ビザの取り消しに対する新たな施策

アメリカ国務省による外交に関する総合政策を記した刊行物にFAM(Foreign Affairs Manual)があります。今回更新された最新版(9 FAM 403.11-3)によると、DUI(Driving Under the Influence)、つまり飲酒や薬物影響下での運転は、有害な行動を伴う身体的または精神的障害を示す指標になるとして(INA (Immigration and Nationality Act) 212(a)(1)(A)(iii)の下、資格剥奪の可能性を有する)、DUIで逮捕された者の非移民ビザについて、 領事館は諮問の末取り消すことになるとしています。原則として、その個人がすでにアメリカ国内にいる場合、もしくは中断なしでのアメリカへの渡航を開始した後であれば、いかなる状況においても外国の領事官がビザを取り消すことはできません。ただし今回の新たなFAMによれば、DUIに基づく取り消しについては、この規則の例外となるようです。

DUIによる逮捕は公的安全への問題とビザ剥奪の可能性の根拠になるとして、 過去5年間に1件の飲酒関連の逮捕がある場合、もしくは過去10年間に複数の飲酒関連の逮捕がある非移民ビザの申請者には、領事官は医師による健康診断を受けさせることが求められてきました。2015年11月5日時点で、領事官と国務省は、過去5年内に起きたDUIによる逮捕または有罪判決が Watchlist Promote Hitにより現れた場合にはINA 212(a)(1)(A)によって潜在的な不適格に当てはまるとして、諮問の末ビザを取り消す権限を持っています。これはあくまでも領事官の裁量であることに注意して下さい。

ビザが取り消される前に、ビザが取り消される意向が本人に通知され、ビザが取り消されるべきでないことを提示する機会が与えられます。またビザが発行された渡航書類(例:パスポート)の提示も求められます。

ビザが実際に取り消された場合、取り消しを元に戻すための復元手続きが必要となります。具体的には、ビザの取り消し理由がすでに克服されていること、ビザの対象外となっていることを確定させた免除を申請する必要があります。言い換えれば、INA 212(a)(3)(B)下における資格剥奪の免除は国務省により請願されなければなりません。これらのことからも、DUIは現在では、深刻な犯罪として考えられ、承認を難しくするのには十分な材料となっていることを意味します。

これまでのところ、アメリカ移民法に対しては同等の改正は行われていないため、同等のDUI対象者となるアメリカに滞在中の非移民ビザステータス者に対しては、この新たなFAMの規定をもとに、アメリカ移民局はいかなる方法でも拘束することはできません。さらには、もし対象者がすでにアメリカ国内にいる場合、領事官がビザの取り消しをどのように処理するのかも、未だ明確ではありません。

私たちは未だDUIによる逮捕や記録によるビザの取り消しが行われた実際のケースについて確認できてはおりません。しかし、この新たなFAMの規定により、すべての非移民ビザステータスの外国籍者はさらなる慎重さを持つこと、またいかなる状況でも飲酒運転を避けることが賢明と言えるでしょう。