PERM申請に求められる平均賃金額の決定要因とは

 

永住権申請の第一ステップであるPERM申請において、永住権をスポンサーする会社が、オファーする永住権ポジションに対し職務内容及び雇用条件を決定したら、会社が支払うべき平均賃金額を労働局に対してリクエストしなければなりません。この金額は最終的に永住権が取得できた際には会社が支払わなければならない最低の金額でもあり、この平均賃金額について把握することはその後の求人活動を無駄なく進め、また永住権申請の第2ステップ以降の申請をスムーズに進めることができるかどうか等の大変重要な鍵ともなります。

 

労働局はSOCジョブポジション、雇用場所、学歴、職歴、出張の必要性、部下管理の必要性、資格の必要性、外国語能力の必要性等々を基に平均賃金額を決定しますが、現在、その決定には約60日にかかっています。

  1. Occupation Code (SOC) ジョブタイトル

平均賃金額を労働局へリクエストする際、希望のSOCジョブタイトルをリクエストフォームに記載します。これは労働局が参照するポジション一覧にあるジョブタイトルで、スポンサー会社側も各ポジションに対して求められる雇用条件やポジションレベル等を同様に確認することができます。実際、全ての永住権オファーポジションが完全にSOCジョブタイトルに当てはまるとは限らないため、労働局は、希望されたSOCジョブタイトルが実際の永住権申請上のオファーポジション及び職務内容に対して適切かどうかを判断します。

  1. 雇用場所

平均賃金額リクエストには、雇用場所を記入します。平均賃金額は雇用場所によっても異なり、仮に本社と実際の雇用場所が異なる場合は、実際の雇用場所に基づいて賃金額は決定されます。もし雇用場所が特定の状況で複数にまたがる場合などは、本社の所在地に基づいて平均賃金が決定されます。

  1. 学歴、職歴

一旦、ジョブタイトルと雇用場所が決まれば、そのポジションに必要とされる学歴や職歴を平均賃金額リクエストフォームに記載することになります。オファーポジションに対して通常求められる学歴や職歴はSOCから確認できますが、それよりも高い条件設定とすると平均賃金はその分高くなります。例えば、雇用条件として4年生の学士号が一般に求められるポジションに対し、修士号を必要条件とすれば賃金レベルが一段階上がり、更に博士号を必要条件とすると賃金レベルが二段階上がることになるでしょう。また、この条件設定は永住権の申請カテゴリであるEB2(学士号プラス5年の職歴または修士号を雇用条件とする)やEB3(一例として学士号プラス5年未満の職歴を雇用条件とする)を決定する要因ともなります。

  1. 出張の必要性、部下管理の必要性、資格の必要性、外国語能力の必要性

オファーポジションの雇用条件として出張の必要性、部下管理の必要性、資格の必要性、外国語能力の必要性を付ける場合、通常、その条件ごとに賃金レベルが上がります。ただ、ポジションによってはそれら条件が必然である場合もあり、その場合は、賃金レベルは上がらないこともあります。なお、外国語能力を必要条件とする場合、その必要性に対する理由が求められることになるでしょう。

結論

上記の通り、それぞれの要因によって平均賃金額が決定され、オファーポジションに対して雇用条件が増やす、また高学歴や長い職歴を求めるほど、平均賃金額が高くなることになります。より詳しい情報は2009年11月発行のワークシート(平均賃金決定方針)を参考にすると良いでしょう。

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