PERM:雇用と申請要件の近代化を追求する米国労働局

永住権申請の第一ステップとなる労働局への申請は通称PERMと呼ばれ、このPERMが始まって10年が経ちました。労働局はこのPERM申請を通して米国移民外国人労働者の永住雇用に対する労働認定の手続きを管理するとともに、米国で永住権保持者としてこれらの労働者を雇用したい企業の責任範囲についても規制しています。そのような中、ここ10年、米国経済も大きく変動し、それに伴う労働環境およびその需要と供給のバランスにも大きな変化が見られており、PERM申請についても情報技術と科学分野における申請を中心に、昨年度だけで7万件以上もの申請がありました。

しかしながら、ここ最近の情報技術の進化や時代の流れにより多くの業界のニーズや常識に変化が見られ、労働局も様々な指摘を受けている背景がある中、ここまで労働局はPERM申請上の必要要件や審査プロセスや方針に対する見直しをほとんど行っていないのです。

このような状況の変化および指摘に応えるべく、労働局はPERMプログラムおよびそれに関連する規則に対する見直しを開始する予定です。その見直しの一環として、PERMプログラムそのものが米国の労働力の変化に合わせて近代化され、かつ対応できるものの構築を目指すこととしているようです。概要は以下の通りです。

  • 米国内労働力について職種別の労働力不足や余剰の判定を行うオプション、そしてそれら労働力の過不足を整理する方法の確立
  • 米国における求人活動に必要な必要条件を時代の流れに沿ったものとするための新しい実務的な方法の確立
  • 雇用主の義務を明確化し、PERM上のオファーポジションが米国の労働者に完全に開放されていることを保証するための雇用主の義務の明確化
  • 申請プロセスの見直しと特急申請の可能性
  • タイポなど申請上本質的な部分に対する間違いについては修正を認めるなど審査方針の見直しの可能性

米国労働局は、雇用主および企業側のニーズに応えるべく、かつ米国移民システムの本来の目的に合わせたPERMプログラムのデザインの構築を目指し、現PERMシステムの更なる検証を行うこととしています。

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