっております。
  2. 米国移民局 の審査官は、アメリカ国内での永住権申請(AOS申請)や アメリカ国内での非移民ビザの滞在延長申請( I-539申請)において上記に述べたNTA発行の対象であるケースにおいて2018年10月1日からNTAを発行し始めています。
  3. 申請書がいつ提出されたかに関わらず、米国移民局 は、上記の基準のいずれかの証拠がありNTA発行の対象である場合はNTAを発行します。
  4. 米国移民局は、場合により、NTAの発行無しに米国税関国境警備局(CBP)にケースを照会するかもしれません。
  5. 米国移民局は、米国市民権申請者が国外退去可能な場合においてNTAを発行します。
  6. 一旦申請されたケースで、申請後に申請の取り消しが行われた場合でも米国移民局 は対象者にNTAを発行します。
  7. 米国移民局はビザ申請に対して却下通知を発行した場合、その後に通常設けられている不服申し立て可能期間の33日を待ってNTAを発行します。ただ、特定のケースについては、通常より短い不服申し立て可能期間しか与えない場合もあります。
  8. 米国移民局は仮に申請ケースが詐欺以外の事由により却下された場合でも、NTAを発行します。
  9. 犯罪行為に関し、国外退去を可能とする行為。下記参照

a. INA section 212(a)(2)
b. INA section 237(a)(2)

米国移民局は今後もこの指針について新情報を提供していくと考えられます。今後さらに適用範囲が広がる可能性もありますが、弊社では、引き続き、皆様に最新情報を随時報告できればと考えております。この件に関してご不明な点や懸念がある場合は、お気軽に弊社までお問い合わせください。

米国移民局による指針:質問状と却下予定通知書に関する最新情報と最重要点について

2018年9月6日、CISオンブズマン事務所は2018年の7月13日に米国移民局によって発行された質問状 (通称 RFE: Request for Evidence) と却下予定通知書 (通称 NOID: Notice of Intent to Deny) の最新情報に関する会議を開きました。

弊社では以前、この新指針に関する情報の記事を掲載しました。以下がこの新指針に関する最新の追加情報となっています。

  1. この新指針により米国移民局は、未完全な申請書や法的根拠のない審査対象に値しない申請書に対し、移民局審査官は、最初の申請後、これまで行ってきたような追加情報や追加資料を要求する質問状や却下予定通知書を発行することなく申請書を却下出来る権限を持つようになります。目的は、最初の申請後に追加情報や追加資料が必要となる未完全、又は審査中の一時的なステイタス維持や就労許可等を目当てとする、また締め切りに間に合わせることを目的とするような申請の数を減量するため、とのことです。

    この新指針の目的は申請者の潔白な間違いを罰したり、申請資格を満たすために必要な提出証拠書類を誤解し提出しそびれたことを罰することは目的とはしておりません。むしろ、適切な申請書の提出を奨励し、未完全の申請書や軽薄で審査の対象に値しないケースの数を減量することを重要目的としております。

  2. この新指針は2018年9月11日に施行され、2018年9月12日付け、又はその日付以降に米国移民局に届いた申請書に対し、適用が開始されました。

    2018年9月12日よりも前に米国移民局により受領された申請書はこの新指針の対象外です。これらの申請書は、2013年に施行された方針に基づいて審査されることになります。つまり、仮に米国移民局が9月12日よりも前に受領したケースの審査に1年以上かかる場合でも、2013年施行の方針に従って審査されることを意味します。

  3. DACA (通称:Deferred Action for Childhood Arrivals:若年期に入国した不法移民の若者に対して強制退去処分を猶予する米国の移民政策) 又は、DACA関連、亡命や難民関連の申請はこの新指針の対象外です。

  4. 米国移民局は、自身のウェブサイトに、申請者を支援するための操作ツールとして、ビザ等の申請時に最初から必要とされる提出書類について、新しいリストを掲載し公に発表しました。

    なお、この掲載は、あくまでも申請上の支援を目的としたものであり、この新リストは法律の変更や置き換え等を意味するものではありません。全ての申請書はこれまで通り、移民法に基づいて審査されます。なお、一つ例をあげますが、米国移民局は永住権申請に必要な健康診断書について、I-485の申請時に最初から提出すべき書類の対象とはしないことを承認しました。

  5. この新指針はケース却下後のアピール(不服申し立て)の権利に対する影響また変更はありません。

    移民局は、申請上、最初の申請段階から必要とされる証拠資料が提出されているケースにおいて、審査員がその証拠を審査し、もし追加資料や情報を必要とする場合、これまで通り、質問状を発行する可能性は十分あります。なお、移民局によるエラーに伴ってケースが却下された場合、ケースアピールをすることは可能であり、アピール自体、その手続き上のプロセスはこれまでと変更ありません。

弊社では、引き続き、皆様に最新情報を随時報告できればと考えております。この件に関してご不明な点や懸念がある場合は、お気軽に弊社までお問い合わせください。